ミャンマーは、バガン遺跡群に代表される煉瓦造や石造の古代建造物や繊細な彫刻で彩られた木造僧院など、様々な時代にわたる豊かな建築文化遺産を有しています。しかし、その保存状態は必ずしも良好とは言えず、維持修復のための技術や人材の不足に加え、2016年にバガン遺跡群に大きな被害をもたらした地震のような自然災害への対策も大きな課題となっています。
センターでは2012年からミャンマーでの協力事業を開始し、同国考古国立博物館局の協力要請に基づくマンダレー地方での木造僧院建築の調査に関する研修の実施や、ユネスコとも協調しながらバガンでの建築遺構保護体制整備への支援などを行ってきました。
2016年の地震後はバガン遺跡群に対象を絞り、被災状況の調査分析結果を踏まえて、文化遺産建造物の復旧や今後の保存が適切に行われるよう、技法的特徴の解明や応急的保護措置への助言などに注力してきました。
→ミャンマーの建築遺産保護に関する刊行物一覧
バガン遺跡群の地震被害に関する現地調査
歴史的木造建造物の修理計画策定に関する現地研修
予算
・文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業「ミャンマーにおける考古・建築遺産の調査・保護に関する技術移転を目的とした拠点交流事業・建築分野」(2017~2018)
・文化庁委託文化遺産保護国際貢献事業「ミャンマー・バガン遺跡群における地震被害に関する調査」(2016)
・ユネスコ日本信託基金事業「Technical Assistance for the Conservation of Built Heritage at Bagan」(2014~15)
・文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業「ミャンマーにおける文化遺産保護に関する拠点交流事業」(2013~2015)
・文化庁委託文化遺産保護国際貢献事業「ミャンマーの文化遺産保護に関する技術的調査」(2012)