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文化財情報資料部 研究会「遊行上人縁起絵の諸相」のご案内

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文化財情報資料部 研究会「遊行上人縁起絵の諸相」
平成29年3月28日(火曜日)13:30より
東京文化財研究所 地階セミナー室 にて

【開催の趣旨】

 時宗に伝来した高僧伝絵というとき、一遍聖絵が著名ですが、今回の研究会でとりあげるのは、一遍(1239-89)と時宗二祖である他阿真教(1237-1319)の行実を描いた遊行上人縁起絵(全10巻)の方です。この遊行上人縁起絵は、徳治2年(1307)に原本(逸亡)が成立しましたが、その後、これをもとに中世において相当数に及んで制作されたようです。現存作例としては、京都・金蓮寺本、神奈川・清浄光寺(遊行寺)本ほか、いくつかが知られています。これらは絵相の比較から、いずれも原本を忠実に転写するに留まることなく、独自の表現を加味して展開していたことがうかがえます。そのため、遊行上人縁起絵の全体像を考えてゆくためには、中世に遡る現存諸本を詞書・絵相の双方において把握するとともに、それら相互の関係性に留意する必要があります。そして、そのことはおのずと14世紀後半のやまと絵の展開にも再考を促すことに繋がってゆくように考えます。

 たまたま、それぞれの関心から個別に遊行上人縁起絵に向き合うに至った研究者たちが、一昨年末の遊行寺宝物館・神奈川県立金沢文庫・神奈川県立歴史博物館における「国宝 一遍聖絵」の一挙公開を機に語らい、一年を年限として結集し研究助成を得て共同研究「遊行上人縁起絵の調査・研究―神奈川・清浄光寺(遊行寺)本を中心に―」(代表:津田徹英)を立ち上げました。その調査・研究は清浄光寺本にとどまらず、広く中世に制作が遡る現存諸本の熟覧に及ぶことができました。

 そこで今回の研究会では、諸本の熟覧を通じて得た新知見を中心に調査・研究の報告を行うことを目的として標記の研究会を開催いたします。ご関心のある方の参加をお待ちしております。


日時:平成29年3月28日(火曜日)13:30~終了しました。
※ 受付は13:00から。
※ 研究会の終了は17:30を予定。
会場:東京文化財研究所 地階セミナー室(定員80名)
最寄り駅:JR鶯谷駅南口、もしくは、JR上野駅公園口
いずれも改札口より徒歩約10~15分
主催:東京文化財研究所 文化財情報資料部
共催:寺社縁起研究会・関東支部

プログラム

司会:土屋貴裕(東京国立博物館)
13:30~15:00
・津田徹英(東京文化財研究所)「詞書の筆跡からみた遊行上人縁起絵―伝世諸本の位相―」
・本多康子(渥美国際交流財団)「金蓮寺本 遊行上人縁起絵について」
・井並林太郎(京都国立博物館)「遊行上人縁起絵諸本の絵相について」
― 休憩(15分程度)―
15:15~16:15
・遠山元浩(遊行寺宝物館)「遊行上人縁起絵に描かれた真教と情景の一考察」
・梅沢 恵(神奈川県立金沢文庫)「一遍聖絵と遊行上人縁起絵における図様の共有」
― 休憩(15分程度)―
16:30~(17:30終了予定)
・質疑応答等

申し込みは締め切りました。

【研究会参加の申し込み方法・問い合わせ先】

 会場の座席数が限られるため(定員80名)、参加者の人数を把握いたしたく、事前の申し込みにご協力ください。下記のEメール、ファックス、往復はがきのいずれかで、東京文化財研究所 文化財情報資料部宛にお申し込みください。いずれの場合も、「3月28日 研究会 申し込み」を表題に(メールの場合は件名に)明記のうえ、住所・氏名・所属、(ファックス・はがきの場合は、受付のお返事を返信するため必ずファックス番号と電話 番号をお書き添えください)。

定員:80名(申し込み先着順)
申し込み期限2017年3月26日(日)
申し込み用紙PDFファイルwordファイル
※ただし、定員になり次第、締め切らせていただきます。
申し込み・問い合わせ先:東京文化財研究所 文化財情報資料部 3月28日研究会
 〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43
 電話:03-3823-4829 Fax: 03-3823-2371
 e-mail:kjkenkyukai@tobunken.go.jp
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