雪中鴛鴦図
宝暦9年(1759) 142.0×79.8cm
画面左上端に「寶暦己卯仲春若冲居士製」の落款と「藤女鈞字景和」白文方印、「若冲居士」朱文円印があることから、宝暦9年(1759)2月に制作されたことがわかる一幅。背景が暗く表されることにより、雪の白さが際立ち、深寒とした水辺の雪景色に鴛鴦の羽や山茶花の色鮮やかさが印象的に表されている。雪の表現には吹き付け技法が用いられている。表面だけではなく、裏面からも胡粉が吹き付けられており、雪の降り落ちる様子が立体的に表されている。画面右上の枝に止まる鳥の体の内側にも白い絵具の裏彩色が透けて見えることが拡大画像で確認できる。