センター概要

 文化遺産は、特定の人々や集団が祖先から受け継いだアイデンティティの拠り所として大切に守り伝えてきたものであるとともに、人類全体の歴史を知りその英知を未来に活かすためにも、かけがえのない存在です。その一方で、様々な理由から十分な保護が行われず、劣化・破損や消滅の危機に瀕している文化遺産が数多くあるのも事実です。文化遺産保護への協力は、諸外国との文化的交流や相互理解の促進への貢献としても、ますますその重要性を増してきています。

  文化遺産国際協力センターは、文化遺産の保存修復及び調査研究の分野において、わが国が国際協力を推進するためのナショナルセンターとして、教育研究機関や民間団体等とも協力しながら、世界各地で積極的な協力活動を実施しています。その活動内容は、文化遺産保護に関する国際情報の収集・研究・発信、文化遺産保護協力事業の推進、文化遺産の保存・修復に関する人材育成等、多岐にわたっています。

  文化遺産国際協力センターには、国際情報研究室保存計画研究室技術支援研究室の3室を置き、さらに奈良文化財研究所国際遺跡研究室と連携して、東京・奈良の両文化財研究所が行う国際協力関連諸活動を効率的に実施するための連絡調整を行っています。

 

センターの活動


      国際情報の収集・研究・発信

文化遺産保護制度に関する調査研究

各国の文化遺産保護関連法令に関する調査研究

プロジェクトを通じたネットワークの構築

プロジェクトを通じたアーカイブの構築と公開


         人材育成と技術移転

ミャンマー壁画保存修復専門家の人材育成

アルメニアにおける文化遺産保護に関する協力

日本の修復技術に関する国際研修「紙の保存と修復」
                                                      (ICCROM共催)


諸外国の文化遺産保護への支援

カンボジア・APSARA機構とのアンコール・タネイ寺院保存に関する協力

タイ文化省芸術局との文化遺産保存協力

ミャンマー宗教・文化省考古・国立博物館局との文化遺産保護に関する協力

ブータン王国の伝統的建造物保存に関する協力

ネパール文化・観光・民間航空省考古局との地震被災文化遺産保護に関する協力
                                                                                     (文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業)

大洋州島しょ国の文化遺産保護(無形文化遺産部との連携)

在外日本古美術品保存修復協力事業


  文化遺産国際協力コンソーシアム事務局の運営


当研究所は、文化遺産国際協力に携わる様々な分野の専門家や諸機関が参加する拠点組織である

文化遺産国際協力コンソーシアムを受託運営しています。

コンソーシアムでは会員間のネットワーク構築と情報共有を促進すると同時に、文化遺産国際協力

活動に関する調査研究や普及・啓発活動などを行っています。



関係国一覧

地域区分は外務省の区分に従っています

   
◆ 欧州
        アルメニア  文化遺産保存修復に関する協力
        ポーランド  在外日本古美術品保存修復協力事業
        ドイツ  在外日本古美術品保存修復協力事業
        トルコ  壁画の保存状態調査
  
◆ 北米
        アメリカ  在外日本古美術品保存修復協力事業

◆ アジア
        カンボジア  アンコール・タネイ寺院保存に関する協力
        ミャンマー  バガン遺跡の保存に関する協力、壁画保存専門家の人材育成
        ネパール  地震被災文化遺産保護に関する協力
        タイ  文化遺産保存修復に関する協力
        イラン  文化遺産保存修復に関する協力

◆ 太洋州
        オーストラリア  在外日本古美術品保存修復協力事業
        フィジー他  大洋州島しょ国の文化遺産保護に関する事業

◆ 中南米
        アルゼンチン  在外日本古美術品保存修復協力事業
        キューバ  在外日本古美術品保存修復協力事業
        メキシコ  国際研修「紙の保存と修復」(ICCROM LATAMプロジェクト)

 ※ このほか国際会議や国際研修では世界各国から参加があり、様々な国の人々と関わっています。



研究室紹介


国際情報研究室

ドイツ・ボンで開催された第39回世界遺産委員会

文化財の保護制度や施策に関する国際動向や国際協力等の情報を収集・分析しています。
世界遺産委員会などユネスコ等が行う主要な国際会合において情報の収集を行うとともに、文化遺産の保護をめぐる今日的な課題等に関する調査研究を行っています。また、国内外の研究機関間や専門家との連携を通じて、継続的な国際協力のネットワークづくりを推進しています。





保存計画研究室

カンボジア・タネイ寺院のSfM手法による 3次元
写真測量データ

アジア地域をはじめとする世界各国・地域の文化遺産の保存・整備・修景・活用に関し、研究や事業の実施において現地政府機関との協力活動を行っています。また地域開発や観光開発と文化遺産との関わりについても担当しています。特に近年、世界各地で紛争や自然災害等による文化遺産の破損・破壊が頻発する中で、その救済・復興活動にも国内外機関・専門家と連携しながら協力しています。

 




技術支援研究室

アメリカ・インディアナポリス美術館における調査

現地の人員による持続可能な保護手法を構築することを目的として研究しています。文化遺産保護に関して諸外国が有する問題は、その地域、環境などに応じて多種多様です。既に、ある国で実績のある保存修復手法であっても別の国にはそのまま用いることができない場合もあります。そのために、日本と当該国のみならず諸外国を含めたネットワークを構築し、最適な保存修復材料や技術の研究開発を行います。

 

 

 

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