【加害対象物】
本、屏風
【被害の状態】
食害、糞汚染
【加害するステージ】
全ステージ
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【分布】
東アジアに分布。日本では東北地方以南でみられる。
【形態的特徴】
卵(卵鞘):大きさは12~13mmで、この中に卵が22~26個入っている。
幼虫
1~2齢:体色は黒色で胸部の一部に白色の横帯とやや後部の両側に白い斑紋がある。
3~5齢:体色は暗褐色で、横帯と斑紋が黄色~赤褐色となり拡大する。
6~8齢:体色は赤褐色となり、横帯や斑紋は目立たなくなる。
成虫
体長25~40mm内外。体色は光沢のある黒褐色。触角が長く、足に複数の棘を備える。成虫になり翅が生える。
【生態・加害の特徴】
卵鞘は展示ケースや家具の裏など目立たない場所に貼りつけ、その上に成虫がかじりとった木屑を貼りつける。幼虫・成虫ともに加害対象物を食害したり、糞による汚染もひどく、文化財に対する被害はゴキブリ類で最も多い。暗くて狭いところや隅角部を好む習性があり、流しの下、部屋や家具など隅角部に沿って移動する。成長は遅く、卵から成虫になるまで約2~3年かかる。温暖な環境では冬でも成虫が発見されることがあるが、通常、本州では5~7月ごろ成虫になり、10月頃まで産卵を続ける。
【予防と管理上の注意点】
窓やドアなどの隙間に卵を産み付け、孵化後室内に侵入されるケースが多い。
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【対処】
卵賞を見つけた場合は速やかに撤去する。ホウ酸を含む食毒材や噴霧型の殺虫剤で殺虫する。
【東文研登録遺伝子】
BOLD SYSTEM:
CDBLM049-21
【参考資料】
関連論文:
・ | 軸装の昆虫による被害について |
森八郎・新井英夫 |
『保存科学』第20号(1981) pp.27-35 |