秋塘群雀図

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秋塘群雀図しゅうとうぐんじゃくず

宝暦9年(1759) 142.8×80.1cm

画面左上端に「寶暦己卯仲秋居士若冲製」の落款と「汝鈞」白文方印、「若冲居士」朱文円印があることから、「雪中鴛鴦図」の半年後、宝暦9年(1759)8月に描かれた作品で、黄金色に実った粟に群がる雀、上空から下降する雀の群れを表す。飛来する雀のうち、一羽だけ白く描かれた雀の部分には、白い絵具の裏彩色が施されており、群れの中でひときわ目をひく。雀の目の中心の黒色は光沢感があり、蛍光X線分析でも鉄(Fe)が検出されていることから、黒漆が用いられている可能性も考えられる。粟の実の部分には全体的に黄土の裏彩色があり、表面の粒は胡粉を盛り上げて立体的に表され、染料も併用されている。