芸術祭賞決定

1985年12月

40回目を迎えた昭和60年度芸術祭賞22件が13日文化庁芸術祭執行委員会総会で決定。同賞演劇部門で、舞台美術家の朝倉摂(公演「にごり江」の舞台装置)が受賞した。

平城宮朱雀門復元へ

1985年12月

昭和61年度の政府予算案復活折衝で、文化庁が要求していた奈良・平城宮の正門朱雀門復元に関し、その第一歩となる調査費が認められ、古代都市の象徴的建造物復元へ動き出すこととなった。文化庁の計画では、同門のデザイン、構造、施工法等の調査の後、63年度より基本設計に入り、65年度着工の予定。 

奈良県藤ノ木古墳から国宝級の装飾馬具出土

1985年12月

奈良県生駒郡斑鳩町の藤ノ木古墳から、先に見つかった朱塗りの家形石棺に加え、金細工やガラスをちりばめた金銅製金具で装飾された鞍が出土、同町教育委員会、橿原考古学研究所により2日公開された。後の調査でこの装飾金具には、四神のほかにライオン、ウサギ等も透彫されていることがわかり、国宝級美術品の出土と共に、被葬者についても諸説が出され、論議をよんだ。

奈良国立文化財研究所、全国の木簡情報と『延喜式』のデータベース/完成

1985年11月

木簡の史料的価値が高まる中、奈良国立文化財研究所は、日本全国でこれまでに出土した主要な木簡について、コンピューターによる情報処理を可能とするデータベースを完成、4日までに入力を終えた。このデータベースは記載された本文をはじめとする17項目からなる。また日本史研究に不可欠の文献史料である『延喜式』全50巻約3300条の全文もコンピューターに入力を完了、あらゆる事項の関係条文が検索可能となった。コンピューターによる情報処理と利用が、今後歴史研究に多大の便宜を供することが期待される。

重要文化財(建造物)の新指定

1985年11月

文化財保護審議会(小林行雄会長)は、15日、国の重要文化財として、山梨県身延町・本遠寺本堂など、6件18棟を新たに認定するよう文相に答申。これで指定総数は1988件3214棟となった。

九州に二美術館新装開館

1985年11月

昭和29年に開館し、旧館跡地に新館を建築していた鹿児島市立美術館(鹿児島市城山町4-36)が、10月29日に開館。またかつての福岡県文化会館を改築した福岡県立美術館(福岡市中央区天神5-2-1)が3日に開館し、より充実した設備のもと活動を再開した。

法隆寺昭和大修理完了

1985年11月

明治の廃仏棄釈で荒れた伽藍を修復するため、昭和9年以来半世紀にわたって続けられた昭和の大修理が6月に完成。国宝・重文指定の建造物55棟の修復がすべて終わり、4日、完成を祝う慶讃法要が法隆寺で営まれた。またこれを記念して、東京日本橋高島屋で15日から12月5日まで「法隆寺展-昭和資材帳への道」、奈良県立美術館で10日から12月8日まで「法隆寺の絵画と書跡展」が行なわれ、東西で完成記念展が開催された。

生誕150年記念富岡鉄斎展

1985年11月

元治元年に生まれた富岡鉄斎の生誕150年を記念し、全生涯にわたる作品を集めた展覧会が、1日から12月1日まで京都市美術館で開催された。絵画、書蹟、器玩など約500点余りに及ぶ出陳は、大規模かつ質の高い展観となった。

日本書紀と符合する木簡出土

1985年10月

奈良県明日香村の伝飛鳥板蓋宮跡付近で木簡1082点が出土、発掘にあたっていた橿原考古学研究所が29日、その一部を公開した。木簡には日本書記の天武10年から12年にかけての記載と同じ文字のものがあり、更に11月3日、壬申の乱(672年)で敗れた大友皇子や大津皇子、大来皇女の名、乱に関係する地名の書かれた木簡も多数あることが明らかにされた。その結果、この遺跡が天武朝の飛鳥浄御原宮であったことを裏づけるとともに、後世の改作説がある日本書記の編纂を解明する上にも重要な史料となることが期待されている。

日本の陶磁展

1985年10月

縄文時代から江戸までの国宝、重文多数を含む「日本の陶磁展」が、15日から11月24日まで東京上野の東京国立博物館で開催された。出品総数約360点の大規模で質の高い展観となった。

結城素明展

1985年10月

明治から昭和の3代に活躍し、長らく東京美術学校教授をつとめながら、遺作展以来まとまった展覧会のなかった結城素明の展覧会が、26日から11月24日まで東京兜町の山種美術館で開催された。「結城素明-その人と芸術-展」と題された本展には、美校卒業制作から晩年に至る代表作60余点が出陳された。

文化勲章文化功労者決定

1985年10月

昭和60年度の文化勲章5名、文化功労者10名が、29日の閣議で決定し発表された。美術関係では文化勲章に書道の西川寧が選ばれ、書の分野で初の受章となった。文化功労者には洋画の田村孝之介、同じく洋画の吉井淳二が選ばれた。文化勲章伝達式は11月3日皇居で、文化功労者顕彰式は11月5日東京霞ケ関の国立教育会館でそれぞれ行なわれた。

写実の系譜1-洋風表現の導入-展

1985年10月

江戸中期から明治にかけて写実的傾向の画風を展開した画家、幕末明治の洋画家などの作品約200点を集めた展覧会が、12日から11月24日まで東京竹橋の東京国立近代美術館で開催された。今回は写実の系譜シリーズの第1回で、東京展のあと大阪でも開催された。

源氏物語絵巻展、紫式部日記絵巻展

1985年10月

今年開館50周年を迎えた徳川美術館、25周年を迎えた五島美術館で、王朝美術の優品を集めた展覧会がそれぞれ開催された。徳川美術館では、同館に3巻、五島美術館に1巻分蔵されている源氏物語絵巻を一堂に集めて公開する「源氏物語絵巻展」を12日から11月4日まで開催。また五島美術館では、現存する紫式部日記絵巻を中心に、平安貴族の調度品約30点を展観した「紫式部日記絵巻-王朝の美展」を、26日から11月24日まで開催。いずれも名品を通観できる絶好の機会となった。

第11回現代日本彫刻展

1985年10月

自然や都市と彫刻の出会いを求め、前身を宇部市野外彫刻展として知られる現代日本彫刻展第11回は、1日から11月10日まで宇部市野外彫刻美術館で開催。大賞(宇部市賞)に田中米吉「無題No95 1985」が選ばれた。

ゴッホ展

1985年10月

ゴッホの油彩・素描それぞれ50点計100点の代表的作品を集めた展覧会が、12日から12月8日まで東京上野の国立西洋美術館で開催された。大規模なゴッホの展覧会としては10年ぶり。

横浜そごう美術館開館

1985年09月

横浜駅東口に日本一の規模で30日開店した横浜そごう6Fに、財団法人そごう美術館(横浜市西区高島2-18-1)が同じく30日開館した。百貨店の美術館としては初の財団法人で、ルノアールの彫刻等を既に所蔵しているほか、今後内外美術品蒐集を行なう予定という。

第2回本郷新賞、第16回中原悌二郎賞決定

1985年10月

北海道に関係の深い2つの彫刻賞がこのほど決定。第2回本郷新賞は、名古屋市が名城公園彫刻の庭に設置した環境造形Q「水の広場」が受賞。第16回中原悌二郎賞には、鈴木実「家族の肖像Ⅱ」が選ばれた。

桂離宮第二の昭和大修理へ

1985年09月

昭和51年より57年まで行なわれ完了した前回の修理に続き、茶室の松琴亭、笑意軒など8棟が全面解体修理されることとなった。工期は6年、総工費4億円をかけて行なわれる。

to page top