「ニュージャパニーズスタイルペインティング」展開催

1988年12月

伝統的な日本画の顔料を現代的センスで制作に生かした作品を集め、日本画顔料の素材としての可能性を考えようとする意欲的な展覧会が、2日から25日まで山口県立美術館で開催された。若手作家9名、そのうち4名は日本画専攻出身ではないのも注目され、豊かなイメージと自由な表現の中で、日本画顔料が新たな可能性を獲得していく新傾向が提示された。

東京セントラル美術館日本画大賞決定

1988年12月

現代日本画の革新と新鋭作家の登竜門として第6回を迎えた「’88東京セントラル美術館大賞展」が、6日から18日まで同館で開催された。大賞に青山梁の「歩く人」、優秀賞に宮廻正明「似合う」、小池一範「街」、ほか佳作賞5名がそれぞれ選ばれた。 

国際シンポジウム「日本近代美術と西洋」開催

1988年11月

内外の日本近代美術の専門家43人を招き、一般参加者も含めて、国際的、文化的視野から日本近代美術を見直す国際シンポジウム「日本近代美術と西洋」(明治美術学会・朝日新聞社主催、高島屋協賛)が、11月28日から3日間、有楽町朝日ホール(28、29日)、内幸町プレスセンター(30日)などで行なわれた。第1日はパネラーによる文化全体から見た近代化の問題を討議、第2、3日は研究者の発表を中心に専門分野による討議が、それぞれ行なわれた。なお、昭和59年9月に設立された明治美術研究学会は、これを期に明治美術学会と改称された。

「走図展」開催

1988年12月

伝統的な絵画形式の絵巻を「走図」と名づけ、池田竜雄、梅田英樹、中村宏の3人による絵巻の新たな表現への挑戦を企画した「走図展」が、1日から27日まで京橋のINAXギャラリーで開催された。池田はBRAHMANをテーマに時間の流れを、梅田は現世から地獄までのストーリーを、中村は列車と飛行機の窓外の流れ飛ぶ風景のスピードを、それぞれ絵巻に表現した。

下保昭展開催

1988年11月

近年モノクロームを基本に幽趣漂う風景画を追求している下保昭の展覧会が、23日から12月6日まで新宿・伊勢丹美術館で開催された。初期から最近までの代表作に新作を加えた80余点が展観された。

琉球王朝尚家の遺品、台東区へ寄贈

1988年11月

明治維新までの400年間、沖縄を統治した琉球王朝尚家の遺品が、尚家22代当主尚裕より台東区に寄贈されることが、24日までに決まった。古文書、衣装、刀剣など約1400点が一括寄贈され、台東区では、来春にも保存・研究財団を設立する予定。

日仏文化サミット’88、“文化と企業”をテーマに開催

1988年11月

昭和59年の第1回以来、3回目を迎える日仏文化サミット’88(朝日新聞社、フランス政府文化コミュニケーション省主催)が、11月23日から3日間、京都市の国立京都国際会館で行なわれた。今回は「文化と企業」をテーマとして、日仏両国の文化人、経済人、政治・自治体関係者42名による討論が行なわれ、美術関係者も多くこれに参加した。

「海のシルクロード古代シリア文明展」開催

1988年11月

海のシルクロード、東西文化交流の要衝だったシリア各地の文物を展観する展覧会が、23日から平成元年2月5日まで池袋・西武美術館で開催された。世界初公開となった「パルミラのヴィーナス」など、約280点の考古遺物、美術品を展示。同展は引続き各地を巡回した。

「法隆寺献納110年特別展百済観音」開催

1988年11月

法隆寺が宝物332件を皇室に献上してから本年で110年になるのを記念し、22日から12月28日まで東京国立博物館で「特別展・百済観音」が開催された。東京で初めての展観となった百済観音のほか夢違観音像、東京国立博物館法隆寺宝物館の48体仏のうち4件、などが展観された。

建造物重要文化財新指定

1988年11月

文化財保護審議会(斎藤正会長)は18日、建造物関係の重要文化財として、北九州市のJR門司港駅本屋など10件20棟を、また重要伝統的建造物群保存地区として、京都市上賀茂と徳島県脇町南町の二地区を選定するよう、中島文相に答申した。これで建造物関係の重要文化財は2020件3272棟、重要伝統的建造物群保存地区は28地区となった。

第42回毎日出版文化賞

1988年11月

第42回毎日出版文化賞が決定。美術関係から、島田修二郎・入矢義高監修『禅林画賛』が特別賞を受賞し、11日贈呈式が行なわれた。

第1回北野美術館大賞決定

1988年11月

長野市の北野美術館が創立20周年を記念して創設した「北野美術館大賞」の第1回が決定。同賞は長野県出身或いは在住者を対象とし、河北倫明陰里鉄郎岩崎吉一が審査にあたった結果、大賞に日本画家原宣夫「浅間」、洋画家青木一美「高曇りの日」がそれぞれ選ばれた。

「抽象彫刻の形成期1945~1960」展開催

1988年11月

戦後の混乱期の中で形成されていった抽象彫刻表現を辿る展覧会が、3日から12月11日まで練馬区立美術館で開催された。今日の抽象彫刻の中核をなす現存作家10人の初期作品にスポットを当て、約50点の作品と、’60年代以降の作品についての写真パネル約50点が展示された。

ふくやま美術館、高麗美術館開館

1988年11月

福山城公園内に3日、総事業費約35億円をかけてふくやま美術館(福山市西町2-4-3)がオープン、開館記念展として3日から12月4日まで「20世紀絵画への流れ」展を開催した。 またこれに先立つ10月25日、李朝陶磁、高麗青磁などのほか、木工、石造品や生活用具など約1700点を所蔵する財団法人高麗美術館(京都市北区紫竹上岸町15)が、開館した。

サントリー美術館大賞第1回、サントリー学芸賞第10回決定

1988年10月

陶磁や金属、木、竹、漆、ファイバー、ガラスなどを対象に、工芸の活性化と21世紀の工芸創作を目的に本年新設されたサントリー美術館大賞の第1回受賞者が決定。日本作家13名、外国作家3名の招待作家の中から、フランスの陶芸家クロード・シャンピ「箱・彫刻」が大賞に選ばれた。同招待作品によるサントリー美術館大賞展’88は、25日から12月4日まで、サントリー美術館で開催された。 また第10回サントリー学芸賞に、芸術関係から、松木寛『蔦屋重三郎-江戸芸術の演出者』が選ばれた。

ワシントンで「大名美術展」、ケルンで「密教美術展」開催

1988年10月

昭和58年のレーガン・中曽根会談で日米間の文化交流促進が話し合われて以来、5年をかけて準備が進められてきた「大名美術展」(文化庁・国際交流基金主催)が、30日から平成元年1月23日まで米国ワシントンD.Cのナショナル・ギャラリー・オブ・アートで開催された。武士文化の創造と発展を辿る企画のもとに、国宝7件、重文110件を含む328件が展示され、昭和56年にロンドンで開催された「江戸大美術展」をしのぐ規模の日本美術展となった。 またこれに先立ち、自由都市700周年を祝う西ドイツ・ケルン市では、9月23日から11月28日まで、ケルン市立東アジア美術館で「密教美術展」が開催された。日本側の主催は東京国立博物館で、これに奈良国立博物館が協力、重文43件を含む98件が出陳された。日本仏教では禅宗が広く海外で紹介されてきたが、密教の紹介としては初の企画となった。

川崎市民ミュージアム、東高現代美術館オープン

1988年11月

従来の観賞形式主体の美術館の概念をこえた新傾向の施設として、博物館、映像センター、イベント空間などの機能も備えた川崎市民ミュージアム(川崎市中原区等々力3049-1)が、1日開館した。等々力緑地内に総事業費約150億円を投じ、菊竹清訓設計、延床面積1952㎡、地上3階・地下1階の建物は、展示、学習、研究の3部門に分かれている。作品収集も、川崎市に関する考古・民俗・歴史資料や、写真・ビデオ・映画・漫画など現代社会の文化を総合的に捉えようとする方針がとられており、ユニークな活動が各方面から注目を集めている。 また最新の現代アートを紹介する美術館として、株式会社東高ハウスの設立になる東高現代美術館(東京都港区北青山3-5-28)が、8日開館した。ロフト感覚をとり入れた館内には音響設備も設置され、新しいタイプの美術館として注目されている。

文化勲章、文化功労者決定

1988年10月

政府は、28日の閣議で昭和63年度の文化勲章受章者5名、文化功労者13名を決定した。美術関係では、文化勲章に彫塑の円鍔勝三(本名勝二)、考古学の末永雅雄が、文化功労者に日本画の佐藤太清、洋画の鈴木信太郎、料理研究家で湯木美術館館長の湯木貞一が、それぞれ選ばれた。文化勲章の伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は11月4日東京霞ケ関の国立教育会館で行なわれた。

記念物関係文化財指定

1988年10月

文化財保護審議会(斎藤正会長)は28日、史跡5件、名勝1件を、新たに国の文化財として指定するよう中島文相に答申した。史跡には、沖縄・波照間島の下田原城跡など、名勝には兵庫県城崎郡日高町の旧大岡寺庭園などが指定され、これで史跡は1277件、名勝は253件となった。

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