第30回夏期学術講座
「音の聞こえる芸能史研究」
従来、能や歌舞伎・文楽といった舞台芸能の研究は文献主体であった。上演の歴史、芸能者の来歴、詞章の出典など、文献研究によって明らかになった功績は多大なものがある。しかし、舞台芸能はその表現の多くを音楽に負っており、ことに音楽面での考察は生きた芸能の姿を把握する上で不可欠である。ところが、従来の音楽研究は楽曲構造や音階等、研究対象を音楽の内部に限定しがちで、演出効果と関連づけた研究は少なかった。また、過去の音楽を考察するうえで、その時代の遺物ともいえる楽器の存在は限りなく大きいが、楽器研究も等閑視されてきた。
本講座では、従来の研究の枠を越える試みとして、音楽を中心に舞台芸能をさまざまな視点からとらえ、「音の聞こえる芸能史」の再現に向けて新たな方法論を提示した。
第1日序論 変化と継承 能のテキストと演出 高桑いづみ 能の演出を遡る 桃山時代の能復元 高桑いづみ 第2日楽器からとらえる芸能史1 鼓胴 高桑いづみ 楽器からとらえる芸能史2 横笛 高桑いづみ 楽器からとらえる芸能史3 和琴 野川美穂子 第3日ジャンルを超えた芸能交流1 乱声 高桑いづみ ジャンルを超えた芸能交流2 近世初頭の歌謡 高桑いづみ 質疑