福島県、警戒区域での文化財レスキュー開始

2012年08月

東京電力福島第一原発事故の警戒区域内に置き去りになっている文化財のレスキュー活動が1日に始まった。同作業は2012年5月に設置された福島県被災文化財等救援本部が東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会(文化財レスキュー事業)の支援を受けて行なったもので、8月に梱包作業、9~11月には警戒区域外への搬出・収納作業を実施した。

第7回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2012年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第7回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は大島徹也・愛知県美術館学芸員(愛知県美術館と東京国立近代美術館で開催の「生誕100年 ジャクソン・ポロック」展に対して)、新見隆・武蔵野美術大学教授(パナソニック汐留ミュージアムで開催の「ウィーン工房1903-1932 モダニズムの装飾的精神」展に対して)が、団体に贈られる文化振興賞はDIC川村記念美術館を運営するDIC(旧、大日本インキ化学工業)が受賞した。

名勝・史跡指定の答申

2012年06月

文化審議会は15日、大浦天主堂境内(長崎市)や田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)など7件を史跡に指定し、別府の湯けむり・温泉地景観(大分県別府市)など4件を重要文化的景観に新たに選定するよう平野博文文部科学相に答申した。

「マウリッツハイス美術館展」の開催

2012年06月

30日より東京都美術館で「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」が開催された(9月17日まで)。同展はオランダのマウリッツハイス美術館が4月から大規模な改修工事のため長期休館するのに伴い、同館が所蔵する17世紀オランダ・フランドル絵画のコレクションを紹介するもので、なかでも人気の高いフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は2000年に大阪市立美術館で展示されて以来の日本公開となった。同展は神戸市立博物館(9月29日~2013年1月6日)に巡回した。

読売あをによし賞受賞者決定

2012年05月

保存科学・修復の現場で優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する読売あをによし賞(主催:読売新聞社、特別協力:文化財保存修復学会)の第6回目の受賞者として、本賞に手漉和紙づくりに欠かせない「簀桁」の製作を材料の加工から完成まで一貫して行なう国内唯一の職人である山本忠義、奨励賞に樹木医として桜の古木が作り出す景観を守ってきた黒坂登、特別賞に明治期の創設以来、数多くの仏像や工芸品の修理を手掛けてきた財団法人美術院が決定した。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2012年05月

文化審議会は18日、唐招提寺金堂(奈良市)の屋根を飾った“天平の甍”として知られる旧鴟尾2個と、華麗な装飾が特徴の歓喜院聖天堂(埼玉県熊谷市)の2件を国宝に、また全長141メートルの階段状の流水施設である牛伏川本流水路(長野県松本市)など7件を重要文化財に、日光東照宮に向かう街道沿いに発展した栃木県栃木市の嘉右衛門町など5地区を重要伝統的建造物群保存地区にするよう、平野博文文部科学相に答申した。

薬師寺東塔の解体修理

2012年06月

奈良市の薬師寺東塔(国宝)では約110年ぶりの解体修理が進められ、4日には相輪上層部にある宝珠を取り外す法要が営まれて作業が本格化した。瓦、木部、基壇などを全て解体し、地下の発掘調査を行なった後、傷んだ部分を修繕しながら再び組み上げ、平成31年の春に修理が完了する予定である。

国宝・重要文化財指定の答申

2012年04月

文化審議会は20日、山形県舟形町の西ノ前遺跡の出土品で、女性をかたどった優美な造形で知られる縄文時代中期の「土偶」と、南宋時代の中国で描かれ日本に伝来した普悦筆「絹本著色阿弥陀三尊像」(京都府・清浄華院蔵)の2件を国宝に、鎌倉時代の仏師快慶作の可能性が高い「木造執金剛神立像・木造深沙大将立像」(和歌山県・金剛峯寺蔵)など46件を重要文化財に指定するよう平野博文文部科学相に答申した。同時に金比羅参りの玄関口となるJR琴平駅本屋(香川県琴平町)など建造物166件と、長野県出身の考古学者・故藤森栄一が集めた「諏訪地域考古資料」を登録有形文化財として登録するよう答申した。

「KORIN展」の開催

2012年04月

21日より根津美術館で特別展「KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」」が開催された(5月20日まで)。同展では、尾形光琳の代表作である同館所蔵の「燕子花図屏風」(国宝)とニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する「八橋図屏風」が、1915(大正4)年の光琳没後二百年を記念する展覧会以来、一堂に展観された。なお同展は前年開催の予定だったが、東日本大震災の発生により延期されていたもの。

第5回東山魁夷記念日経日本画大賞決定

2012年04月

日本画家東山魁夷の業績を称え、次代を担う日本画家を表彰するために創設された東山魁夷記念日経日本画大賞の第5回受賞作に、鴻池朋子の「シラ―谷の者 野の者」と濱田樹里の「流・転・生Ⅰ」が選出された。また選考委員特別賞には浅見貴子の「松の木 muison-so」と三瀬夏之助の「山ツツジを探して」が選ばれた。同受賞作を含む入選作による展覧会は、5月19日から6月3日まで上野の森美術館で開催された。

「松本竣介展」の開催

2012年04月

14日より岩手県立美術館で、生誕100年を記念して「松本竣介展」が開催された(5月27日まで)。詩情を湛えた作品で多くの人を魅了する洋画家の松本竣介については、これまで度々回顧展が催されたが、同展では従来の展覧会にもまして資料の紹介に力を注ぎ、制作の背景について具体的な情報を提供する内容となった。同展は神奈川県立近代美術館(葉山)(6月9日~7月22日)、宮城県美術館(8月4日~9月17日)、島根県立美術館(9月29日~11月11日)、世田谷美術館(11月23日~2013年1月14日)に巡回した。

五浦六角堂の再建

2012年04月

東日本大震災の津波で流失した岡倉天心ゆかりの茨城大学五浦美術文化研究所六角堂(茨城県北茨城市)の再建工事が完了し、17日に完成式が行われた。再建にあたっては、茨城大学の三輪五十二特命教授の指揮のもと、英国から当時と同じ製法の窓ガラスを取り寄せるなど、1905年の創建当初の忠実な再現につとめた。総工費は約4300万円で、大半は寄付金で賄われた。

平成24年度文化庁予算決定

2012年04月

平成24年度予算案が5日、成立した。文化庁予算は1074億4700万円(東日本大震災復興交付金18億円を含む)となり前年度より4.2%、43億2000万円の増額となった。Ⅰ.豊かな文化芸術の創造と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.我が国の多彩な文化芸術の発信と国際文化交流の推進、の3つを柱とし、とくに東日本大震災からの復興特別会計として、Ⅱで「被災文化財の復旧」に37億3900万円、「被災ミュージアム再興事業」に5億700万円が計上、またⅢで「近現代建築資料等の収集・保存」に1億5000万円が計上された。

第31回土門拳賞受賞者決定

2012年03月

前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第31回受賞者が高梨豊に決定した。受賞対象は写真集『IN’』(新宿書房)で、撮影対象に深く溶け込む姿勢と、瞬間の光景を通して、ありふれた日常から都市の姿を鋭敏に切り取る感性が高く評価された。

「色彩の世界・伊藤若冲 日本花鳥画展1716-1800」の開催

2012年03月

日本から米国の首都ワシントンに3000本の桜が寄贈されてから100年目にあたるのを記念して、30日よりワシントン・ナショナル・ギャラリーで「色彩の世界・伊藤若冲 日本花鳥画展1716-1800」が開催された(4月29日まで)。若冲の代表作である「動植綵絵」全30幅(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)と京都相国寺の「釈迦三尊像」が、国外で一堂に展示される初めての機会となった。また同時期にアーサー・M.サックラー・ギャラリーで狩野一信の「五百羅漢像」(増上寺蔵)葛飾北斎の「富嶽三十六景」の展観も行なわれた。

東京都美術館のリニューアルオープン

2012年04月

2010年春より大規模改修のため全面休館していた東京都美術館が1日にリニューアルオープンした。1975年に前川國男が設計した建物は老朽化が進んだため大改修となり、エレベーターやエスカレーターの増設や、企画棟の天井高を高くするなど展示空間の改善を行なった。またリニューアルを機に、とくにアート・コミュニケーション機能を強化、東京藝術大学との共同事業である「とびらプロジェクト」を立ち上げ、同大学の専任スタッフによる鑑賞プログラムやワークショップを展開することとなった。

芸術選奨文部科学大臣賞受賞者決定

2012年03月

文化庁は13日、2011年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞美術部門では、写真家の畠山直哉(「Natural Stories」展に対して)、建築家の坂茂(東日本大震災被災地で活用された「紙の建築」に対して)、評論等部門では美術史学者の鈴木杜幾子(著作『フランス革命の身体表象 ジェンダーからみた200年の遺産』に対して)、メディア芸術部門では東京藝術大学の佐藤雅彦(テレビ番組「0655」「2355」に対して)が受賞。同新人賞美術部門では、美術家・彫刻家の小谷元彦(「幽体の知覚」展に対して)、芸術振興部門ではせんだいメディアテーク主幹兼企画・活動支援室長の甲斐賢治(震災復興記録事業「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の活動に対して)、評論等部門では視覚文化研究者の佐藤守弘(著作『トポグラフィの日本近代 江戸泥絵・横浜写真・芸術写真』に対して)、メディア芸術部門ではアニメーション監督の長井龍雪(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」に対して)が受賞した。

日本芸術院賞受賞者決定

2012年03月

日本芸術院(院長:三浦朱門)は16日、2011年度の芸術院賞受賞者を発表した。美術部門で池口史子(洋画、立軌会出品作「深まる秋」に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、同部門で吉野毅(彫塑、二科展出品作「夏の終り’11」に対して)、宮田亮平(工芸、日展出品作「シュプリンゲン『翔』」に対して)、星弘道(書、日展出品作「李頎詩 贈張旭」)が日本芸術院賞を受賞した。

「ボストン美術館 日本美術の至宝」展の開催

2012年03月

20日より東京国立博物館で「ボストン美術館 日本美術の至宝」展が開催された(6月10日まで)。同展ではボストン美術館が所蔵する日本の美術品を展示、在外二大絵巻といわれる「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」が全巻公開されたほか、同展に向けて当初の襖絵の姿に修復された曽我蕭白の「雲龍図」が日本での初公開となった。同展は名古屋ボストン美術館(6月23日~12月9日)、九州国立博物館(2013年1月1日~3月17日)、大阪市立美術館(2013年4月2日~6月16日)に巡回した。

「村山知義の宇宙」展の開催

2012年02月

11日より神奈川県立近代美術館(葉山)で「すべての僕が沸騰する 村山知義の宇宙」展が開催された(3月25日まで)。大正末期から昭和初期にかけて造形作品やダンスパフォーマンス、舞台装置、建築設計、デザイン、さらに戯曲や小説、評論の執筆などを手がけ、「日本のダ・ヴィンチ」と称された村山知義の多義性を紹介する初めての大規模な個展となった。同展は京都国立近代美術館(4月7日~5月13日)、高松市美術館(5月26日~7月1日)、世田谷美術館(7月14日~9月2日)に巡回した。

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