ブックタイトル「鉄構造物の保存と修復」日本語版

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概要

「鉄構造物の保存と修復」日本語版

それぞれの機械のくせ、調整方法を伝承していく必要がある。【課題に対する事例紹介:可動橋の維持管理方法-末広橋梁(p.98 ? )、可動橋の維持管理方法-長浜大橋(p.100 ? )、可動橋の維持管理方法-旧筑後川橋梁(筑後川昇開橋)(p.101 ? )】4.鉄構造物の保存と修復に関する事例4.1.防食対策(1)錆の進行速度を勘案した保存-旧三河島汚水処分場喞筒場施設喞筒井阻水扉竣工:大正8年(1919)3月構造形式:鉄筋コンクリート造、面積24.42m2、返水渠附属、南面導水渠に接続設計:米元晋一(東京市技師)が中心重要文化財指定:平成19年(2007)12月4日指定基準:(三)歴史的価値の高いもの所在地:東京都荒川区荒川八丁目25番1号所有者:東京都工事期間:平成22年(2010)7月? 23年(2011)3月(一期)、平成23年(2011)12月? 25年(2013)3月(二期)から明らかになった。そこで、阻水扉を安全に公開するための修理工事が実施された。【保存修理工事の概要】阻水扉を保存するため、保存方法を評価するため4つの価値項目が設定され、5つの保存方法が検討された。(表4-1,2)。汚泥のついた阻水扉を残すことで、操業時の姿を見学者に写真4-1:現状保存された阻水扉【保存修理工事の経緯】喞筒井阻水扉室の阻水扉は、喞筒井を締め切り、内部の設備を点検整備するために必要な扉である。この阻水扉は汚泥の付着や湿気により腐食が進行していた。調査工事によって扉が置かれた地下の湿度が100%あり、錆が進行しやすい環境であることが確認された。扉の状態は、黒錆により表面が侵食していたが、鋳鉄部の肉厚は半分以上が残存していることが調査写真4-2:保存処置がとられた阻水扉表4-1:保存方法を評価するための価値項目(参考:(公財)文化財建造物保存技術協会(2014)、『重要文化財(建造物)旧三河島汚水処分場喞筒場施設保存修理工事報告書』、p.199。)機能することによる価値時代の証人としての価値記憶としての価値経験させる価値そのものがつくられた本来の目そのものがつくられた時代の製そのものがつくられた時代に属すそのものを見た人に、過去の営み的を果たすこと(機能すること)造技術や設計思想が表現されてる人々の記憶を保存し、関係者にを想起させることによって生まれによって生まれる価値表4-2:価値項目別にみた各保存方法の評価(参考:(公財)文化財建造物保存技術協会(2014)、『重要文化財(建造物)旧三河島汚水処分場喞筒場施設保存修理工事報告書』、p.199。)いるという価値思い出させるという価値提案された保存方法扉を取り外して別汚泥を付着させたカバーをつける汚泥・黒錆を落とし、既存の扉を撤去しの場所に保管するまま保存する塗装をするて、新たに扉を鋳造する機能することによる価値××××○時代の証人としての△×○○×価値阻水扉が残るいずれなくなる阻水扉が残る阻水扉が残る阻水扉が交換される(ただし、別の場所で)記憶としての価値×○○△×阻水扉がその場所阻水扉の姿が残る阻水扉の姿が残る阻水扉の姿が残る阻水扉の姿が残るからなくなる(ただしカバーが(ただし見た目が(ただしオリジナル違和感を与える)変わる)ではない)経験させる価値×○△△△阻水扉がその場所阻水扉が残る阻水扉が残る阻水扉が残る阻水扉が残るからなくなる(ただしカバーが(ただし汚泥はなくな(ただしオリジナル違和感を与える)る)ではない)採用された保存方法×○×○×る価値83