芸術院新会員決定

1970年11月

日本芸術院は25日、会員欠員補充選挙の開票を行ない、新会員に第一部、美術部門では、杉山寧(日本画)、円鍔勝三(彫塑)の2名が内定、12月15日文相の任命により正式に決定した。

国際版画ビエンナーレ展

1970年12月

第7回東京国際版画ビエンナーレ展が10日から1月24日まで東京国立近代美術館で開催された。参加41カ国、出品作家168名、総計328点の作品を陳列。回を重ねる毎にその技法が工夫され、従来の伝統的技法の他に、写真製版、オフセットなど機械印刷の作品も出てきて、技法の幅が広がり、ことにシルクスクリーンの増加は著しく全体の三分の一近くも占めて、技法の多様化が注目された。今回から新たに京都国立近代美術館も主催者に加わり、京都での展覧会も46年2月28日から3月21日まで同館でも開かれた。国際大賞にはスイスの彫刻家、ベルンハルト・ルギンビュール「キュクロープス・プラン」(凹版)、国内大賞ともいうべき東京国立近代美術館賞には靉嘔(日本)の「レインボー北斎」が選ばれた。 

「古筆手鑑」展

1970年11月

11月10日~29日の間、東京国立博物館に於いて「翰墨城」,「見ぬ世の友」、「藻塩草」の三大手鑑を始め「大手鑑」など資料的価値の非常に高い30点が出陳された。

芸術、文化部門に褒章

1970年11月

学術、芸術、文化部門など、文部省関係の褒章受章者が10日の閣議で決定した。本年度の美術関係者では、学術、芸術の功労者に贈られる紫綬褒章を陶芸の近藤雄三(雅名・悠三)に、学校教育や社会教育、文化活動に貢献した人への藍綬褒章を美術出版の藤木韶三、古典浮世絵の安達久太郎に、長年教育などの仕事にたずさわっている黄綬褒章を木彫製作の山本栄吉(栄雲)、文化財管理の松尾愛、文化財保護の柿沢真平にそれぞれ贈られることになった。

現代インド絵画展

1970年11月

ニューデリー、ポンペイ、カルカッタ、マドラスで活躍する現代インド絵画を代表する17名、54点を展示して「現代インド絵画展」が東京国立近代美術館で、3日から29日まで開かれた。共催インド大使館。翌年1月24日~2月14日、京都市美術館でも開催。

文化財白書

1970年11月

文化庁は4日文化財保護法施行20周年を記念し「文化財保護の現状と問題」を発表した。白書の発行は5年前の15周年白書に次いで2回目であるが、今回は急激な近代化と開発による文化財の危機に対処する為に、文化財保護行政を国土計画の中に位置づけ関連行政機関との強固な連けいのもとに開発事業と文化財保護の調和をはかることを提唱している。

ボストン美術館にて禅林美術展

1970年11月

文化庁とボストン美術館の主催による禅林美術展が11月5日~12月20日の間、米国ボストン美術館において開催された。日本から向嶽寺蔵達磨図をはじめ国宝・重文など72点が出陳されて多大の反響を呼び、米国各地から三万一千名を越える入場者を記録した。

近代100年名作展

1970年10月

このほど兵庫県立近代美術館が新設開館したが、その開館記念展として「近代100年名作展」を10日から11月4日まで行なった。日本画59点、洋画56点、彫刻33点にのぼる日本近代美術史上の名作の数々が集められ、開館にふさわしい催し物となった。

文化勲章功労者決定

1970年10月

昭和45年度の文化勲章と文化功労者が28日の閣議で内定した。2人の文化勲章受章者のうち美術関係者は、版画の棟方志功、8人の文化功労者のうちでは、ガラス工芸の岩田藤七、洋画の小山敬三、評論の矢代幸雄。文化勲章の伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京・虎の門の国立教育会館で行なわれた。

英国風景画展

1970年10月

18世紀初頭から19世紀中期にかけての英国風景画の代表作家ターナーやコンスタブルを中心に、その周辺の著名作家コックス、バークス、ゲインズバラや24名の油絵50点、水彩スケッチ50点の風景画展が国立西洋美術館・日本経済新聞社・ブリティシュカウンシル主催で10日から11月23日まで国立西洋美術館で開かれた。これだけ大量にまとまってわが国に紹介されたことは初めてのことで有意義だった。以後12月1日~昭和46年1月15日、京都国立近代美術館でも開催。

東洋陶磁展

1970年10月

9日より11月29日まで東京国立博物館において東洋陶磁展が開かれ英・米・仏・韓国など諸外国の博物館や所蔵者の出品も加えて三百余点にのぼる中国・朝鮮・日本の陶磁の名品が展示された。

重文白山神社社殿の一部を破損

1970年09月

京都府加茂町白山神社の重文社殿の蟇股が落されバラバラに壊われているのが21日に判った。幸わいほゞ原型通りに復元が可能である。

ムンク展

1970年09月

ノルウェーの生んだ巨匠エドワルド・ムンクの大展観がノルウェー国立美術館、オスロー市立ムンク美術館の協力により26日から10月18日まで、神奈川県立近代美術館で行なわれた。「叫び」「思春期」などの油絵37点、「不安」「接吻」など版画114点、版木6点で、版画の代表作はほとんど網らしていた。ヒューマンな画情でつらぬかれた作品群は時節柄、多数の観覧者をあつめ、殊に苦い世代の鑑賞層に非常な感銘を与え、共感を得たことは特筆に価する。東京新聞・中日新聞社主催、同展は46年2月まで、名古屋、神戸、京都を巡回。

法金剛院に藤原後期庭園跡を発見

1970年10月

庭園文化研究所(森蘊所長)は3日京都法金剛院の旧庭園発掘調査において、1130年創建当初の旧庭園の遺構のうち滝石と溪流跡が完全な形で発見されたと発表した。

太宰府史跡を拡大して史跡地に指定

1970年09月

文化庁は21日太宰府史跡106.8ヘクタールのうち特別史跡12.4ヘクタールを文化財保護法に基づき新たに史跡指定地にすることに正式決定し告示した。

「鈴木春信」展

1970年09月

春信の歿後200年を記念して1日から30日迄、東京国立博物館において鈴木春信の特別展が開催された。春信の作品の他に後継者である湖竜斎、文調、春章の作品も合わせて390点近くが展示された。

神戸須磨離宮公園第2回現代彫刻展

1970年09月

ビエンナーレ形式の野外彫刻展。招待出品制で今回のテーマは「夜と昼」。土谷武、保田春彦、伊藤隆道、多田美波堀内正和若林奮柳原義達向井良吉ら20人が参加、方形のステンレス製の造形で光源を内蔵した保田の「ミュゼ・ド・ロム」が大賞を獲得した。1日から10月18日まで、神戸市、日本美術館企画協議会、朝日新聞社主催のもとに開かれた。

日本文化財団、ミケランジェロ“模刻”を公開

1970年08月

日本文化財団(東京千代田区霞が関ビル内、松下幸之助会長、郡英司理事長)は9月10日から東京港区赤坂2、三井銀行旧赤坂支店の建物に「ミケランジェロ彫刻館」を開館するが、25日陳列されるミケランジェロの「ピエタ」「ダビデ」「モーゼ」の原寸大、大理石模刻を報道関係者に公開した。これらミケランジェロの三大傑作が一緒に国外に紹介されたことはないが、同財団では5年前ミケランジェロの研究家であり、彫刻家のイタリア国立ルッカ美術大リド・ボベッキ教授に模刻を依頼していたのがようやく完成、このほど日本に運ばれたもの。模刻の費用は1億数千万円といい同財団が負担する。明春3月末まで東京で展示し、そのあと京都、名古屋と巡回する。

現代の陶芸ヨーロッパと日本

1970年08月

28日から10月11日まで京都国立近代美術館で開催。デンマーク、フィンランド、フランス、イギリス、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、スイスの8カ国83名、日本から47名計約250点が展示された。焼物の質感を生かした新しいオブジェ的作品など、既成の陶器の概念を破ったものが多く、北欧ことにフィンランドの活躍が著しかった。

to page top