ルネマグリット展

1971年05月

ベルギーの生んだシュルレアリスムの代表的画家の一人ルネ・マグリットの大規模な展覧会がベルギー文化省、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、毎日新聞社の主催で(東京22日-7月11日、京都7月20日-9月5日)開催された。油彩66点、グワッシュ、素描40点で、イメージの世界の驚きと豊かさを改めて人々に訴えた。

海老原喜之助展

1971年04月

13日より18日まで東京日本橋高島屋で開催。1970年9月にパリで客死した海老原喜之助の生涯を回顧し、彼を讃える企画として115点の油彩を陳列した。彼は早くからパリに渡り1920年代の末からカンピリやジャコメッティたちと並んで国際的な評価をえた数少ない日本人画家の一人であり、その後も絶えず新しい試みを重ねて続けていた現代日本における最も重要な画家の一人であった。それだけに、その死は深く惜しまれて、この油絵展のあと8月21日より神奈川県立近代美術館において「海老原喜之助デッサン・水彩・版画展」も開催された。これらの両展覧会とも国内数ケ所に巡回された。

社寺縁起絵展

1971年04月

日本各地で大きな信仰を得ていた神社・寺院の縁起絵の諸相を展望した社寺縁起絵展が4月24日から1ケ月、奈良国立博物館において開催された。鎌倉~室町時代の作品を中心に主要作品を殆んど網羅し、絵画史のみならず風俗史、文化史の研究にも貴重な資料を提供した展観であった。

近代日本美術における1930年展

1971年04月

3日から5月16日まで東京国立近代美術館で開催された。59作家の作品や資料を陳列。明治末年から大正期にかけて輸入された主観を強調する後期印象派からフォーヴィスム、キュビスムなどの、当時としては前衛的な諸傾向のうち、しだいに成熟してきたフォーヴ的傾向を中心とする1930年協会や大正のブルジョア文化を批判して一部の知識人と労働者に訴えたプロレタリア美術を軸として1930年前後における画壇の動向の切断面を示す展観であった。

芸術院賞

1971年04月

第27回芸術院賞の美術関係者は日本画の吉岡堅二(受賞対象34回新制作展出品「鳥碑」、新制作会員、東京芸大教授)、洋画の高光一也(2回日展出品「緑の服」、日展評議員、公立金沢美術工芸大教授)、木彫の水船六州(2回日展出品「紡ぎ唄」、日本彫塑会会員)、陶芸の吉賀大眉(2回日展出品「連作暁雲」、日展審査員、私立山口芸術短大教授)、建築の海老原一郎(「尾崎記念館」など一連の建築作品)、書の大石隆子(日展評議員)、金田心象(日展評議員)である。

重要文化財(美術工芸品)と無形文化財の指定

1971年03月

文化財保護審議会は29日、美術工芸品関係の貴重な文化財として新たに60件を指定した。絵画は京都府宇良神社の浦島明神縁起一巻(室町時代)、京都東福寺普門院の方丈障壁画74面(江戸時代)、東京国立博物館の岸田劉生筆「麗子微笑」、唐津市鏡神社の高麗仏画の傑作、楊柳観音像など15件。彫刻は舞鶴市松尾寺の快慶作阿弥陀如来坐像(鎌倉時代)、京都市真珠庵の木造一休和尚坐像(室町時代)、兵庫県小野市浄土寺の木造菩薩面25面(鎌倉時代)など11件。工芸は京都市豊国神社の蒔絵唐櫃三合など13件。書蹟は京都大学保管の教王護国寺文書354巻27帖6幅(平安~桃山時代)、梅沢記念館の新撰朗詠集上下一帖(鎌倉時代)、藤田美術館蔵溪西広沢墨蹟一幅(中国南宋時代)などの15件。考古は神戸市所蔵花鳥文銀杯6口(中国唐時代)、文化庁蔵千葉県八街町出土「山辺郡印」銅印(奈良時代)などの6件である。無形文化財は献上博多織の小川善三郎および日本刀の月山昇(本名貞一)に指定された。

米寿記念前田青邨展

1971年03月

近代日本画の歴史に輝かしい足蹟を残す前田青邨の米寿を記念して新作3点を含む83点の回顧展が、朝日新聞社主催により東京日本橋高島屋で、30日から4月4日まで開かれた。同展は18日から大阪、25日から名古屋のいずれも高島屋で開催された。

狩野山楽展

1971年03月

桃山画壇に華やかな足跡を残した狩野山楽の、画業の全貌を紹介する展観が3月20日から4月11日まで京都市立美術館において開催された。展示は基準作、推定作、問題作に分けて組織的に構成され、「車争図?風」(重要文化財)その他や新発見の人物図、十六羅漢図などを含む120余点を一堂に集めたもので山楽芸術の精華を鑑賞することが出来ると同時に、研究者にとっても非常に有意義な展覧であった。

沖縄で日本古美術展

1971年03月

本土復帰を一年後に控えた那覇市の琉球政府立博物館において「日本古美術展―くらしの中の美」が3月20日から4月18日まで開催された。これはサントリー美術館の所蔵品の中からの国宝、重文を含む約百点による展観で、一昨年サントリー美術館が府立博物館の協力によって開催した「沖縄の染織展」の返礼として行なったものであった。

学士院賞

1971年03月

本年の美術関係の学士院賞は下村寅太郎(東京教育大学名誉教授、学習院大学文学部教授)の「ルネッサンスの芸術家」(筑摩書房)に与えられることが12日発表された。フィレンツェの、とくにレオナルド・ダ・ヴィンチの芸術活動に近代の実験科学形成の源泉をみる精密な研究と考察が評価されたものである。

芸術選奨

1971年03月

45年度(第21回)芸術選奨の文部大臣賞に日本画の石本正、洋画の岡田又三郎、新人賞に彫刻の保田春彦が19日に決った。

安井賞

1971年03月

第14回安井賞展選考委員会(財団法人安井曽太郎記念会、毎日新聞社主催)は4日、山本文彦「語りI」を安井賞に、斎藤真一「みさを瞽女の悲しみ」を佳作賞に選んだ。それらは62作家の66点の作品とともに5日から15日まで池袋西武百貨店で開催される展覧会に出品される。

大津京の発掘始まる 

1971年03月

幻の都として所在地さえ定かでない大津京の推定地発掘調査が滋賀県教育委員会の手で1日より始まった。47年5月に完了予定の大発掘。

新潮芸術大賞

1971年03月

第3回新潮文芸振興会主催・日本芸術大賞には日本画の石本正、洋画の地主悌助が選ばれ4日発表された。

文化庁購入作品

1971年01月

文化庁では昭和45年度に発表された作品の中から、つぎのものを購入することになった。 日本画 佐藤太清「緑雨」(日展出品) 洋画 糸園和三郎「ひとり」(二人展出品)、楢原健三「夜景」(日展出品) 版画 吹田文明「雨のあと」(日本版画協会出品) 彫刻 大須賀力「若い友」(日展出品)

バウハウス展

1971年02月

今世紀前半の最も重要な美術教育施設であり、また綜合的な美術運動でもあったバウハウスの活動を追跡する展覧会が6日から3月21日まで東京国立近代美術館で催された。主催は同館とドイツ大使館。

毎日芸術賞

1971年01月

第12回毎日芸術賞の美術部門は宇治山哲平(国画会々員、国際アートクラブ会員、大分県立芸術短大教授)に与えられた。

東日本から七枝刀が初出土

1971年01月

栃木県小山市の古墳発掘現場から朝鮮製の七枝刀が26日に出土した。国内には石上神社の御神体となっている百済王から倭王に贈られたものがあるのみで、古墳にあるとは予想されていなかったものの出土に注目が集まっている。

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