織田文庫の扉

昭和31年(74才)
織田一磨

 織田一磨(おだかずま)(1882-1956)は、明治から昭和にかけて石版画家として活躍しました。織田の作品には、「東京風景」や「大阪風景」などの生き生きとした都市風景の連作があります。また、江戸時代の浮世絵作家たち、とりわけ北斎に心酔した織田は、その絵入読本を蒐集し、制作の参考としたほか、多くの研究論文を発表しています。



織田一磨略年譜 ―「織田一磨展」(毎日新聞社、1960)より―
1882(明治15) 11月11日 東京芝公園に生まれる。
1907(明治40) 第1回文展に「日光山の奥」出品。
1909(明治42) 第2回文展に「竹林遠望」出品。
日本水彩画会審査員に。
1918(大正7) 山本鼎らと日本創作版画協会を組織。
「東京風景」石版連作20枚完成。
「大阪風景」の制作に着手。
1925(大正14) 松江赤山に版画研究所開設。
「松江大橋雪夜」(石版)を完成。
1928(昭和3) 第9回帝展に「たそがれ」(石版)出品。
画集「銀座」刊行。
1930(昭和5) 銅版・石版作家らと洋風版画協会を設立。
第11回帝展「セメント工場」(石版)出品。
画集「新宿風景」「浮世絵の知識」刊行。
1931(昭和6) 「浮世絵と挿絵芸術」出版。
1932(昭和7) 「東京近郊八景」(石版)。
1936(昭和11) 文展招待展に「山頂雨後」出品。
この年から文展無鑑査となり以後毎年出品。
1938(昭和13) 第2回文展に「山小屋の暁」出品。
1939(昭和14) 第3回文展に「蔵王の精華」出品。
1949(昭和24) 米国ボストン美術館に自作石版画作品216点寄贈。
1954(昭和29) 2月 織田石版術研究所展を銀座資生堂で開催。
10月 東京丸ビル内中央公論社画廊で個展開催。
1955(昭和30) 高尾山仏舎利塔扉絵原画を描く。
1956(昭和31) 3月18日 心臓麻痺のため逝去。
1970(昭和45) 東京国立文化財研究所が織田の収集した絵本類を収蔵。