現代美術選抜展の東京展

1972年12月

文化庁の主催で毎年地方のみを巡回していた同展が第6回展を迎え、はじめて東京で開かれた。滋賀、長崎、鹿児島をまわり、19日から28日まで銀座のセントラル美術館で開催、前年度の中央公募展13団体の受賞作品から選抜したものと文化庁買上げ作品を一堂に集めたもの、日本画19点、洋画32点、版画5点、彫刻15点、総計71点を展示して、近年この種の公的な選抜ダイジェスト展に恵まれない都民ファンに反って喜ばれた。

円通寺本堂の修理成る

1972年12月

14世紀初期に創立された禅刹円通寺本堂は、昭和46年4月から修理が行なわれたが、このほど修理が完了し、いままで改造されていたところが当初の姿に復原された。 

東京国際版画ビエンナーレ展

1972年12月

日本の海外文化交流事業を推進する中核機関として新発足した国際交流基金(理事長・今日出海)の主催による第8回展が16日から12月20日まで東京国立近代美術館で開催された。参加46カ国、出品作家149名、総計288点、日本からは25作家の43点を出品。最高賞である国際大賞には高松次郎「The Story」が選ばれた。 

古照遺跡の発見

1972年11月

11月9日ごろ愛媛県松山市南江戸町において、市の下水処理場増設工事中、弥生時代の建造物と推定される埋蔵物が発見された。 

芸術文化部門に褒章

1972年11月

学術、芸術、文化部門など、文部省関係の褒章受章者が7日の閣議で決定した。本年度の美術関係者では、紫綬褒章を美術評論の土方定一、重要無形文化財「日本刀」保持者の宮入昭平に、黄綬褒章を建造物修理の佐々木与一、本美濃紙の製紙の沢村伝十郎、仏像彫刻の地主賢二、染色補正技術の三島竜三、木版画の横山文治にそれぞれ贈られることになった。

橋本明治壁画展

1972年11月

橋本明治が故郷である島根・出雲大社の奉納のために描いていた「竜」の壁画がこのほど完成、20日から26日まで東京・日本橋三越で披露展が開かれた。青竜を描いた本体(2×3.6メートル)、波濤を図案化した左右の袖の部分(各1.9×1メートル)とで構成され、従来の竜とは趣を異にした作家独特の解釈で描かれた竜の図で、その苦心の制作が窺われた。

平等院の梵鐘宝物館に入る

1972年11月

日本三名鐘の一つ京都宇治平等院の梵鐘は大気汚染による侵触から護るため、宝物館に移された(31日)。

文化勲章功労者決定

1972年11月

昭和47年度の文化勲章と文化功労者が28日、正式に決まった。4人の文化勲章受章者のうち美術関係者は、洋画家の岡鹿之助、建築学・防災工学の内田祥三、6人の文化功労者のうちでは、美術工芸(陶芸家)の楠部弥弌。文化勲章の伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京・虎ノ門の国立教育会館で行なわれ、受章者にはいずれも終身年金150万円が贈られた。

芸術院新会員決まる

1972年11月

日本芸術院は、24日会員補充選挙を行ない、開票の結果、美術部門の新会員には日本画の郷倉千靱(院展評議員・監事)、高山辰雄(日展理事)、洋画の鈴木千久馬(日展評議員)、書の安東聖空(日展参与)の4作家を内定、12月15日付で正式に任命された。 

沖縄復帰記念日本古美術展

1972年11月

沖縄復帰も記念して、文化庁の主催により、沖縄県立博物館で10月29日―11月26日に考古と工芸品を中心にした日本古美術展が開かれた。

フランス中世美術展

1972年10月

国立西洋美術館では12日から11月30日まで、7世紀から15・6世紀にいたる中世西欧美術を石像、工芸品、ミニアチュール、ステンド・グラスなど多くのジャンルから86点を選んで展示した。これらはフランス各地から集められた作品である。

琳派展

1972年10月

東京国立博物館は創立百年記念として、10月10日から12月3日まで宗達・光琳の画派の展観を行った。絵画を中心に、書跡、漆工、陶磁、染織など各分野にわたり、この流派の代表作を展示し、宗達・光琳を主軸とする近世装飾画派の全貌を明らかにしようとする催しである。

文化財建造物の新指定

1972年10月

文化庁は建造物14件の指定を行った。今回は民家の指定にかぎられ、この結果、民家の重要文化財指定数は181件になった。

第3回中原悌二郎賞

1972年10月

北海道出身の彫刻家、故中原悌二郎の業跡を記念して、旭川市が設定した中原悌二郎賞の第3回受賞者に、舟越保武作ブロンズ人物像「原の城」が選ばれ、更に今回からは悌二郎賞のほかに優秀賞が新設されて、細川宗英の「道元」、湯原和夫の「門」がそれぞれ受賞した。4日授賞式が行なわれた。

平家納経と厳島の秘宝展

1972年10月

京都国立博物館は、平清盛が厳島神社に平家一門の繁栄を祈願して奉納した装飾法華経と、厳島神社の宝物を10月7日から11月5日まで特別展として展示した。平家納経が全巻展示されるということは古美術界にとって近来の快挙といえよう。

高松塚古墳の総合学術調査始まる

1972年09月

9月30日から10月10日にかけて、高松塚古墳の現地調査が行なわれた。この調査にはわが国の専門家だけではなく、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、フランスの各国からも専門家が参加し、壁画の描法や顔料の鑑別、保存科学的諸測定と保存処理などを行い、10月11日から12日にかけて土を覆って元に復した。

旧近衛師団司令部庁舎の保存決定

1972年09月

皇居周辺の北の丸公園内旧近衛師団司令部は昭和38年以来空家となっており、昭和41年に取壊しが閣議で定められていたが、明治43年に建設された典型的な洋風煉瓦建築として、また官庁建築の遺構として日本建築学会等から保存の要望があり、12月の閣議でこれを東京国立近代美術館分室として保存することが決定し、重要文化財指定の答申が文化財保護審議会から行われた。

リッカー美術館開館

1972年09月

本年3月に設定された平木浮世絵財団は浮世絵の「平木コレクション」で知られた故平木信二の蒐集になる浮世絵版画約5

ジェームズアンソール展

1972年09月

ベルギー現代美術の代表者の一人で独自の幻想画家であるジェームズ・アンソールの油絵40点と版画、水彩デッサン104点の大規模な展覧会が神奈川県立鎌倉近代美術館で2日から10月10日まで開かれた。共催はベルギー文化省、日本美術館企画協議会、中日新聞社、東京新聞社、73年1月28日まで名古屋、佐賀、京都を巡回する。

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