第3回無形文化遺産部公開学術講座

「音声資料からたどる能の変遷」

―文化財保護委員会作成の音声資料をめぐって―

 東京文化財研究所無形文化遺産部では、平成18年度より、文化財保護委員会が保護事業の一環として作成した音声記録をテーマに講座を開催しています。
昭和25年に発足した文化財保護委員会は、文化財保護事業の一環として、無形の文化財の音声記録を数多く作成しました。現在では失われた伝承や、後に人間国宝として認定されるようになる名手たちの個性豊かな録音を含む貴重な録音ですが、これまで一般公開される機会はほとんどありませんでした。
 無形文化遺産部では、文化庁の許可を得てそれらを順次紹介してきましたが、今年度は、昭和26年度に作成された能の囃子をとりあげました。
 昭和30年に重要無形文化財保持者の制度が開始されたとき、喜多六平太氏と一緒に能の中ではじめて各個認定されたのが、川崎九淵・幸祥光両氏です。いわゆる人間国宝ですが、大正・昭和を通じて幸・川崎両氏の囃子は能の黄金時代を支えました。今回は、その至芸を聴きながら、録音の意義や現在の伝承との関わりについて考察してみようという企画でした。
 また、この録音を聞く前に、SPレコードの流れや、明治以降の能の流れについても、レコードを聴きながら概説しました。

プログラム

講演1.日本の音声資料とSPレコードの五十年
  飯島 満(音声・映像記録研究室長)
講演2.明治・大正・昭和の名人たち
  高桑 いづみ(無形文化財研究室長)

使用音源:文化財保護委員会作成SPレコード
一調一声「玉鬘」
  幸祥光・観世華雪
一調「八島」
  川崎九淵・喜多六平太
囃子「是界」
  櫻間弓川・島田巳久馬・幸祥光・川崎九淵・柿本豊次
ほか

能の録音に関する講演

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