芍薬群蝶図
142.0×79.8cm
本図は「動植綵絵」30幅のなかでも最も早い時期の制作と考えられており、紅白の色とりどりの芍薬と各種の蝶が描かれている。画面左端に「平安城若冲居士藤汝鈞畫於錦街陋室」の落款と「汝鈞」白文方印、「藤氏景和」朱文方印があり、画面右端上には「出新意於法度之中」朱文長方印が捺される。白い蝶のうち、白色が濃く見えるものには、画絹の裏面からも絵具を塗る裏彩色と表面からの彩色が併用されている。芍薬の花びらや葉、茎、萼の部分に、表面の彩色、裏彩色のいずれか、あるいは併用する方法で、また顔料と染料を併用して巧みな彩色表現がなされている。拡大画像では彩色の状態が詳細に確認できる。