ブックタイトル「鉄構造物の保存と修復」日本語版

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概要

「鉄構造物の保存と修復」日本語版

【所見】腐食による材料の劣化・破損を問題にしている鉄構造物は多い。そうした事例に対して、補修方針の立て方や補修方法の選択のプロセスなど参考になる事例である。また、腐食原因である水の浸入に対して、部材の隙間にプレートを溶接し、水の浸入防止対策を講じるなど、保存環境の改善なども実施されており、改善方法の一例として参考になるものである。4.3.構造補強方法(1)構造形態に合わせた補強-森村橋竣工:明治39年(1906)構造形式:鋼製単トラス橋、橋長39m、幅員4.8m設計:秋元繁松登録有形文化財登録:平成17年(2005)11月10日指定基準:(二)技術的に優秀なもの、(三)歴史的価値の高いもの所在地:静岡県駿東郡小山町小山133-6地先所有者:小山町写真4-22:挟み込む形で当初部材を補強している状況写真4-23:格点部の現状【補修の経緯】明治39年(1906)に建設された森村橋は、完成から6年で床版の交換など、修繕や改造が繰り返し実施されてきた(写真4-20,21)。昭和30年(1955)には、端支柱、可動支承、格点ピン交換(一部)や昭和40年(1965)には防錆塗装(サンドブラスト+高濃度亜鉛末樹脂塗装(ジンキー)塗布)、軽量コンクリート床版への交換や縦桁の一部が取替られた。昭和43年(1968)には、床版をさらに軽量化させるため鋼製床版への交換、格点の補強が実施された。本事例では、昭和43年に実施された格点の補強方法を紹介する。格点伏図格点側面図1写真4-20:森村橋全景格点側面図2格点3Dモデル写真4-21:森村橋側面トラス部図4-4:格点部詳細図(赤い着色部材が補強部材)(提供:八千代エンジニヤリング株式会社)90第6章鉄構造物の保存と修復に関する事例集