第14回吉田五十八賞決定

1989年12月

建築家吉田五十八の業績を顕彰して昭和51年に設立された吉田五十八賞の第14回受賞者は、建築の部では小平市の東京サレジオ学園内ドンボスコ記念聖堂と小聖堂を設計した坂倉建築研究所の阪田誠造と藤木隆男、建築美術の部では同学園の各聖堂内一連の美術作品を制作した坂本和正、横尾竜彦、イワタ・ルリ、林良子、特別賞はその総合計画、建設、制作に協力した同学園長の村上康助と園舎移転改築事業担当の関口幹子に決定した。 

芸術院新会員決定

1989年11月

日本芸術院(有光次郎院長)は20日、欠員に伴う会員補充選挙を行ない新たに14名が会員となることが内定した。第一部(美術)の内定者は日本画の加倉井和夫、浜田台児、彫塑の小森邦夫、中村晋也、工芸の藤田喬平、書の杉岡華邨、建築の池原義郎が選ばれた。総会の承認の後、12月15日付で文部大臣が発令する。

学士院新会員決定

1989年12月

日本学士院(脇村義太郎院長)は12日の総会で会員の補充選挙を行ない、12名の新会員を選出した。美術関係では美術史と化学との境界領域に「考古化学」とも称すべき新しい分野を開拓した山崎一雄が選ばれた。これで学士院会員は一部(人文科学)62名、二部(自然科学)74名、計136名となった。

第5回東京セントラル美術館油絵大賞決定

1989年12月

現代洋画の振興と新人作家の発掘、育成を目的に、隔年で選ばれる東京セントラル美術館油絵大賞は、20名の推薦招待作家の20点と一般応募作品844点の中で選考が行なわれ、大賞に福岡通男「夢のかけら」、優秀賞に竹内康行「秋涼」、塩川高敏「浮游」、佳作賞に瀬川富紀男「鏡界」、樺山祐和「赤い色」、斎藤茂男「捕われたスフィンクス」、安元亮祐「サーカスの回想録」、岸田国昭「夜明けの晩に」が選ばれた。

史跡名勝指定

1989年11月

文化財保護審議会(斎藤正会長)は17日、国の史跡として6ケ所、名勝として1ケ所を新たに指定するよう石橋文相に答申した。史跡としては、群馬県黒井峯遺跡、富山県小杉丸山遺跡、福井県六呂瀬山古墳群、三重県夏見廃寺跡、京都市平安官豊楽殿跡、岡山県岡山藩主池田家墓所と津田永忠墓が、名勝としては滋賀県金剛輪寺明寿院庭園が指定されることとなり、これで史跡は1290件、名勝は255件となった。

秋田市立千秋美術館開館

1989年11月

昭和33年に開館し活動を続けてきた秋田市立美術館が、秋田駅前に設立された秋田総合生活文化会館・美術館内に移転し、秋田市立千秋美術館(井上房子館長)と改称して18日、開館。市政100周年を記念して寄贈された洋画家岡田謙三の作品を順次公開する常設展示のほか、旧美術館の方針をひきつぎ、秋田蘭画を中心に企画、展観を行なう。

東京芸術大学新学長決定

1989年11月

東京芸術大学は16日、藤本能道学長の任期満了に伴い学長選挙を行ない、日本画家で同大美術学部長の平山郁夫を第6代学長に選出した。文部省に上申の後、閣議の了承を経て就任し、任期は12月21日より4年間。

サントリー学芸賞決定

1989年11月

サントリー学芸賞受賞者が14日決定。受賞者9名のうち美術関係では芸術文学部門で森洋子「ブリューゲルの『子供の遊戯』」が選ばれた。贈呈式は12月12日東京丸の内の東京会館で行なわれた。

第13回現代日本彫刻展(宇部)大賞決定

1989年10月

野外彫刻コンクールとしては我が国で最も長い歴史を持つ現代日本彫刻展は第13回目をむかえ、「光と大地」をテーマに招待作家10名、公募入選作家10名による20作品の中から各賞の選考が行なわれた。大賞は山根耕「つなぎ石-作品3」が受賞した。

細川護立コレクション、熊本県立美術館に寄贈

1989年11月

旧肥後藩主細川家第16代当主細川護立の収集になる近代日本美術を中心とする作品のうち、遺族より79点、細川コレクションを収蔵する財団法人永青文庫より17点、計96点が熊本県立美術館に寄贈、寄託されることとなり、7日、贈呈式が行なわれた。

昭和美術展望の試み

1989年10月

平成時代の幕明けを契機として、昭和年間の美術活動を回顧、展望する展覧会、出版が相次ぎ、日本近代美術に新しい視坐を投げかけるものとして注目された。展覧会では、識者の推薦をもとに選ばれた「昭和の日本画100選」「昭和の洋画100選」展が、朝日新聞社の主催で行なわれ、出版では各10年代ごとに編年的に編集された『昭和の美術』(毎日新聞社)のほか多彩な視点で昭和美術をふりかえる試みがなされている。

文化勲章、文化功労者決定

1989年10月

平成元年度の文化勲章受章者と文化功労者が27日の閣議で決定、発表された。美術関係では、文化勲章受章者に日本画の片岡球子、洋画の吉井淳二、彫刻の富永直樹、文化功労者に日本画の岩橋英遠、洋画の森田茂、漆芸の佐治賢使が選ばれた。今回の受章を合わせて文化勲章の受章者は全体で246(現存者62)人、文化功労者は426(同127)人。決定、発令は11月3日に行われ、文化勲章伝達式は同日皇居で、文化功労者の顕彰式は同6日東京霞が関の国立教育会館で行なわれた。

文化庁、在外日本美術品実態調査へ

1989年10月

文化庁は明治時代以降海外に流出した日本美術品の所在、および状態の調査を行なうため、欧米に専門家を派遣する方針を固めた。作品の修復などについても海外援助、協力を行なっていく。文化庁がこうした事業を実施するのは初めて。

「室町時代の美術」展

1989年10月

室町文化の複雑な諸相を400件の美術工芸品によって多角的に紹介する「室町時代の美術」展が10日から11月19日まで東京国立博物館で開催された。「将軍と武家」「宮廷と貴族」「唐物とその影響」「唐物数寄から侘び数寄への展開」「禅林」「芸能」「生活と信仰」の7つのテーマに分け、従来の室町文化観に再考を促す契機となった。

日本文化デザイン会議、最終回

1989年10月

「’80年代の日本社会をデザインする」ことを趣旨として、1980年に始まった日本文化デザイン会議が、最終回を迎えた。同会議は、デザイン、建築、文学、評論、哲学などの第一線で活躍する人々が集まり、シンポジウム形式で行なわれ、これまで地方都市で開催されてきた。最終回の今回は、12日から14日まで千葉県の幕張メッセで、こけら落としを兼ねて開催され、過去最大の規模となった。

セゾン美術館、奈良そごう美術館開館

1989年10月

百貨店に関連する美術展覧施設の増加が著しい中で、昭和50年から活動を続けてきた東京池袋の西武美術館が移転新装して総面積1452平方メートルのセゾン美術館として27日に開館。また、奈良に進出したそごう百貨店内に奈良そごう美術館が開館(総面積約921平方メートル)。開館記念展は「百寿記念奥村土牛展」(10.2-16)で、近代日本画の展観を中心に行ない、収集活動もしていく方針である。

飯田市美術博物館開館

1989年10月

旧飯田城二の丸跡地に、芸術、人文科学、自然科学の総合的な展示、社会教育施設として飯田市美術博物館が8日、開館した。鉄骨・鉄筋コンクリート地下1階地上2階、延床面積3813平方メートル中、美術関係施設は菱田春草の業績を顕彰する春草記念室(283㎡)、市民ギャラリー(169㎡)、展示室2室。伊那という土地にゆかりのある自然、文化を多角的に扱っていく方針である。

第1回国華賞決定

1989年10月

日本・東洋美術研究誌『国華』が本年10月創刊百周年を迎えるのを記念して創設された「国華賞」の受賞者は、松田誠一郎、泉武夫の二名に決定。また、長期の継続的研究成果に対して贈られる「国華特別賞」受賞者には、島田修二郎が選ばれた。

第1回前田寛治大賞決定

1989年10月

洋画家前田寛治の郷里倉吉市が、若手洋画家の活動の振興を目的として昨年度設立し、3年ごとに贈られる前田寛治大賞受賞作が、応募24画家44点の中から選ばれ、松原政祐が受賞。佳作賞に滝純一、吉岡正人、井上秀樹、田村能里子が選ばれた。

Bunkamura開館

1989年09月

東急グループが210億円をかけ東京渋谷に建設していた文化複合施設Bunkamuraが3日に開館。音楽用大ホール「オーチャードホール」、演劇用中ホール「シアターコクーン」、映像用のミニシアター2館と共に延床面積830平方メートルの「ザ・ミュージアム」、4ブースのギャラリーが含まれている。開館記念展は「源氏物語と紫式部展」(9.17-10.8)。

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