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研究会「アート・アーカイヴのいま」

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開催趣旨:  ドイツでは19世紀以降、学術・美術資料のアーカイヴが多数成立し、いわば自然科学領域における「実験室」とともに、人文・社会科学領域における「リサーチ・アーカイヴ室」が学術を支えてきた。図書館や博物館の持つ普遍性志向の機能と重なるとはいえ、アーカイヴは特殊性や個別性に知の根源を追究する。こうしたアーカイヴ環境を担ってきたアナログ的な情報オーダーは、1990年代からデータベースを基盤とするデジタル環境のもとでさらに飛躍する局面を迎えた。
 この状況はしかし、21世紀のコンピュータ・アイコンの革命的膨張がもたらす周知の「アイコニック・ターン(画像論的転回)」の問題をつきつけてやまない。芸術制作とは本来、ごく個別的な価値体験と生活環境とが交通する特殊な出来事にほかならず、その過程をめぐる資料の収集・保存・研究・開示が「アート・アーカイヴ」の基本活動であろう。けれども現代では、グローバルなビッグ・データが文化的関心を集めてやまない。こうした大きな転換期に直面するわれわれは、ここに現代ドイツのアート・アーカイヴ活動を主導するアーキヴィストで美術史学者ビルギト・ヨース氏を迎え、あらためて「アーカイヴ」の意義と課題を問うこととしたい。



日時: 2016年5月14日(土)14:00-16:00(13:30 受付開始)
会場: 東京文化財研究所 セミナー室(地階)(〒110-8713 東京都台東区 上野公園13-43)
地図はGoogleマップ参照(http://www.tobunken.go.jp/japanese/googlemaps.html
主催: アート・ドキュメンテーション学会美術館図書室SIG・独立行政法人 国立文化財機構東京文化財研究所
後援: 神奈川県立近代美術館・公益財団法人吉野石膏美術振興財団
使用言語: 日本語、英語(通訳あり)
参加費: 無料(定員約80名)



プログラム
研究発表 14:00-14:20前田富士男(中部大学客員教授/慶應義塾大学名誉教授)
「芸術図書館とアーティスト・アーカイヴ――ドイツの伝統と<アイコニック・ ターン>」
14:20-15:20ビルギト・ヨース(博士/ドクメンタ・アーカイヴ所長<次期>)
「ドイツにおけるアート・アーカイヴ――その概要」
(英語による講演、日本語要約付)
全体討論15:30-16:00
(モデレーター:川口雅子(国立西洋美術館) 通訳:枝村泰典)



 参加には事前登録が必要です。下記の申し込みフォームから、お名前(よみ)・ご所属・メールアドレスを記入してお申し込みください。


 申し込み期限: 2016年5月7日(土)申し込みは締め切りました。


 問い合わせ先

 〒110-8713
 東京都台東区上野公園13-43 東京文化財研究所 文化財情報資料部

 電話:03‒3823‒2264
 ファックス:03‒3823‒2441
 E‒mail:kjkenkyukai@tobunken.go.jp




 
 
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