ブックタイトル「鉄構造物の保存と修復」日本語版

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概要

「鉄構造物の保存と修復」日本語版

リベット施工時の反力の取り方は、図21に示すように、補剛材等の既設部材で反力を取れる箇所は問題にならないが、既設部材で反力を取れない箇所では、反力を取る作業が困難となる場合があった。鋼鉄道橋におけるリベットによる補修は、様々な方向からリベット施工を行うため、図22、23に示すように、鋼材を加工して反力を受ける冶具を使用して施工しなければならなかった。施工時間が列車間合の短い時間に限られる鉄道橋では、様々なケースに対応しなければならないため、リベット施工位置に応じて、反力を取るための治具を現場で加工する必要があるので、事前に反力の取り方について、検討しておく必要がある。4.リベット技術の継承について4.1.リベット技術の継承に向けた取り組み鋼鉄道橋を維持管理していくためには、鉄道構造物の保守担当者として、リベット接合の技術を理解しておくことが非常に重要である。しかし、前述のとおり、近年ではリベット施工がほとんどされていないので、リベットの施工を見たことがある社員は非常に少ない。そこで、リベット技術の継承を目的に、リベット施工の見学および経験する取り組みを実施した。また、リベット接合桁の補修にはリベットの撤去が必要であることから、リベットの撤去の見学についても実施した。対象は土木技術センター(維持管理を担当する部署)の若手社員を対象として行った。その状況を図24に示す。リベット頭(ハンマー側)リベット頭部のずれリベット頭(固定側)反力用治具図20リベット頭部のずれ図21反力の取り方(既設部材活用)現場で設置した反力用鋼材現場で加工した反力用鋼材反力用治具図22反力の取り方(加工鋼材使用)図23設置した反力用鋼材図24リベット技術継承の取組み54第4章鋼鉄道橋におけるリベット接合の維持管理上のメリットと技術継承について