群魚図

クリックすると全図の拡大ページが開きます

群魚図ぐんぎょず

142.6×79.4cm

赤い鯛を中心に、フグやイカなど18種類の海の生物を描いた作品。画面左側上寄りに「藤女鈞印」白文円印と「若冲居士」朱文円印が捺される。諸魚図と同様に、魚たちの背景は全体的に裏彩色が施され、表側から顔料と染料によって細部が描き込まれている。画面左下の深い青色の身体に黄色いラインの入ったルリハタは、蛍光X線をはじめ複数の調査手法を用いて分析した結果、伝統的な青色の材料である群青や藍ではなく、プルシアンブルーが用いられている可能性が高いことがわかった。プルシアンブルーは18世紀初めに西洋で人工合成されたもので、本作品はプルシアンブルーの日本絵画での最初期の使用例として位置づけられる。