芦鵞図

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芦鵞図ろがず

宝暦11年(1761) 142.6×79.5cm

画面右下に「寶暦辛巳春居士若冲造」の落款によって宝暦11年(1761)の制作であることがわかり、「汝鈞」白文方印、「藤氏景和」朱文方印を捺す。「動植綵絵」全30幅のうち、ちょうど中頃の制作と考えられている。背景は暗い色味ながらも躍動感のある水墨で葦が描かれており、手前に大きく表された鵞鳥の身体の白さが際立って見える。鵞鳥の羽の先の部分に黄土を裏彩色した上に、身体全体に胡粉で裏彩色が施されていることが報告されている。鵞鳥の目の周りは、胡粉の厚みが三段階に塗られていることが拡大画像で確認できる。また脚の水かき部分には、絹糸一本程度の細い墨線を引き重ねて質感の違いを描出している。