| △白馬会重なる作品 昨紙（さくし）にも記（しる）したる同会（どうくわい）は表掛（おもてかけ）の入口（いりぐち）より内部（ないぶ）の陳列装飾（ちんれつさうしよく）に頗（すこぶ）る意匠（いせう）を凝（こ）らしたり又今回（またこんくわい）は本会創立紀念（ほんくわいそうりつきねん）二十年紀（ねんき）を表（へう）する為（た）め別（べつ）に二十年前（ぜん）の大作（たいさく）を蒐集（しうしう）して縦覧（じうらん）に供（けう）することとし新作出品（しんさくしゆつぴん）も中々多（なかなかおほ）く会員中旧作（くわいゐんちうきうさく）もあれど兎（と）に角（かく）一人（にん）にて二三十点（てん）づゝ出品（しゆつぴん）ありて合計（がふけい）四百余点（よてん）の多数（たすう）となれり尤（もつと）も今回（こんくわい）は特別室（とくべつしつ）を設（もう）け得（う）る程（ほど）の裸体画（らたいぐわ）はなくも二三半裸体画（はんらたいぐわ）は陳列（ちんれつ）しあり新作中重（しんさくちうおも）なるものは林忠正氏出品（はやしたゞまさししゆつぴん）にて有名（いうめい）の仏国画家（ふつこくぐわか）ラフエルラン氏筆洋美人（しふでようびじん）の大樹（たいじゆ）の元（もと）に直立（ちよくりつ）せる図（づ）、和田英作（わだえいさく）の衣通姫（ころもどほりひめ）、小林萬吾（こばやしまんご）の静御前（しづかごぜん）、赤松麟作（あかまつりんさく）の牛耕作（うしこうさく）、和田（わだ）三造（ざう）の農馬数頭（のうばすうとう）を使役（しえき）する農家男女（のうかだんぢよ）、小林（こばやし）千古（こ）の寺院装飾画中裸体美人（じゐんさうしよくぐわちうらたいびじん）、黒田清輝（くろだきよてる）のモデル人物手（じんぶつて）と手（て）、燈下（とうか）の子供（こども）、安藤仲太郎（あんどうなかたろう）の果物等（くわぶつとう） |
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