奥州藤原氏の「政庁」跡確認

1992年12月

岩手県平泉町の柳之御所遺跡を検討してきた平泉遺跡群発掘調査指導委員会(委員長・藤島亥治郎東大名誉教授)は、14日、同遺跡を奥州藤原氏の政庁兼居館「平泉館」跡と結論づけることを発表した。平泉館は吾妻鏡にも記され、10トンものかわらけが出土した同遺跡との比定検討が行なわれてきたが、この日初めて同一とする結論にいたった。

第1回小磯良平大賞展

1992年12月

洋画家小磯良平を記念し洋画壇の発展をめざして今年新設された公募展「小磯良平大賞展」第1回が、17日から’93年1月31日まで神戸市の小磯記念美術館で開催された。689人1051点の応募の中から、大賞に久保輝秋「遊(カンケリ-Ⅱ)」が選ばれ、このほか佳作5点、入選47点が選出され展示された。 

日本学士院新会員

1992年12月

日本学士院(脇村義太郎院長)は14日、会員補充選挙を行ない、新会員9名を選出した。美術関係では美術院理事長、前京都国立博物館長の林屋辰三郎が選ばれた。

井上靖文化賞創設

1992年12月

井上靖記念文化財団は、故井上靖を記念し日本文化の向上に資するため、文学・美術・歴史等の分野で優れた業績をあげた人物や団体を顕彰する「井上靖文化賞」を創設した。故人の遺志による財団設立に基づくもので、来年から実施され、選考委員会(大江健三郎、大岡信、司馬遼太郎、樋口隆康、平山郁夫)の選出により受賞者には賞金100万円が贈られる。

第2回吉田秀和賞決定

1992年11月

優れた芸術評論に贈られる吉田秀和賞第2回受賞者が決定、持田季未子『絵画の思考』が選ばれた。

上淀廃寺から「癸未年」銘瓦出土

1992年11月

鳥取県淀江町の上淀廃寺跡から、南塔・北塔に次ぐ第3塔の心礎が確認され、三塔並列式を意図したらしいことがわかった。また「癸未年」の刻銘のある丸瓦が出土し、癸未は683年と考えられ同寺の創建が683年である可能性が高まった。

平成4年度芸術文化振興基金助成

1992年11月

国内の芸術文化活動を助成する「芸術文化振興基金」の平成4年度の助成対象活動が決定。1404件の応募の中から810件が採択され、21億9890万円の交付が決まった。このうち美術(「美術の創造普及活動」)には、26件4570万円があてられる。

日本芸術院新会員決定

1992年11月

日本芸術院(犬丸直院長)は20日、今年度の会員補充選挙を行ない、新たに5氏を会員とすることを内定、美術関係からは、日本画家関主税が選ばれた。日本芸術院の定員は120人だが、これで会員数は114人となった。この内定は、総会の承認を経て、12月15日付で文部大臣から発令された。

郡山市立美術館開館

1992年11月

1991年に着工した郡山市立美術館(福島県郡山市安原町字大谷地130-2)が、21日開館した。フランス絵画が収集の中心となるケースが多い日本にあって、同館はイギリス絵画を中心に収集。21日から’93年1月17日まで開催された開館記念展も「英国風景画展」として開催された。

第4回倫雅美術奨励賞決定

1992年11月

優れた美術評論や美術史研究、創作活動に贈られる、河北倫明夫妻の基金による倫雅美術奨励賞の第4回受賞者が決定。美術評論・美術史研究部門で岡泰正著『めがね絵新考-浮世絵師たちがのぞいた西洋』(筑摩書房)、大熊敏之・浜本聡「日本のリアリズム1992S-50S」展の企画構成、創作部門で服部峻昇・宮崎光二(最近の工芸創作活動に対して)が受賞した。授賞式は12月2日赤坂プリンスホテルで行なわれた。

縄文期の村、完全出土

1992年11月

群馬県利根郡月夜野町の矢瀬遺跡から、13日までに、住居址・配石墓群、水場、祭祀場などを備えた縄文時代の村がほぼ完全に出土した。村を構成する主要な遺構が完全な形でそろって出土したのは縄文期のものでは初めて。また祭祀場には、これまで日本海側の環日本海文化圏に限られていた巨木列柱が確認され、考古学のみならず宗教学的にも関心を集める発見となった。

文化財の新指定(美術工芸品、史跡、名勝)

1992年11月

文化財保護審議会(鈴木勲会長)は20日、国の重要文化財として新たに美術工芸品15件、史跡6件、名勝1件を指定するよう鳩山文相に答申した。美術工芸品には京都市正伝寺の狩野山楽筆方丈障壁画、伊豆・修禅寺にある鎌倉期の木造大日如来坐像、史跡に熊本藩主細川家墓所などが含まれ、名勝に山梨県塩山市の向嶽寺庭園が選ばれた。

法隆寺の仏像台座から墨画、墨書

1992年10月

法隆寺は29日、金堂阿弥陀如来像(重文)の台座から、鳥羽冠を被った正装姿の墨書人物画が発見されたと発表した。さらに11月1日までに釈迦三尊像(国宝)の台座側面に描かれている四天王像中の持国天の下絵が見つかり、2日までには、同台座に使われている部材から干支年や行政機構名を書いた墨書文字30字が確認された。干支は聖徳太子が死去する前年の西暦621年を示しており、美術史的資料としても家政組織を知る歴史資料としても重要な資料として注目を集めた。

愛知芸術文化センター開館

1992年10月

美術館、芸術劇場、文化情報センターを含む複合芸術文化施設として、愛知県が昭和58年から準備を進め平成元年建設に着手した愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1-13-2)が、30日開館した。延床面積109602㎡、地上12階、地下5階の総工費705億円をかけた同センターの中で、8階から12階までを占める美術館は、企画展を行なう愛知県美術館と団体展などの貸会場となる愛知県美術館ギャラリーからなり、総展示面積約6000㎡は国内の公立美術館で最大級。収蔵品は現在約3000点。開館記念展として「フォーヴィスムと日本近代洋画」(30日~12月20日)が開催された。

スペインに日本文化センター、オープン

1992年10月

スペイン・バルセロナの郊外カネット・デ・マール市に27日、日本文化センター(fax001-343-794-1231)がオープンした。かつて通産省が行なったシルバーコロンビア計画にヒントを得た同市の市長が、技術を持つ日本人の移住や長期滞在を奨励し、市民との文化交流を図るため計画を進めてきたもので、同市にはすでに日本から複数の芸術家も移り住んでいる。

応挙の「波濤図」発見

1992年10月

京都市東山区の妙法院は29日、明治末期と昭和15年の寺宝目録に記載されながら、その後所在がわからなくなっていた円山応挙の「波濤図」?風6曲1双が、50年ぶりに確認されたことを発表した。同?風は、11月1日から10日まで同寺で公開された。

第4回国華賞決定

1992年10月

日本東洋美術の優れた研究に対して贈られる国華賞の第4回受賞者が決定。国華特別賞に宮地昭『涅槃と弥勒の図像学-インドから中央アジアへ』(吉川弘文館)、国華賞に佐藤康宏「蕭白新論」(『新編名宝日本の美術27』小学館)、岸文和「延享二年のパースペクティヴ-奥村政信画〈大津絵〉をめぐって」(『美術史』132)が、それぞれ選ばれた。贈呈式は、20日東京築地の朝日新聞社で行われた。

文化勲章、文化功労者決定

1992年10月

政府は20日、今年度の文化勲章5名、文化功労者15名を発表した。美術関係者では、書家青山杉雨、日本画家佐藤太清が文化勲章に、陶芸家浅蔵五十吉、国際日本文化研究センター所長梅原猛、洋画家田村一男、宮大工棟梁西岡常一が文化功労者に、それぞれ選ばれた。文化勲章受章者は、前年度までの文化功労者の中から選ばれるが、これで文化勲章受章者は264(うち現存66)名、文化功労者は471(現存45)名となった。

東京国立博物館120周年

1992年10月

明治5年の創立以来120周年を迎えた東京国立博物館では、13日から11月23日まで、463点の名品による特別展「日本と東洋の美」と、東洋館特別展示室で288点の歴史資料による特別展観「目で見る120年」を開催した。また7月31日には、同館主催の夏季講座の最終日に「博物館の在り方」をテーマとしたシンポジウムを開催、パネリスト8名による博物館への提言や注文ののち、全体討議を行った。

2つの「モネと印象派展」

1992年10月

同じタイトルの2つのモネ展が、同時期に開催された。1つは、パリ・マルモッタン美術館所蔵の「睡蓮」等を含むモネ作品43点に、19人の印象派作家を加えた計66点からなる展覧会で、13日から11月15日まで東京新宿・三越美術館で開催、以後呉市立美術館、福岡市美術館を巡回した。もう1つは、モネ作「ラ・ジャポネーズ」やルノアール、セザンヌなどボストン美術館の所蔵品61点からなる展覧会で、17日から’93年1月17日まで東京渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで、引続き兵庫県立近代美術館で開催された。

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