織田文庫の扉
織田文庫所蔵の絵入読本


潮来絶句集(いたこぜっくしゅう)

 享和2年(1802)(享保元年とする説もある)に刊行された色刷の狂歌絵本です。潮来節(いたこぶし)にあわせた富士唐麿(ふじからまろ)の狂歌と、それを意訳した漢詩とを載せ、それに北斎が挿絵をえがいています。狂歌絵本は、狂歌の大流行を背景に、狂歌師グループが自ら出資して出版したものです。浮世絵版画と違い、制作コストに縛られることのない点で、狂歌絵本は、北斎にとって肉筆画についで実力を発揮できる創作活動の舞台となりました。北斎にしては珍しく美人画ばかりを集めた潮来絶句集は、北斎号を名乗りはじめてまもない北斎43才時の制作です。



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解題



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