学士院新会員決定

1990年12月

日本学士院(脇村義太郎院長)は12日、総会を開き会員補充選挙を行ない、新たに9人を会員として選出した。美術関係では中国絵画史研究の鈴木敬、寺院建築史研究の福山敏男が選ばれた。今回の補充により会員は第一部(人文科学)が64名、第二部(自然科学)が74名となった。 

香取正彦賞設立

1990年12月

昭和63年に死去した金工家香取正彦の業績を記念し、金工界の発展に寄与することを目的に、同賞運営委員会によって運営される香取正彦賞が設けられた。同賞は日本の展覧会に出品された金工作品で、「工芸として用の伝統に立脚し、技術と造形における創造性を追求した作品」の中から特に優れた業績を示した作品、あるいは将来性を認められた作品に対して贈られる。

竜安寺旧蔵の襖絵の所在確認される

1990年12月

明治初期から行方不明となっていた京都・竜安寺の襖絵8面が米国ニューヨークのメトロポリタン美術館に昨年春、寄贈されていたことが明らかになった。縦180センチ、横190センチの4枚の襖の表裏に描かれた絵のうち4枚は「列子御風」、他の4枚は「琴棋書画」をあらわし、西源院本堂の中の間と西の間の仕切りとして使われていたとみられる。17世紀初頭、狩野孝信の工房によって描かれたと考えられ、桃山時代の金碧障壁画の優品として注目される。

第12回サントリー学芸賞受賞者決定

1990年12月

新進の評論家・研究者による優れた著作活動を対象とするサントリー学芸賞の第12回目の受賞者が決定し、4日、贈呈式が行われた。芸術・文学部門では、北沢憲昭『眼の神殿-「美術」受容史ノート』(美術出版社)、鈴木博之『東京の地霊』(文藝春秋)を中心とする活動が選ばれた。

第7回東京セントラル美術館日本画大賞受賞者決定

1990年12月

油絵大賞展と交互に隔年で行なわれる東京セントラル美術館日本画大賞展が11日より行なわれ、招待作品18点に一般公募搬入点数284作家353点中の入選作70点を加えた88点の中から受賞者の選考が行なわれた。その結果、大賞は宮元政治「風景1」、優秀賞は稲員頼子「想」、清水正志「宵月」、佳作賞は里見嘉一「流砂」、田口昌宏「声」、松木秋佳「春めく」、松倉茂比古「過ぎる。」、松本高明「青いトマト」、吉村誠司「刻」に贈られることとなった。

芸術院新会員決定

1990年11月

日本芸術院(犬丸直院長)は19日、今年度の会員補充選挙を行ない、新会員に5名を内定した。うち、美術関係は洋画の大内田茂士寺田竹雄、建築の吉村順三で、総会の承認を経て、文部大臣が12月15日付で発令する。

花王文化財団発足

1990年11月

これまで学芸員研究補助制度などを行ない、芸術文化活動を支援してきた株式会社花王は、創業100周年記念事業の一環として財団法人花王芸術文化財団を設立することとなった。美術、音楽を中心に芸術文化活動を助成し、これらの分野に関わる国際文化交流を支援する目的で、美術関連の事業としては、展覧会、調査・研究、教育の向上・発展、学芸員の養成・海外研修派遣の助成などを行なう方針。花王からの寄付金3億円を基本財産として運営を開始し、2年後、3年後にはそれぞれ4億円前後の基金を積立てて長期的発展を目指す予定である。

史跡名勝指定

1990年11月

文化財保護委員会(斎藤正会長)は16日、国の文化財(史跡)として新たに5件を指定するよう保利文相に答申した。新指定と対象となったのは、三十三間堂官衙遺跡(宮城県亘理町)、座散乱木遺跡(宮城県玉造郡岩出山町)、小山氏城跡・鷲城跡(栃木県小山市)、祇園城跡(同県城山町、本郷町)、小幡北山埴輪製作遺跡(茨城県東茨城郡茨城町)、金山古墳(大阪府河南町)で、これらを含めて国の史跡は1300件となる。

国吉康雄美術館東京国際美術館、徳島県立近代美術館開館

1990年11月

国吉康雄のコレクションで知られる福武書店は、2日、岡山本社新社屋内に「国吉康雄美術館」を開館。国吉の油絵、版画など60余点の所蔵品を展示する。 また、国内外の現代美術の振興及び映像美術の振興を基本方針とする「東京国際美術館」が3日、開館。鉄筋コンクリート5階建て、延べ床面積約2700平方メートルで、うち美術展示には約1350平方メートルが当てられる。ハイヴィジョンやCGラボなどを個人に開放する「T-BRAIN CLUB」と名づけられたテクノアート・ミュージアムをそなえ、ハイテクノロジー・アートの振興にも努める方針である。 同日、置県100年を機に開発が進められてきた「文化の森総合公園」の中に徳島県立近代美術館が開館。同館は40ヘクタールの敷地内に文書館、図書館とともに建てられた博物館施設と対になる形でひとつづきの建物の中に設けられ、地上4階地下1階、延べ床面積21549平方メートルの大型館。人間像、徳島ゆかりの作家による作品、現代版画の3本の柱を基軸に収集する方針である。

第2回倫雅美術奨励賞受賞者決定

1990年11月

優れた美術館活動、評論、創作活動に対して贈られる倫雅美術奨励賞の第2回目の受賞者選考が行なわれ、美術評論・美術史研究部門-山梨俊夫『絵画の身振り』、田中淳「写実の系譜3 明治中期の洋画」展(東京国立近代美術館)の企画、構成およびカタログ論文、創作活動部門-深沢軍治の最近の創作活動、伝益瑶の社寺における障壁画が受賞することに決定した。

フランクフルトジャパンフェスティバル開催

1990年10月

ドイツのフランクフルトで世界書籍見本市の関連事業としてジャパンフェスティバルが開催され、「現代日本美術展」、ポーランド・クラクフのヤシェンスキーコレクションによる「日本古美術展」の2展が開催された。このジャパン・フェスティバルは、1989年のベルギーのユーロパリアジャパン、1991年のイギリスのジャパンフェスティバルとともに、日本文化紹介の企画として政府が位置づけている三大事業の一つ。

「国宝 源氏物語絵巻」展開催

1990年11月

開館35周年を記念して、五島美術館では同館所蔵品と徳川美術館の所蔵品を合わせて現存する「源氏物語絵巻」全点を同時に展示する「国宝 源氏物語絵巻」展を1日から25日まで開催した。作品保存のため通常は部分的に展示される同絵巻を一堂に集めるのは東京では10年ぶりのことである。

福岡市博物館開館

1990年10月

東アジアと日本の交流拠点としての福岡の歴史と民俗を学ぶ博物館として、18日、福岡市博物館(進藤一馬館長)が開館した。鉄筋コンクリート地上2階建て、延床面積約16729平方メートルで、展示部門は約4835平方メートル。市民の生涯学習の場を目指して、調査研究、情報サービス等の機能も充実させる方針である。開館記念展は「大航海時代と博多」展と題して11月15日まで行なわれた。

文化勲章、文化功労者決定

1990年10月

平成2年度の文化勲章受賞者、文化功労者が26日、政府により公表された。美術関係では洋画の井手宣通、文化財保護の関野克、漆芸の高橋節郎、陶芸の古賀大眉が文化功労者に選ばれた。これにより文化勲章受賞者は計251名(うち存命63名)、文化功労者は441名(同137名)となった。文化勲章伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同月5日東京霞が関の国立教育会館で行なわれた。

ベトナムホイアンの町並み保存、文化庁援助へ

1990年10月

16世紀から18世紀にかけて東南アジアの重要な交易港として栄え、江戸時代初めには朱印船貿易による日本人町もあったベトナムの古都ホイアン市(旧名フェイホ)の町並み保存に、文化庁が援助することになった。老朽化した木造建築の中には日本式のものもあり、文化庁は来年建築の修復保存の専門家を派遣して予備調査を行なう予定。

第2回国華賞決定

1990年10月

東洋美術の研究誌『国華』創刊100年を記念して昨年設立された国華賞の第2回受賞者が決定し、18日、贈呈式が行われた。同賞は日本、東洋の美術に関する優れた研究に対して贈られるもので、今年は、小林宏光「官楽図屏風にみる帝鑑図説の転成」(『国華』1131号)、奥平俊六「縁先の美人-寛文美人図の一姿型をめぐって」(『日本絵画史の研究』吉川弘文館、平成元年10月)、河上繁樹「南宋絹織物にみる二、三の特色」(『MUSEUM』464号)が受賞者に選ばれた。

第12回神戸須磨離宮公園現代彫刻展大賞決定

1990年10月

1968年から「都市における彫刻のあり方の追求」をめざしてビエンナーレ形式で行なわれている神戸須磨離宮公園現代彫刻展が1日に開幕し、大賞に当たる神戸市長賞に植松奎二「凪のとき-赤いかたち/浮」が選ばれた。

今西コレクション名品展2

1990年10月

昭和62年74才で死去した今西菊松の浮世絵を中心とするコレクション約500点が、熊本県立美術館に寄贈され、昨秋浮世絵等120点による「今西コレクション名品展1」が開催された。本年はその第2回展として、茶道具と人間国宝による現代工芸品、浮世絵の165点を紹介する展観が、5日から11月4日まで熊本県立美術館で開催された。

第21回中原悌二郎賞決定

1990年09月

平成元年9月から本年9月までの1年間に国内で開かれた団体展、個展に出品された彫刻作品を対象として選考される中原悌二郎賞の今年の受賞者は、土谷武「植物空間」に決定した。また同優秀賞は中井延也「溶」に贈られることとなった。

チャールズワーグマン展開催

1990年09月

幕末から明治初年にかけて報道画家として日本に滞在し、洋画界に影響を与えた英国人チャールズ・ワーグマンの画業を展望する「チャールズ・ワーグマン展」が29日より神奈川県立博物館で行なわれた。油絵、水彩画のほか、ワーグマンの作品が掲載された雑誌・新聞など約250点が出品され、ポンチ絵等にも影響を与えた画家の多様な側面が示された。同展はその後神戸市立博物館(11.23-12.24)に巡回した。

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