国家遺産法

1989年5月29日第88号(修正済)

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第一章 国家遺産保存の管理及び組織(第1条〜第4条)
第二章 アイスランド国立博物館及び地域博物館(第5条〜第15条)
第三章 古物
 A.考古遺跡(第16条〜第25条)
 B.考古遺物(第26条〜第28条)
第四章 教会用品及び記念碑(第29条〜第33条)
第五章 建造物及びその他の構造物の保護(第34条〜第49条)
第六章 文化財の輸出と他の国々への文化財の返還(第50条〜第56条)
第七章 一般規定(第57条〜第61条)
暫定規定

 

第一章 国家遺産保存の管理及び組織

 

第1条【目的】
本法の目的は、国家の文化的・歴史的遺跡を可能な限り有効に保存すること(preservation)を保証することである。本法は、アイスランド国立博物館(National Museum of Iceland)及び地域博物館(local museums)の活動を規定し、古物、教会用品及び記念碑、並びに建造物及びその他の構造物の保護(protection)を対象とする。

 

第2条【教育科学文化大臣の任務】
1.教育科学文化大臣は、アイスランドにおける国家遺産の保存を所管する。

2.教育科学文化大臣は、一期四年間の国家遺産協議会(National Heritage Council)を任命する。アイスランド地方自治体連盟(Union of Local Authorities in Iceland)、アイスランド博物館職員協会(Association of Icelandic Museum Employees)、アイスランド大学(University of Iceland)はそれぞれ一名の代表者を指名し、アイスランド教職員組合(Icelandic Teachers Union)及びアイスランド教職員協会(Teachers’ Association of Iceland)は、共同で一名の代表者を指名し、議長になる構成員一名は、特別指名無しに任命される。代理人も同様に任命される。国家古物管理官(National Antiquarian)及びその代理人、並びにアイスランド国立博物館の職員代表者一名は、協議会の会議に出席することができ、自由に発言する権利と動議を提案する権利を持つ。

3.国家遺産協議会の役割は、アイスランド国立博物館の活動と国家遺産の全体的な保存に関する方針を策定し、長期計画を実行し、並びに年間予算案の作成及び実施を監督することである。

4.同時に、協議会はアイスランド国立博物館理事会の役割を果たし、その活動を監督する。更に、協議会は、本法において委任されている事務を実行する。

5.国家古物管理官は、全国にわたって国家遺産の保存を監督する。同官は、アイスランド国立博物館館長兼国家遺産協議会常任理事である。アイスランド大統領は、国家遺産協議会の意見を聴取した教育科学文化大臣の勧告に基づき、一期五年間の国家古物管理官を任命する。通例、文化史の専門的資格と管理経験を有する者が、この地位に任命される。

6.アイスランド国立博物館及び国家遺産協議会の活動に関する報告書を年一回発行する。

 

第3条【考古学委員会】
三名の委員から成る考古学委員会(Archaeological Committee)は、指定区域での一定期間のすべての考古学調査に対する許可を審議し且つ付与し、考古遺跡の保存、登録及び調査に関してアイスランド国立博物館に助言しなければならない。教育科学文化大臣は、一期四年間の考古学委員会の構成員を任命しなければならない。アイスランド大学及びアイスランド考古学者協会(Icelandic Archaeologists’ Association)はそれぞれ考古学の学位を有する代表者一名を指名する。国家遺産協議会は、構成員一名を指名する。教育科学文化大臣は、委員会構成員の中から委員長を任命する。代理人も同様に任命されなければならない。国家古物管理官又はその代理人は、委員会の会議に出席しなければならず、自由に発言する権利及び動議を提案する権利を有する。

 

第4条【遺産地域】
1.アイスランドは、国家遺産協議会の提案後、教育科学文化大臣によって採択された規則の規定に従って遺産地域(heritage regions)に分割されなければならない。

2.一名の地域古物管理官(Regional Antiquarian)が各遺産地域に対し責任を負う。地域古物管理官は、文化遺跡及び考古遺跡の保存と、考古遺物及び古い建造物の登録及び手入れに対して責任を負い、地域博物館を援助し、これに助言を与える。通例、地域古物管理官は文化史又は考古学の分野の専門資格を有さねばならない。

3.レイキャビクでは、市古物管理官(City Antiquarian)が遺産保護に対して責任を負う。国家古物管理官は、国家遺産協議会からの助言に基づき、一期五年間で他の古物管理官を雇用する。かかる古物管理官達は、アイスランド国家博物館の職員である。地域博物館の館長は、特別雇用契約に基づき関連遺産地域の地域古物管理官の役割を負うことができる。

 

第二章 アイスランド国立博物館及び地域博物館

第5条【役割・構成】
1.アイスランド国立博物館は、アイスランド国家の所有である。同館は、アイスランドにおける国家遺産保存の中心である。

2.アイスランド博物館の組織は、国家遺産協議会からの提言(proposal)に基づく規則の中で規定される。特別所蔵品は、アイスランド国立博物館の部局を構成することができる。

3.国家古物管理官は、アイスランド国立博物館の職員を雇用する。アイスランド国立博物館部長及びその他の専門家は、それぞれの分野の専門資格を有しなければならない。

 

第6条【地域博物館等】
1.本法の趣旨に鑑み、地域博物館には、第7条に述べられた目的で設立され国家遺産協議会から認知されたその他の博物館を含む。

2.国家遺産協議会によって定められた条件を満たす博物館は、活動の財源として国庫からの補助金を申請する権利を有する。

3.地域博物館は、自己所有(self-owned)、又は地方自治体、その他の機関若しくは民間組織の所有であってもよい。地域博物館はそれぞれ、特に博物館の管理、その所有権、その運営への政府の関与範囲、館長の雇用等を規定する設立定款を備えていなければならない。地域博物館に対する国庫補助金は、国家遺産協議会からの提言後、教育科学文化省による設立定款の承認を条件とする。

4.教育科学文化大臣は、国家遺産協議会からの提言後、地域博物館に関する規則を採択する。

 

第7条【文化遺産の収集等】
1.アイスランド国立博物館及び地域博物館の役割は、アイスランドの文化遺跡(cultural remains)の収集、登録簿作成、保管、保存及びその調査の実行と、かかる遺跡を公衆に知らせることである。

2.文化史遺跡(culturo-historical remains)は、考古遺跡、古い建造物、教会用品及び記念物、考古遺物、美術品、実用品や絵画、写真、映画、音声記録、文字による民族資料等、アイスランド史(national history)の具体的証拠(tangible evidence)を含む。かかる遺跡は、文化史的に重要な史跡も含むことができる。

3.アイスランド文化史のかかる遺跡は、アイスランド国立博物館又は地域博物館に保存されている場合、又は保護下にあるという宣言(第17条、第29条及び第34条を参照)によって、国家遺産の一部とみなされる。

4.地域博物館はそれぞれ、その共同体又は地域の特徴を示すか、又はその共同体又は地域にとって歴史的に重要とみなし得る人工物(artifacts)の収集・展示に重点を置かなければならない。

5.アイスランド国立博物館は、アイスランド文化史に関連する遺跡の調査と、それに関する学術著作の刊行を奨励しなければならない。

 

第8条【公開】
1.アイスランド国立博物館及び地域博物館は、指定された時間に公開されなければならない。保護されている遺跡及び構造物は、展示に適するようにした後、事情が許す限りこれを閲覧の為に公開しなければならない。

2.学校及び教育機関と協力し、博物館見学を通して又は学校内で、学生を博物館及びその活動に触れさせなければならない。博物館に関する情報及び知識は、博物館内又は公共放送を通して公衆にも提供されなければならない。

 

第9条【寄贈品の取得】
1.博物館は、制限を伴う場合には寄贈品(gifts)を受け取ってはならない。しかし教育科学文化大臣は、例外的な場合には本規定に対する例外を認めることができる。

2.アイスランド国立博物館及び地域博物館への寄贈品及び寄付金は、改正所得財産税法(No. 75/1981)の規定に基づき租税控除され得る。

 

第10条【貸出】
博物館の財産は、展示の為に貸し出すことができるが、各品目は教育科学文化大臣の同意無しに外国当事者(foreign parties)に貸し出すことはできない。更に、保存を確実にする為の手段を取り、博物館理事会によって定められた通り保証するという条件で、個々の品目は他の博物館又は教会に長期間又は短期間貸し出すことができる。

 

第11条【博物館所蔵品の写真】
博物館の所蔵品の写真を商標として、又は広告目的で使用してはならず、関係館長の許可がある場合以外、その図画(illustrations)又は複製品(reproductions)を作成してはならない。


第12条【遺産協議会】
遺産地域(第4条参照)毎に、地域古物管理官と共に、その地域の全ての公認地域博物館(recognised local museums)の館長からなる遺産協議会(Heritage Council)を設置する。

 

第13条【国家からの補助金】
1.地域博物館理事会が既存施設又は新規建築物件の購入により博物館用建物を入手することを決定する場合には、この目的の為の資金が国家予算の中で割り当てられており、且つ国家遺産協議会による建物・準備費用の承認を条件として、費用の最大限1/3に相当する補助金を国庫から受け取る権利を有する。

2.国庫からの拠出金は、建設費指数(construction cost index)と連携させ、博物館理事会が計画開始前に教育科学文化省及び財務省と締結する特別合意及び支払予定表に従って利用可能にしなければならない。

3.職責及び就業時間に従って決定され国家遺産協議会によって承認された、地域博物館の館長の給与の1/2は、国庫から支払われなければならない。

 

第14条【年次報告書・年次会計記録】
地域博物館は、活動についての年次報告書及び年次会計記録と、翌年の活動の予算及び計画表を関係地域古物管理官に提出しなければならない。地域古物管理官は、かかる情報に注釈を添え、国家遺産協議会に転送しなければならない。地域博物館の年次報告書の概要は、国家遺産協議会の年次報告書で発表されなければならない。

 

第15条【危険放置への対処】
国家古物管理官が、国家補助金を受け取った地域博物館が過失又はその他の事由で危険に曝されているという意見を持ち、繰り返し注意を喚起したにもかかわらず、そうした状況を改善する為の措置が講じられなかった場合には、教育科学文化大臣は、当該博物館から補助金を取り上げることができる。国家古物管理官は、教育科学文化大臣の同意を得て、重過失のあった博物館の品目を保管の為アイスランド国立博物館又は別の地域博物館に移すことを決定することができる。

 

第三章 古物

A.考古遺跡

第16条【考古遺跡】
1.考古遺跡は、以下の通り、過去の構造物の全ての遺跡と、人間が作った、又は人間が痕跡を残したその他の土地から切り離すことのできない遺跡(fixed remains)を含む。
 一、集落遺跡、付属構造物を含む農家の所在地及び遺跡、教会、礼拝堂、僧院、仮小屋又は仮避難所等の建造物の遺跡、漁師小屋、船小屋及び交易場の遺跡、並びに洞窟又は張り出した岩の下の人間住居遺跡
 二、夏季収草地の搾乳小屋、漁港、牧羊場、泥炭採掘地、木炭採掘場、沼鉄鉱採収場等、一次生産遺跡
 三、嘗ての干草畑又は穀物畑の囲い、灌漑用水路又は構造物と、沿岸地域又は内陸地域の漁業及び狩猟の痕跡
 四、古道、ダム、橋、渡し場、荷揚げ場、港及び船の係留所、進水台、渡船場、道路標、灯台と、陸標を含めその他の道路標識及び航路標識
 五、武装防衛用の壁、要塞及びその他の構造物
 六、嘗ての市民集会場、異教徒礼拝所と伝えられている場所、寺院及び聖跡、呪文をかけられた(under a spell)井戸、泉、場所、並びに嘗ての慣習、習慣、迷信及び民話伝承に関連するその他の場所及び陸標
 七、洞窟内、張り出した岩の下、断崖、露出又は定着した岩にある碑文、線画及びその他の人間活動の痕跡
 八、異教又はキリスト教時代からの埋葬塚、石塚及びその他の埋葬遺跡
 九、難破船又はその残骸

2.通例、百年以上前の遺跡を考古遺跡とみなす。しかし百年未満の遺跡も、保護下に置くことができる(第18条参照)。

 

第17条【毀損・破壊等の禁止】
土地所有者であれ賃借人であれその他の者であれ何人も考古学委員会の許可無しに、考古遺跡を毀損、破壊又は変更してはならず、或いは覆土(cover)、修理又は撹乱してはならず、別の場所に移してもならない。

 

第18条【保護考古遺跡登録簿】
1.アイスランド国立博物館は可能な限り、既知の全考古遺跡の登録簿を作成し、三年毎に再検討、更新する保護考古遺跡登録簿(register of protected archaeological remains)を発行しなければならない。開発事業対象になっている区域(areas subject to planning control)では、開発計画の承認又は審査前に、考古遺跡の登録簿を作成しなければならず、アイスランド国立博物館はその点に関して開発計画当局(planning authorities)と協力しなければならない。

2.アイスランド国立博物館は、考古学委員会と協議の上、どの考古遺跡を保護すべきかを決定しなければならない。考古遺跡の永久保護決定は官報で公表され、その所在位置は、地図又はその他の手段によって可能な限り詳細に明示されなければならない。保護考古遺跡は、特別な標識(marking)によって識別されなければならない。土地の所有者及び賃借人は、法的に確認可能な手段によって保護決定を通告されなければならない。アイスランド国立博物館は、三年毎に見直される保護考古遺跡に関する登録簿を発行する。

3.考古遺跡の保護は、当該財産に対する制限として公に登録されなければならない。遺跡の可視限界から全方向20メートル外側に広がる区域は、他の規定が無い限り保護遺跡に付随する。それより大きな区域が含まれる場合には、土地所有者の同意を求めなければならない。保護考古遺跡は、開発計画地図に表示されなければならない。

4.以前の法律の規定に従って保護されてきた考古遺跡は、引き続き保護を享受しなければならない。

 

第19条【考古遺産に対する脅威の通報】
考古遺跡が自然的事由又は人間活動によって脅かされる場合には、土地の所有者又は賃借人は、アイスランド国立博物館に通知しなければならない。そしてアイスランド国立博物館は、その考古遺跡を保存する為、どのような措置を講じるべきかを決定しなければならない。

 

第20条【新たな考古遺産の発見】
それまで全く知られていなかった考古遺跡が発見された場合には、発見者は発見物を可能な限り早期にアイスランド国立博物館に報告する。発見を聞き知った土地所有者又は賃借人はこの責任を負う。開発計画に基づく工事中に考古遺跡が発見された場合には、当該計画を続行できるか、又その場合にはどのような条件で続行できるかについて考古学委員会が決定を出すまで、当該計画の責任当事者は工事を中止しなければならない。

 

第21条【公共事業計画実行の報告】
1.土地の所有者、権利者、又は道路建設のような公共事業計画の監督者等のその他の者が、考古遺跡を撹乱する掘削を実行しなければならないと判断する場合、工事開始前にこれをアイスランド国立博物館に報告しなければならない。計画の結果として生じる現状変更は、詳細に説明されなければならない。アイスランド国立博物館は、計画を開始できるか、並びにその場合には、いつ、どのような条件で開始できるかを決定しなければならない。

2.道路建設、水力発電(HEP)計画、空港建設、管路敷設を含む大規模計画の責任当事者は、必要な調査の費用を支払わなければならない。

3.かかる点に関する細目は、規則の形で発せられなければならない。

 

第22条【考古学調査の管理・監督】
アイスランド国立博物館は、アイスランドでの考古学調査を管理・監督しなければならない。一定区域での一定期間の調査に許可を与える場合には、アイスランド国立博物館は、責任者が必要な考古学資格を有する者であることが確実になるよう注意を払わなければならない。許可は常に書面で与えられるものとし、かかる許可を受けた者は、例えば調査報告書の完成及び発行、並びに調査中に発見された全品目の引渡し等、その企画請負に関して考古学委員会が定めた諸条件を遵守しなければならない。外国人によって行なわれる調査は、アイスランド国立博物館の監督下に置かれなければならない。

 

第23条【保存・維持・改善の措置】
アイスランド国立博物館は、発掘又はその他の手段によって考古遺跡調査を行い、考古遺跡の保存、維持又は改善に必要な措置を講じる権利を有し、土地の所有者又は権利者に対し、かかる措置について事前通知を与える。

 

第24条【金属探知器等の使用禁止】
アイスランド国立博物館職員を除いて何人も、国家古物管理官の明示の同意無しに地中の考古遺物を捜す為に金属探知器又はその他の機器を用いてはならない。

 

第25条【国庫による維持】
保護考古遺跡は、国庫の支出で維持される。

 

B.考古遺物

第26条【動産古物】
1.考古遺物は、百年以上前の全ての個々の動産古物を含む。地下にあるか又は地下にあった考古遺物が発見された場合には、発見者は発見物を可能な限り早期にアイスランド国立博物館に報告しなければならない。発見者は、さもなければ毀損又は喪失してしまうような状況で物を確実に保存するのに必要な場合以外、発見物を撹乱してはならない。

2.第1項の規定は、人間が使用してきたか、又は人間の手の痕がある全ての遺物、並びに古代の埋葬塚、石塚又は墓所で発見された人間及び動物の遺体に及ぶ。

3.本条の対象である物は全て国家財産である。かかる遺物は、アイスランド国立博物館又は然るべき地域博物館若しくはその他の博物館で保存されなければならない。考古遺物の保存を誰に委託するかについて意見の不一致が生じた場合には、国家遺産協議会が紛争を解決しなければならない。

 

第27条【費用償還】
1.発見者は、考古遺物の発見の為に負った費用を償還されなければならない。

2.金貨又は銀貨を含む金製又は銀製の発見物は、含有金属の価値に関して査定され、かかる価値は10%上積みされなければならない。かかる金額の1/2は発見者、残りの1/2は土地所有者に支払われなければならない。

3.本条で規定された費用は、国庫により負担されなければならない。

 

第28条

(英語条文不明)

 

第四章 教会用品及び記念碑

第29条【教会用品】
1.国家古物管理官は、国家遺産協議会と協議の上、アイスランドの教会に保存され、歴史的又は芸術的価値の為に保護する価値があるとみなされる教会用品の保護・保存について決定しなければならない。国家古物管理官は又、上記の事由で保存すべきと考える教会境内の墓碑又はその他の記念碑の保護も宣言する。

2.保護された教会用品及び記念物の詳細な登録簿が維持管理されなければならない(shall be kept)。

 

第30条【不可侵性】
1.第29条に基づいて保護遺物登録簿に載せられた品目は不可侵である。かかる品目は、変更又は毀損をしてはならず、国家古物管理官の許可を得た場合以外、処分又は除去もしてはならない。

2.教会の保管責任者は、登録簿に載っている教会用品の保存に責任を負う。

3.教会境内管理委員会は、教会境内法(No. 21/1963年4月23日)の第17条で言及されている保護記念碑の保存を取り計らわなければならない。

 

第31条【特別登録簿】
各教会の保護遺物、並びに教会境内の保護墓碑及び記念碑の特別登録簿が作成されなければならない。国家古物管理官は、関係する教区牧師、司祭及び教区会に当該登録簿を送付しなければならない。

 

第32条【アイスランド国立博物館による保存】

アイスランド国立博物館は、もはや使用されていない教会用品、及び国家古物管理官と教会当局がもはや教会で保管すべきではないと合意する品目を保存しなければならない。しかし国家古物管理官は当該品目を然るべき地域博物館に保管させることができる。

第33条【教会の閉鎖】
1.教会が閉鎖される場合には、その教会用品は第32条の規定に従って博物館に託されるか、或いは国家古物管理官とアイスランド主教又は関係司祭の間で協議の上でそう決定される場合には他の教会に託されなければならない。本規定は私有教会と公共教会の両方に適用される。

2.アイスランド国立博物館は、私有の教会用品が売りに出された場合には、これを購入する選択権を持たなければならない。

 

第五章 建造物及びその他の構造物の保護

第34条【保護】
文化史的又は芸術的価値のある構造物、建造物又は建造物の一部分は、これを保護下に置くことができる。保護は、保護構造物を取り囲む直近区域に広げることができる。上記の価値を有する建造物群も保護することができ、かかる場合は、保護に関する規則は、個々の建造物それぞれに適用される。保護の目的は、当該構造物を可能な限り有効に保存することである。

 

第35条【保護又はその取消】
1.教育科学文化大臣は、国家建築保護委員会(National Committee for Architectural Protection)からの提言後、保護又は取消しを決定する。

2.国家建築保護委員会は、五名の構成員から成る。教育科学文化大臣は、一期五年間の四名の構成員、つまり国家遺産委員会による指名に基づいて二名、アイスランド建築家協会による指名に基づいて一名、アイスランド地方自治体連盟による指名に基づいて一名を任命し、国家古物管理官が当該委員会の構成員になる。教育科学文化大臣は、委員会構成員の中から委員長を任命する。代理人も同様に任命される。

3.国家建築保護委員会の役割は、国家遺産協議会に代わって国家建築遺産の保存に努めることである。当該委員会は、ある一定の時期に保護下に置くべき理由のある建造物はどれかを評価し、その趣旨を教育科学文化大臣に提言する。当該委員会は、その監督下にある区域の建造物又は構造物について審議する場合には、関係地域古物管理官の助言を求める。国家建築保護委員会はまた、建築保護基金(Fund for Architectural Protection)から補助金を与える。

 

第36条【保護されるべき建造物】
1.1850年以前に建設された全ての建造物及び1918年以前に建てられた全ての教会は、保護されなければならない。

2.1918年以前に建てられた建造物の所有者は、当該建造物を変更、移動又は解体する計画がある場合は、十分な通知を以って、地域古物管理官及び国家建築保護委員会に通知しなければならない。

3.国家建築保護委員会は、通知受領後三週間以内に、当該建造物を保護すべき理由があるとみなすか否かについて、関係当事者に知らせる。

4.市町村の建築検査官(building inspectors)は、本条の対象である家屋の所有者に、かかる通知義務を履行させる義務を負う。

 

第37条【保護決定の通知】
保護に関する決定は、当該建造物の所有者、当該財産に対する権利を登録したその他の者、警察署長、地方自治体と関係建築委員会(building committee concerned)に通知される。かかる通知は、保護の範囲を明示する。保護は、当該財産に対する制約(restriction)として登録され、官報で公示される。保護建造物の所有権が変更される場合には、首席登録官(Chief Registrar)は、国家建築保護委員会に通知する。保護建造物に対する財産権は、これを免除することができる。

 

第38条【緊急保護】
1.国家建築保護委員会は、文化史的又は芸術的価値があるが保護されていない建造物が解体されるか、又はその価値が減じられる危険に曝されているとみなす場合、当該建造物を緊急保護下に置くことを決定できる。

2.緊急保護は、国家建築保護委員会がその決定についての保証通知を全ての関係当事者(第37条参照)に与えた時点で効力を生じ、二週間適用される。緊急保護は、登録する必要はない。緊急保護が有効な間、通常の保護に関する他の全ての規定が適用される。

3.教育科学文化大臣は、国家建築保護委員会からの提言後、緊急保護期間の満了前に、当該建造物を保護下に置くべきか否かを決定する。

 

第39条【保護建造物】
1.国家建築保護委員会の同意がない限り、保護建造物にいかなる変更も加えてはならない。

2.保護不動産の修理及び維持保全に関しては、国家建築保護委員会の意見及び同意を求めなければならない。保護建造物に署名(sign)又はその他の銘(other writings)を付ける場合には、国家建築保護委員会の許可が必要である。

3.保護財産の所有者は、第1節の規定に基づく許可を必要とする工事を行ないたい場合には、国家建築保護委員会への申請書の中で、計画案を詳細に説明し、申請書を裏づける図面を提出する。国家建築保護委員会は、可能な限り早期に少なくとも三週間以内にその見解を所有者に知らせる。国家建築保護委員会は、申請書に示されたものとは異なる特定の形で工事を行なうことを同意条件とする場合には、所有者は、その義務を負わなければならない。所有者は、同委員会の指示の結果として負う増加費用を補償される。

 

第40条【原状復旧要求】
国家建築保護委員会の同意無しに、保護建造物に変更が加えられた場合には、同委員会は所有者に対し、当該建造物を一定期間内に原状に復旧するよう要求することができる。所有者が同委員会の指示に従わない場合には、同委員会は、教育科学文化大臣の同意を得て、所有者の費用で工事を遂行させることができる。

 

第41条【所有者による維持保存の懈怠】
保護建造物の維持保全がなおざりにされている場合は、国家建築保護委員会は所有者に対し、妥当な期間内に状況を改善する為の手段を講じるよう要求することができる。かかる期間が状況の改善無しに経過する場合には、国家建築保護委員会は、教育科学文化大臣の同意を得て、所有者の費用で工事を遂行させることができる。

 

第42条【毀損の通知】
保護財産の火災又はその他の事由で毀損した場合には、当該財産の所有者、又はその使用権を有する当事者は、国家建築保護委員会に直ちに通知する。国家建築保護委員会は、毀損の検査及び評価を手配する。再建の場合には、第39条の規定が適用される。

 

第43条【解体・移動】
保護建造物の所有者は、当該建造物の解体、又はその所在地からの移動を希望する場合には、その為の許可を求める申請書を国家建築保護委員会に提出する。国家建築保護委員会は、自らの提言を添え、当該申請書を教育科学文化大臣に転送する。教育科学文化大臣が解体又は移動の許可を決定する場合は、保護が取り消されるか、又は、その記載が、当該建造物の一部の側面のみを対象とするように変更される。

 

第44条【アイスランド国立博物館】
建築委員会は、保護財産の毀損又は維持保全の欠陥について知った場合には、国家建築保護委員会に報告する。

 

第45条【国家建築保護委員会による点検の権利】
国家建築保護委員会は、所有者の費用負担無しに本章の規定の結果として要求される、保護財産の全ての点検及び検査を実行する権利を有する。

 

第46条【建築保護基金】
1.保護建造物の保存・維持保全を支える為、建築保護基金を設置する。建築保護基金の財源は次の通りである。
 一、国家予算で決定される、国庫からの拠出金
 二、地方自治体からの拠出金
 三、自発的寄付金

2.地方自治体の拠出金は、関係市町村の住民一人当たり150 ISK相当とする。

3.地方自治体の拠出金は、地方自治体平等化基金(Communal Equalisation Fund)(地方自治体所得基盤に関する法律No. 73/1980の第8条参照)から出される。

4.当該基金の会計諸記録の保管・維持は、銀行に委託しなければならない。但し、国家建築保護委員会が、教育科学文化省の承認後、別途定める場合はこの限りではない。

 

第47条【建築保護基金の目的】
建築保護基金の目的は、保護建造物及び構造物の維持保全・改良の為の補助金(grants)の交付である。保護されてはいないが、国家建築保護委員会の意見では文化史的又は芸術的価値のある建造物の維持保全の場合にも、補助金を付与することができる。建築保護基金は、建築史の研究及びそれに関する著作の刊行も支援する。

 

第48条【国家建築保護委員会】
国家建築保護委員会は、建築保護基金を管理し、教育科学文化省が発布する当該基金に関する特別規則に基づいて、そこからの補助金付与を決定する。特別規則はとりわけ、当該基金から補助金を受け取る当事者の義務を規定する。かかる補助金は、所得税から控除される。

 

第49条【国家建築保護委員会の経費】
教育科学文化大臣によって定められる委員会構成員の報酬を含め、国家建築保護委員会の活動によって生じる費用は、建築保護基金が負担しなければならない。

 

第六章 文化財の輸出と他の国々への文化財の返還

第50条【輸出禁止品】
1.アイスランド国立博物館の正式許可がある場合以外、以下の物品及び財貨を他の国々に輸出してはならない(但し、第51条を参照)。
 一、公的機関、企業、団体又は個人が所有する、百年以上前の考古遺物
 二、百年以上前の、断片化した芸術的、歴史的又は宗教的記念物の不可欠の部分を成す要素
 三、五十年以上前のもので、創作者が所有しない、いかなる媒体であれいかなる材料であれ、完全に手で作成された絵画(pictures and paintings)
 四、一又は二以外のモザイク、及び五十年以上前のもので、創作者が所有しない、いかなる媒体であれいかなる材料であれ、完全に手で作成された素描(drawings)
 五、五十年以上前のもので、創作者に属さない、原物の(original)版画、印刷物、セリグラフ及びリトグラフ並びに各々の版及び原物の)ポスター
 六、一に含まれない、五十年以上前の、創作者に属さない、原物の彫刻及び彫像、並びに原物と同じ過程によって作成された複製
 七、五十年以上前の、創作者に属さない写真、映画及びそのネガ
 八、五十年以上前の、創作者に属さない、地図及び楽譜を含め、初期刊本及び手稿本の単品又は収集
 九、百年以上前のその他の単一の書籍又は一連の書籍(singly or in collections)
 十、二百年以上前の印刷地図
 十一、五十年以上前の要素からなる公文書、及びあらゆる媒体での、あらゆる種類のその構成要素
 十二、動物学的、植物学的、鉱物学的又は解剖学的収集及び標本、並びに歴史学的、古生物学的、民族誌学的又は古銭学的に重要な収集
 十三、七十五年以上前の輸送手段
 十四、五十年以上前のその他の古物

2.第1項一乃至十四に定められた古物の年代に疑いがある場合は、国家遺産協議会が、その問題について決定する。

 

第51条【前条の適用基準】
1.第五十条の規定は、その金銭的価値に関係なく、同条1、2、8及び11号に入る文化財に適用される。

2.第五十条の規定は、その価値が1,200,000 ISK以上の場合には、同条4、5、7及び10項に入る文化財に適用される。

3.第五十条の規定は、その価値が4,200,000 ISK以上の場合には、同条6、9、12、13及び14項に入る文化財に適用される。

4.第五十条の規定は、その価値が12,500,000 ISK以上の場合には、同条3項に入る文化財に適用される。

5.金銭的価値の査定は、アイスランド国立博物館の輸出申請書受領日の、アイスランドにおける当該文化財の予想市場価格に基づかなければならない。

 

第52条【国宝等の輸出禁止】
アイスランド国立博物館は、教育科学文化省の同意後、国宝とみなされるか、又はその他の点でアイスランド文化にとって特別の価値があるとみなされる場合、年代及び価値に関係なく第50条に挙げられているもの及びその他のものを含め、文化財の輸出を防止する権利を有する。かかる場合には、アイスランド国立博物館は一定期間、かかる文化財の輸出を停止し、その間に教育科学文化省の公式立場に関する専門家意見及び情報を求めることができる。輸出許可を与えないという教育科学文化省の決定は、かかる輸出に許可を与えるという決定と同様、全関係者を拘束する。

 

第53条【輸入禁止品】
1.移動が、そこから文化財が移動される国の国法に反する場合には、アイスランドへの文化財の移動は禁止されている。

2.本条第3項及び第4項の規定と、他の国々への文化財の返還に関する第54及び第55条の規定は、欧州経済地域協定(Agreement on the European Economic Area)(法律No. 2/1993参照)の当事国の関連当局による返還要求のみに適用される。しかし文化財が、上記協定の当事国ではない国から、国内法に反して移動された場合には、アイスランド当局は、当該国への当該文化財の正当な返還を援助するよう努めなければならない。

3.アイスランド当局は、金銭的価値に関する第51条の条件が満たされている場合には、アイスランドに不法に移動された文化財を、現在の所有者又は保有者が誰かに関係なく、海外の正当な所有者又は保有者に確実に返還されるようにしなければならない。関係国の管轄当局は、その趣旨の正式な申請書をアイスランド国立博物館に提出し、アイスランド国立博物館はその後、アイスランド関係当局と協力して、事情に応じて適切な準備をする(更に第54条参照)。

4.本条第3項に基づく文化財の金銭的価値の査定の基準日は(第51条も参照)、アイスランド国立博物館が、当該文化財の返還を求める別の国の正当な当局から申請書を受け取った日とする。金銭的価値の査定に当たっては、アイスランドの予想市場価格を考慮に入れる。

 

第54条【文化財の返還】
1.第53条3項及び4項で言及されている文化財がアイスランドにいる者によって所有又は保有されており、アイスランド国立博物館がその趣旨の要求をした際に、当該者が引き渡す意志のない場合、文化財の返還を合法的に要求する別の国の関係当局は、所有者又は保有者による要求国への文化財の正当な返還を求めてアイスランドの裁判所で私的又は公的訴訟(private or public lawsuit)を起こすことができる。私的訴訟の場合には、どのようにして所有するに至ったかに関係なく、訴訟は当該文化財の所有者に対して起こされ、所有者でない場合には当該文化財の保有者に対しても起こされる。文化財の返還に関する判決は、必要ならば略式手続の根拠になる。しかしアイスランド国立博物館の要請により、事情に応じて郡治安判事、警察及びその他の管轄当局の助力を得て、判決を実行することができる。

2.本条で言及され、必要ならばアイスランド当局及び裁判所に提出される文化財返還要求書において、文化財とその文化的価値及び金銭的価値は、可能な限り正確に説明されなければならない。更に、当該文化財がその国から不法に移動されたという、その国の関係当局の明確な宣言が、要求書に添付されなければならない。

3.要求国の関係当局が、アイスランドにおける当該文化財の所在場所と現在の所有者又は保有者に関する情報を受領後一年が経過した場合には、本条第1項に基づく文化財返還要求書を裁判所に提出することはできない。当該文化財が要求国から不法に移動されてから三十年が経過した場合には、返還要求書を裁判所に提出することはできない。しかし当該文化財が要求国の公的収集の一部である場合、又は要求国の法律に基づいて特別保護措置下に置かれている場合には、期限は七十五年とする。但し、アイスランド国家が当該国に対し、もっと長い期限を伴う約束をした場合は、この限りではない。

4.本条の規定に基づいて文化財の返還を要求する国は、裁判手続を含め、返還に起因する費用を支払わなければならない。

5.本条に当てはまる文化財を取得したが、アイスランドへの輸入の罪で罰せられるべきではないか、又は不法取得という罪を犯していない者は、当該文化財を返還しなければならない為、要求国に妥当な補償を請求することができる。かかる事由での補償請求は、例えば、文化財返還訴訟において、又は返還要求が他の手段で提出される場合に、提出することができる。しかし、更に、返還要求が向けられた、善意の物品所有者(unsuspecting possessor of goods)は、かかる補償に関して要求国の関係当局と交渉することができる。アイスランド国立博物館は、必要ならば、かかる交渉の仲介役を務める。補償請求を認める判決が下された場合、又は和解を含め、補償に関して正式合意に達した場合には、アイスランド国立博物館は、補償の支払を外国の関係当局への文化財返還の条件とすることができる。

 

第55条【国家建築保護委員会の活動によって生じる費用】
1.アイスランド国立博物館はアイスランド国家に代わって本章の規定を実施する。アイスランド国立博物館は、教育科学文化省の同意後、第50及び第52条に基づいて文化財の輸出に正式許可を与えなければならない。更に、許可文書の書式等、許可付与に関しては、教育科学文化大臣によって定められる規則を参照すること。アイスランド国立博物館は、第51条(第53条を参照)に基づいて文化財の金銭的価値を査定し、第53条に基づく他の国々への文化財の返還に責任を負う。

2.ここで問題となっている輸出申請の取扱に関する決定は確認の為、国家遺産協議会に提出されなければならない。この分野での輸出許可の付与又は拒否に関する意見の不一致は、教育科学文化省に訴えることができる(更に行政法No. 37/1993の規定を参照)。かかる場合には、教育科学文化省が許可し、その趣旨の許可証を発行するようアイスランド国立博物館に指示するまで、輸出は行なわれない。本章の規定の実施に関するその他の問題も、教育科学文化省に訴えることができる。

3.アイスランド国立博物館は、関係文化財の価値を査定する場合、又は重要問題を考慮する場合にはそれぞれ、考慮中の種類の品目を保存している、アイスランドの諸機関の所長と協議しなければならない。本規定は、視覚芸術に関してはアイスランド国立美術館の館長、手稿本に関してはアイスランド・アルナマグナエアン研究所、書籍及び手稿本に関してはアイスランド国立図書館、文書に関してはアイスランド国立文書館に適用される。必要ならば、かかる機関外で働いている専門家の意見も求める。

4.アイスランド国立博物館は、他の国々の、関係当局からの文化財返還要求を受理し、同様に、アイスランドから不法に移動された場合には、かかる国々の関係当局に文化財返還要求書を提出し(第50、51及び52条を参照)、アイスランドの正当な所有者又は保有者に代わって、これを受け取る。

5.アイスランド国立博物館は、他の国々の、文化財の輸出許可及びその返還を扱う機関、また、こうした問題に関係する国際機関と緊密に協力し、協議するよう努めなければならない。更に、不法にアイスランドに移動された文化財の所在場所を発見する為、全力を尽くさなければならない。警察当局は、必要ならば、かかる捜索を支援しなければならない。

6.税関当局は、アイスランドへの不法な文化財輸入又は不法な輸出の試みがあった場合には、直ちにアイスランド国立博物館に通知しなければならない。

7.教育科学文化大臣は、一期三年間で、三名の構成員から成る専門家委員会を任命し、かかる委員会は、本章の実施に関連する問題でアイスランド国立博物館を補佐しなければならない。専門家委員会の委員長は、教育科学文化大臣によって特別任命される。しかし構成員は、委員会の作業を自分たちの間で配分する。三名の代理人も同様に任命される。委員長及び副委員長以外の、委員会構成員及び代理人の選定に際しては、一名は美術史家、一名は文化史又は古物の分野の専門家、一名は書誌学の分野の専門家、一名は古文書学の専門家となるように注意を払う。もし専門家委員会に持ち出された問題が代理人の専門分野である場合には、当該代理人は、他の委員会構成員と共に当該問題に対処しなければならない。教育科学文化大臣は、委員会構成員の報酬を決定し、これはアイスランド国立博物館の予算に計上される。

 

第56条【文化財返還要求】
欧州経済地域協定に加盟している国の関係当局からの文化財返還要求に関しては、本章の規定は、1995年1月1日以後にかかる国からアイスランドに不法に移動された文化財の返還に適用される。アイスランド当局による上記協定加盟国からの文化財返還要求にも、同じ期限が適用される。

 

第七章 総則

第57条【国庫による補償】
本法第三章又は第五章の規定適用の結果として財政的損害を受ける者は、国庫から補償を受け取る権利を有する。補償問題に関して合意に達しない場合は、当該問題は収用法に基づいて解決されなければならない。

 

第58条【例外】
本法実施の為に発行される文書の処理又は登録に関しては、料金は支払われない。

 

第59条【罰金刑】
第17条、第19条乃至第22条、第24条、第26条1項、第28条、第30条、第36条2項、第39条、第42条、第44条、並びに第50条乃至第53条の規定に対する違反は、国庫に支払われるべき罰金を課される。但し、刑法典(No. 19/1940年2月12日)の第177条に基づいて、より重い刑罰が規定されている場合は、この限りではない。

 

第60条【詳細規定等】
教育科学文化大臣は、本法全体及びその個々の章の実施に関する詳細規定を含む規則を発布しなければならない。

 

第61条【発行】
1.本法は1990年1月1日を以って効力を生じる。

2.本法は発効後五年以内に見直されなければならない。

 

暫定規定

全ての地域古物管理官(第4条を参照)は、2000年末までに雇用される。

 

 

出典:アイスランド政府ホームページ(英語版)

 

各条文見出しは当センターによる。

最終改訳: 平成十六年八月十九日