ブックタイトル「鉄構造物の保存と修復」日本語版

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概要

「鉄構造物の保存と修復」日本語版

がある。軽微な損傷である場合には、その安全性を確認した上で運転再開を図ることになる。鉄道橋の多くはリベット接合を採用しているので、衝撃等により変形したリベットの材料特性を把握しておくことが重要である。そこで、変形したリベットの材料特性を調査するため、図6に示す水害で大きく変形し、撤去したリベット桁(昭和44年(1969)製作、上路プレートガーダ)の下フランジからのリベット接合を採取し、リベットの断面観察を実施した。桁の鋼材はS39A、リベットの材質はSV34(SV330)である。この図中の枠内の部分から下フランジのリベットを採取し、断面確認用の試験体を加工した。試験体の切り出し位置を図6に示す。試験体Aおよび試験体Cは変形を受けていないため、変形していないリベットとして比較用に試験に供した。試験体Bおよび試験体Dは変形を受けたリベットであり、図7中の右方に示されるフランジ変形部のリベットである。図4橋桁衝撃事故例図6試験体に使用した桁A-4D-1B-2B-3図5下フランジの局部変形図7試験体採取位置(D-1のリベットは部材に隠れた位置にある)図8リベット部材の変形性状(a)変形量大(B3)(b)変形量中(B2)(c)変形量小(D1)(d)変形量なし(A4)図9リベットの変形形状48第4章鋼鉄道橋におけるリベット接合の維持管理上のメリットと技術継承について