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事業詳細

背景

バガン遺跡群(ミャンマー)における寺院壁画の保存修復に関する協力 【技術支援研究室】

ミャンマーのバガン遺跡は、11世紀から13世紀にかけて栄えたビルマで初めての統一王朝パガン朝の時代に建てられた仏教遺跡群です。遺跡内には煉瓦造の仏塔や寺院が3500基以上建ち並んでおり、寺院内壁に美しい仏教壁画が描かれているものもあります。

近年のバガン遺跡における壁画保存活動は応急処置がメインであり、本格的な保存修復は行われていませんでした。しかし、バガンの高温多湿な自然環境と、過去に使用された修復材料の影響により壁画の傷みが進行しており、深刻な問題となっています。

この事業では、海外の研究者にも協力を仰ぎながら、バガン遺跡の壁画に適した保存修復方法の確立を目指しています。また、地元若手専門家を積極的に受け入れ、文化遺産保護活動を進めるうえで浮上する課題や問題点を正しく評価するための知識を伝達すべく、人材育成活動にも取り組んでいます。

2019年度は、バガン遺跡群の寺院壁画に共通してみられる過去の修復処置がもたらす問題点について解説し、無機修復材料を用いた彩色層の補強方法と補彩技法について研修を行いました。

 

ミャンマー壁画_右.jpg
事業参加者との集合写真

 

予算
・東京文化財研究所運営費交付金事業「保存修復技術の国際的応用に関する研究」
・住友財団 海外の文化財維持・修復助成事業「バガン遺跡群(ミャンマー)寺院祠堂壁画の保存修復」