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世界遺産・龍門石窟保護のための国際協力-その足跡と成果-
東京文化財研究所エントランスロビー パネル展示 終了しました
当所では、研究成果を来所者の皆さんにご理解いただくために、エントランスロビーを利用して、定期的にパネル展示を行っております。
土日祝日をのぞく平日の午前9時から5時30分まで、どなたでもご覧頂けます。

  龍門石窟は、中国河南省洛陽市の南郊12㎞の伊水の両岸、龍門山と香山の断崖に開かれた仏教石窟寺院です。創建は5世紀末にさかのぼり、敦煌莫高窟(甘粛省)、大同雲岡石窟(山西省)と並んで中国三大石窟の一つに数えられています。北魏時代から宋時代までに2千を超す大小の仏龕が開かれ、現存する石仏の数は10万体にのぼります。また仏龕や石仏に付随して刻まれた銘文が約2,800現存していて、各時代の仏教信仰を知る上で貴重な資料となるとともに、書道芸術の宝庫として、古来人びとの関心を集めてきました。その歴史的、芸術的、文化的価値から、2000年12月には世界遺産に登録されています。
 東京文化財研究所は、2000年以来、この貴重な龍門石窟の保護のため、ユネスコ/日本信託基金龍門石窟保護修復プロジェクトへのコンサルタントとしての参加、人材育成への協力、写真撮影と画像データ管理システム構築のための共同研究の推進など、多彩で総合的な協力活動を展開してきました。また、研究所が所蔵する1,700枚に及ぶ龍門石窟の銘文の拓本の整理作業が、先ごろ完成しました。
 1,500年の歴史を刻む石窟は、すでに多くの破壊が進行し、石像表面の風化が深刻な洞窟も多数あります。自然の山が持つ構造と環境から見れば、この被害は避けることのできないものです。石窟を少しでも良い状態で未来へ伝えていく。そのために、日々の観察、劣化メカニズムの解明、有効な修理技術・修理材料の開発研究、現状の正確な記録、忘れられた歴史的・文化的価値の再発見など、多くの仕事があります。
 いよいよ今年、ユネスコ/日本信託基金龍門石窟保護修復プロジェクトが終了するにあたり、龍門石窟保護のための国際協力活動の足跡とその多様な内容を示そうというのが、今回の展示の目的です。

龍門山南側 奉先寺洞一帯


中国政府/日本政府/ユネスコ三者会議(2003年10月)

洞窟内部での環境計測

人材育成 馬朝龍氏(2000~01年)

写真撮影プロジェクト(2002~07年)

気象観測装置の設置

人材育成 李心堅氏(2004~05年)

写真撮影プロジェクト(2002~07年)
 
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