帝院第一部四会員意見書提出 

記事番号:00048
年月:1936年05月

帝国美術院第一部に属する会員小室翠雲荒木十畝松林桂月松岡映丘の四名は、予て帝展改革案を練りつつあつたが、帝国美術院総会の時期も近く予想されるので、愈々具体案を纏めて意見書を文相に提出することとなり、病気中の松岡を除く右三名は四月二十八日午後芝紅葉館に会合して協議を重ね、其の後竹内栖鳳とも打合せたが同人は近く単独に意見書を出すことゝなつた為、更に五月五日午後右四名は赤坂あかねに集合して案を練つた結果漸く意見書の草案を決定した。其の内容は、 一、帝国美術院は日本美術の最高諮問機関とし併せて美術の奨励補助をなすこと 一、帝国美術院自体に於いては展覧会を開催せざること 一、展覧会は民間美術団体聯立の形式に於いて文部省之を主催すること としたもので、之に旧帝展以来の欠陥を指摘した理由書を附したものであると伝へられる。 此の意見書は右四名の署名に成り、松岡が代表となつて五月七日平生文相に之を提出した。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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