若草伽藍西限の柵列遺構発掘、法隆寺再建説を証明

1983年03月

法隆寺境内で5日までに、法隆寺の前身で聖徳太子が創建した若草伽藍の寺域の西限を示す柵列遺構が、奈良国立文化材研究所と奈良県立檀原考古学研究所の発掘調査で確認された。北限・東限に続き西限が確定したことにより、若草伽藍のほぼ全容が明らかとなり、現存最古の西院伽藍はその土木工事の年代的ずれから若草伽藍焼失のあと建てられたことが判明した。これで、約一世紀にわたって続けられた法隆寺再建・非再建論争は、日本書記の記述通り、再建として決着がつけられることになった。

学士院賞決定

1983年03月

日本学士院(院長有沢広巳)は12日、昭和58年度の日本学士院賞受賞者10名を発表し、美術・考古関係で田辺昭三(著書『須恵器大成』に対して)が学士院賞に選ばれた。授賞式は6月13日、日本学士院会館で行なわれた。

日本芸術院賞決定

1983年03月

日本芸術院は2日、昭和57年度(第39回)の恩賜賞と院賞の受賞者5名を内定、10日正式決定した。美術関係者では恩賜賞に大久保婦久子(皮革工芸、第14回日展出品作「神話」に対して)、院賞に書の杉岡華村がそれぞれ選ばれた。

第7回山種美術館賞決定

1983年03月

日本画における新人の発掘と育成を目的に昭和46年以来隔年制で実施されてきた山種美術館賞の選考委員会が3日行なわれ、推薦作家40名の中から大賞に松生歩「午後の慈光」、優秀賞に西田俊英「華鬘」、関出「廃園濃紫」を選出した。

広重画業展

1983年03月

広重の代表作「東海道五十三次」刊行150年を記念して、1日から5月29日まで3期に分け、肉筆画50点、画稿類150点、版画400点を集めた大規模な広重展が太田記念美術館で行なわれた。

室町末期の鬼退治絵巻発見

1983年03月

京都府奥丹後の行野神社から「斎宮大明神之縁起」と題された極彩色の鬼退治絵巻が見つかり、京都国立博物館の1日までの調査で、作例が少ない室町時代末期制作の貴重な作品であることが確認された。

第26回安井賞決定

1983年02月

第26回安井賞は、25日、出品作344点(入選69点)の中から大津英敏「KAORI」が受賞、佳作賞に藤井勉「秋風」が選ばれた。新人登竜門として「50歳未満」「具象的傾向の絵画」の枠で既に四半世紀を経たが30歳代の作家の活躍が目立ち、世代交代を強く印象づけた。安井賞展は26日から3月23日まで池袋・西武美術館で開催。

第33回芸術選奨決定

1983年02月

昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる57年度芸術選奨文部大臣賞と同新人賞が25日決定され、文化庁から発表された。美術部門では文部大臣賞を彫刻家多田美波と洋画家奥谷博が、新人賞を鋳金家原正樹が受賞した。

飛鳥時代の布地「太子間道」復元

1983年02月

仏教とともに7世紀頃大陸から伝来し、現存する最古の絹絣といわれる「太子間道」(広東錦ともいう)が、2年がかりで23日までに京都・西陣で初めて復元された。

パロディ裁判、原作者勝訴

1983年02月

1971年以来パロディ作者のグラフィックデザイナー、マッド・アマノと原作者の写真家白川義員の間で争われてきたパロディ裁判は、東京高裁の差し戻し審の結果、23日「著作権侵害」として被告側の敗訴となった。

国際紙会議’83開催

1983年02月

近年、造型の素材として紙が新たな脚光を浴び関心が高まっている中で、世界15カ国の作家・技術者・研究者が参加した国際紙会議’83が、19日から21日まで京都会場を主会場に開催された。同市内の美術館や画廊では、紙に関連した美術展や実演も行なわれた。

ボロブドール遺跡修復完成

1983年02月

ユネスコを通して世界各国から浄財が寄せられ、10年の歳月をかけて行なわれたボロブドール遺跡の修復がこのほど終わり、23日完成式が行なわれた。インドネシア政府は同遺跡を国立史跡公園にすることを予定しており、日本政府はこの計画に23億円の円借款供与を約し協力を進めている。

弥生時代の「刻画彩礫」発見

1983年02月

山口県下関市の綾羅木郷遺跡から、硬い硅質の石に刻みを入れ酸化鉄で朱色をつけた「刻画彩礫」15個が見つかった。弥生時代の遺跡から刻画彩礫が見つかったのは全国で初めて。

桂離宮の最古の絵地図発見

1983年01月

1700年代初頭に書かれ、「桂別叢図」と題された桂離宮の絵地図としては最古のものが宮内庁書陵部で見つかり、31日公開された。

法隆寺発掘調査で最古の地鎮具発見

1983年02月

防災工事に伴う発掘調査が行なわれている法隆寺で、土器に和同開珎と金箔片を入れた奈良時代初頭の地鎮具が出土したことが、1日奈良国立文化財研究所と奈良県立橿原考古学研究所により発表された。出土地点は主要伽藍の南で、伽藍の造宮後次の工事に移る際の地鎮祭が行なわれたと見られ、主要伽藍の建立が710年前後に終わっていたとするこれまでの学説を裏づけるもの。

家康着用の辻ケ花染小袖発見

1983年01月

家康が着用した辻ケ花染の小袖が、25日までに京都府北桑田郡京北町で発見された。これまで知られている平絹や練絹を染めた辻ケ花染より一層手の込んだ綾織りを使っており、また由緒書からして安土・桃山期に盛んに作られながら江戸初期に忽然と姿を消した辻ケ花染の中でも最末期のものと見られている。

第18回昭和会賞

1983年01月

31日昭和会賞授賞委員会は58年度昭和会賞を洋画の堀研に、林武賞を増田常徳(洋画)に、優秀賞を彫刻の下川昭宣、鶴田清二に贈ることを決定した。

インドで曼荼羅の現存を確認

1983年01月

京都・種智院大学インド密教遺跡調査団は、約1ケ月の現地調査の結果、イスラム教徒による仏教寺院破壊によりインドには全く現存しないとされていた曼荼羅が、石仏の立体マンダラ、文字マンダラ、印相などによる象徴マンダラとして残っていることを確認した。

’82毎日デザイン賞決定

1983年01月

毎日デザイン賞の’82年度には、永井一正・富山県立近代美術館のポスターデザイン、渡辺洋男ほかシティ開発グループ・ホンダシティ、勝見勝・特別賞―半世紀にわたるデザイン評論活動が選ばれ、24日発表された。

室町時代の地獄絵壁画発見

1983年01月

これまで文献では知られていた室町時代中頃の地獄絵壁画が、京都市の千本閻魔堂引接寺で発見された。桃山時代末、近世初頭の補筆が加えられているが、宣教師ルイス・フロイスが著書『日本史』の中で言及した地獄絵と同一のものと見られ、資料の乏しい中世美術の研究上貴重な発見となった。

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