文化遺産国際協力センター 研究会の開催 各国の文化財保護制度に関する研究会

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各国の文化財保護制度に関する研究会

 各国の文化財保護は、国ごとに構築された保護の制度に基づいて進められています。東京文化財研究所文化遺産国際協力センターでは、東京文化財研究所が国際協力による文化財保存活動を進めていくための情報を収集し、また関係する諸機関、団体の活動に役立てていただく目的で、世界各国の文化財保護制度に関する調査研究をすすめています。

  この研究会は、各国の文化財保護制度を、文化財保護のための法律、その特徴、法律が成立した歴史的経緯と文化的背景、文化財そのものの内容と特質、制度を実際に運営していく機構・組織とその機能など、広範な視点から比較研究するとともに、各国の関係機関との情報交換を通じて双方の文化財保護制度についての認識を深め、今後の国際協力活動のための基盤を構築することを目指しています。

 研究会は各回の主題に関係の深い文化財保存の専門家、実務家を対象に、外国からの専門家の招へいの機会をとらえて不定期に行われます。

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第2回(陝西省の文化財保護について)研究会
 Mr. Zhang Zaiming
西安文物保護修復センター・張在明氏。長時間にわたり詳細な解説を加えてくださいました。


これまでに実施された研究会【平成13年度〜14年度】(平成15年度〜16年度はこちら、平成17年度以降はこちら

  • 【中国・山西省の文化財と文化財保護の現状】 (文化財保存修復協議会として実施)
      2001年11月28日 東京文化財研究所会議室
    「山西省の文物と文物保護の概況」 夏 路(山西省博物館長)
    「山西省博物館の概要と新館建設について」 劉 軍(山西省博物館陳列部主任)
    「報告・雲岡石窟保護の現状」 岡田 健(東京文化財研究所)
       この研究会では中国・山西省における文化財保護の制度と状況についての認識とともに、中国では地域ごとに文化財の内容、保存状況が異なるため、「中華人民共和国文物保護法」を実施するための条例が、各省ごとに制定され、それに基づいた施策がなされていることを具体的に知ることができました。

  • 第2回各国の文化財保護制度に関する研究会
    【中国・陝西省の文化財保護の現状】

      2002年1月23日 東京文化財研究所会議室
    「陝西省における考古発掘と文物保護の現状」 張 建林(陝西省考古研究所)
    「西安文物保護修復センターの概況」 張 在明(西安文物保護修復センター)
       お二人は、考古学の専門家として、発掘、出土遺物の保存処理という現場で活躍しています。陝西省の特色ある文化遺産の保護について、多くのスライドを交えて具体的なお話をうかがうことができました。

  • 第3回各国の文化財保護制度に関する研究会
    【ドイツの産業遺産の保護と活用−現代社会に適合した歴史的建造物の多様な再利用−】

      2002年7月11日 東京文化財研究所セミナー室
    「ドイツの産業遺産の保存と活用−IBAエムシャーパーク・プロジェクト」 斎藤英俊(東京文化財研究所)
    「ワルトロップ炭坑の転用と活用」 クラウス・ディーター・ルックマン(建築家)
    「エッセンの関税同盟炭坑第十二坑−1928〜32年にかけて成立した産業文化財の転用と拡張−」 ハンス・クラベル(建築家)
    「産業文化と文化財保存」 マイケル・クラーク(ドイツ産業文化協会)
       「文化財の砂漠」と呼ばれたドイツのルール工業地帯において、放置されていた産業施設を地域のアイデンティティと認識し、施設の再利用・自然の回復・地域の雇用の創出を目的として「IBA エムシャーパーク・プロジェクトが実施されました。 これにより地域経済は活性化し、産業遺産の利用や見学で年間数百万人が訪れるようになりました。
        本研究会は、このプロジェクトのうち特に評価の高いプロジェクトに関わった3名の専門家を招いて実施され、100人を越す関連分野の専門家・実務家の参加がありました。専門用語続出のたいへん難しい内容であるにもかかわらず、井川博文さん(早稲田大学大学院・現在アーヘン工科大学に留学中)の専門家ならではの適切な通訳は、内容の把握にたいへん役立ちました。

  • 第4回各国の文化財保護制度に関する研究会
    【文化財への地理情報システム応用に関する研究会】

      2003年1月22日 東京文化財研究所会議室
    「『中国文物地図集・陝西分冊』マルチメディア情報処理システムについて」 張在明(西安文物保護修復センター)
    「陝西省における城址分布の研究」 範培松(西安文物保護修復センター)
    「GIS地理情報システムの文化財分野への応用」 二神葉子(東京文化財研究所)
      『中国文物地図集・陝西分冊』マルチメディア情報処理システムは、西安文物保護修復センターと西安理工大学の協力により、1995年から作成され、2002年に完成しました。この中国で初めてのマルチメディア文化財地図についての解説がありました。このほか、陝西省における重要な古城址についての研究、および文化財保存に対するGIS応用の事例についての話がありました。


  • 第5回各国の文化財保護制度に関する研究会
    【ドイツの歴史的建造物の再生−現代社会に適合した歴史的建造物の多様な再利用−】

      2003年2月13日 東京文化財研究所セミナー室
    「ドイツにおける歴史的建造物の再生:I −ベルリンの3つの事例」 斎藤英俊(東京文化財研究所)
    「ドイツにおける歴史的建造物の再生:II −駅舎・市電車庫・屠場の活用」 木村 勉(文化財建造物保存技術協会)
    「ドイツにおける歴史的建造物の再生:III −歴史的建造物の発展的可能性−」 クラウス・アンデルハルテン(建築家)
       ドイツでは、連邦全体で90万棟にも及ぶ歴史的建造物を文化遺産として保存しています。これらの膨大な遺産は、ドイツ社会にとって都市の再開発や経済の発展を阻害するものなのでしょうか?それとも有用な文化的財産となっているのでしょうか?
       今回紹介する歴史的建造物の再生事例から、文化遺産の大胆な活用と用途の多様さを知ることができますが、それだけでなく、コンセプトの明確さ、デザインとしての室の高さが追求されていることが理解できました。また、多くの困難な条件に応えることのできる才能豊かで経験豊富な建築家の存在も指摘できます。ドイツの歴史的建造物の再生について、日本の現状と比較しながら議論を行いました。


  • 第6回各国の文化財保護制度に関する研究会
    【イギリスの新しい文化財保護の動き:ロンドンの都市景観保存から町並み再生事業まで】

      2003年3月10日 東京文化財研究所会議室
    「スコットランドの文化財保存:ヒストリックスコットランドの仕事」 イングヴァル・マクスウェル(ヒストリック・スコットランド)
    「イングランドの文化財保存:イングリッシュ・ヘリテージの現在」 ジョフリー・ノーブル(イングリッシュ・ヘリテージ)
    「イングランドの保存地区及び文化財建造物の保存の現状と課題」 チャールズ・ワグナー、ロバート・ウィリアムズ(イングリッシュ・ヘリテージ)
       お招きした専門家の所属する機関は、イングリッシュ・ヘリテージが省から独立した機関、ヒストリック・スコットランドはスコットランド政府の一機関です。
       建造物や都市など不動産文化財の保存でイギリスは長い歴史があります。今回は、近年組織の整備・拡充が進んでいるスコットランドにおける新しい動きについて、イングランドの文化財保存およびロンドンの都市景観保存について、また、町並み再生についてのお話をうかがうことができました。

 なお、いずれの研究会につきましても配付資料の残部はございません。また、資料のウェブ上への掲載には図版の著作権の問題などがあり、現在のところ見合わせております。ご了承ください。

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