ラングレ著「油彩画の技術」邦訳にクローデル賞

1969年12月

日仏文化交流につくしたフランスの詩人、劇作家ポール・クローデル(元駐日大使)を記念し、フランス語著作物のすぐれた邦訳に贈られる第4回クローデル賞(毎日新聞社、日仏文化会館主催)は、このほど選考委員会の審査の結果、黒江光彦(国立西洋美術館勤務)訳のグザヴィエ・ド・ラングレ著「油彩画の技術」(美術出版社刊)に決定した。この賞は、訳者に1ケ月間フランス旅行の特典が与えられる。贈呈式は明春2月上旬、毎日新聞東京本社で行なわれる。 

苔庭の庭園、猪に荒さる

1969年12月

特別名勝史跡に指定されている京都西芳寺(苔寺)の庭園に夜間、猪が出没し、名物の苔をかきむしり、庭師の手入が追いつかないほどに庭園を痛めつけた(2日)。

第4回日本芸術祭国内展示

1969年12月

日本現代美術を海外に紹介、あわせてその市場を開拓する―との趣旨ではじめられた国際芸術見本市協会主催の「日本芸術祭」は、これまでアメリカとメキシコで開催されてきたが、4回目を迎え、初めてヨーロッパに進出、来春3~4月にパリのチェルヌスキー美術館で開かれることになった。その国内披露が6日から14日まで「第4回日本芸術祭国内展示」として東京国立近代美術館で開かれた。今回は公募一本にしぼったのが特徴で、応募作は国内はもとより、海外在住の日本人作家からも寄せられ、総計1,096点にも達した。その中から今春審査が行なわれ、平面38点、立体18点、版画20点が入選。授賞作として、JAFA大賞に靉嘔の「6 RAINBOW CLOCKS」、楢葉雍の「METAMORPHOSE 1969―5」の両立体作品が推され、浅井昭「分化のスリーベルトA・A」ら4点の平面作に優秀賞が与えられた。

芸術院新会員決定

1969年11月

日本芸術院は、24日会員欠員補充選挙の開票を行ない、新会員に第一部美術部門では、井手宣通(洋画)、大内青圃(彫塑)、西川寧(書)の3名が内定、12月15日付で正式に任命された。

京都で野外造形’69展

1969年10月

京都では初の試み「野外造形’69」展(野外造形’69実行委員会・京都新聞社主催)が20日から11月30日まで、鴨川の西岸、北は荒神橋から南は丸太町大橋まで約9千平方メートルの府立鴨川公園をメーン会場に当てて開かれた。京都をはじめ全国で活躍中の新進先鋭作家たち約80人が参画してそれぞれ思い思いの造形意欲を発散させて競い合った。

改組第1回日展開幕

1969年11月

過3月下旬総会を開き画期的な機構改革と、これに伴う人事の若返りを断行した社団法人「日展」が、本年度第12回日展を改組第1回日展と銘打って、新陣容のもとに1日より12月6日まで例年通り都美術館で改新初の展覧会を開幕した。ところで“日展粉砕”を目標に実力行動を起そうとする美術家共闘会議、反戦美術家共闘委の造反学生たちの動きに対して、前月13日からはじまった作品搬入、審査日以来、異例の警戒体制を強化してきたが、開会初日の彫塑会場で一部混乱をまねいただけで会期中殆んど無事に終った。

文化勲章功労者決定

1969年10月

44年度の文化勲章と文化功労者が21日の閣議で内定した。4人の文化勲章受賞者のうち美術関係者は、日本画の東山魁夷(本名新吉)。6人の文化功労者のうちでは染織工芸の山鹿清華(本名健吉)。文化勲章の伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京・虎の門の国立教育会館で行なわれた。

18世紀フランス美術展

1969年10月

国立西洋美術館では開館10周年を記念して館開設に縁の深いフランスの18世紀美術展を18日より12月14日まで開催した。出品作品は、ワトー、ブーシェ、フラゴナールなどの絵画42点、ウードンなどの彫刻15点、デッサン21点、建築彫刻装飾デッサン26点、版画16点、豪華装幀本12点、家具6点、室内装飾ブロンズ5点、金工品5点、陶磁器11点、タピスリー、衣裳9点、その他の工芸品7点で、建築物の写真パネルを援用しながら、ロココ美術の多分に貴族的な生活を背景とする綜合的性格の再現を試みた興味深い展覧会であった。

丸紅飯田が美術品輸入の新業務

1969年10月

総合商社である丸紅飯田が英国のラブラン社(本社ロンドン)と提携し、年間最低18億円相当の絵画、古美術、骨董品を輸入することになり、このため1日から常設展示場を東京・有楽町、新有楽町ビルに丸紅アート・ギャラリーとして設け新業務を開始した。同社が第1回契約分として輸入(1部委託)したのは泰西名画など71点、総額10余億円にのぼるといわれた。特にそのなかのボッティチェルリ作「シモネッタ・ベネプッチの肖像」(時価1億5千万円)は、美術界の一部から真贋の疑点についての噂がおこり、6日関係者異例の記者会見で真作であると説明するなど、大きな話題となった。

沖之島で「唐三彩」出土

1969年10月

福岡県宗像郡沖之島で行なわれた宗像祭祀遺跡総合調査の結果、「唐三彩」の陶片が見出された。「唐三彩」が中国以外の地で発掘されたのは、エジプトのカイロ、奈良大安寺遺跡についでこれが3番目であり、貴重な発見である(15日)。

第3回現代日本彫刻展

1969年10月

昭和40年から隔年に開かれてきた現代日本彫刻展=山口県宇部市、日本美術館企画協議会、毎日新聞社主催=は、その第3回展を1日から11月10日まで宇部市の常盤公園内野外彫刻美術館で開いた。今年の同展は、わが国現代彫刻の先駆者である荻原守衛から現在までの代表作を集めて特別陳列した“日本現代彫刻の史的展望”と、アルミニウム、ステンレス、プラスチック(ポリエステル、塩化ビニール)など現代彫刻の新しい素材をとりあげ、作家と素材による新しい可能性を求めた“三つの素材による現代彫刻展”の二つ。後者では42年後半期から現在までの間に各美術団体展、グループ展、個展その他ですぐれた業績を示した作家を4素材部門19作家19点の中から9月29日夜、8名の審査員で次のように授賞作品を決定した。なお、宇部興産の協賛は従前通りだが、素材提供のスポンサーとして、積水化学工業、日本硝子繊維、日本軽金属、日本触媒化学工業、日本ステンレス各社に協力を仰いだ。 大賞<宇部市賞>(70万円)村岡三郎「自重」(ポリエステル) 宇部興産株式会社賞(50万円)栄利秋「思考空間9-69…くう…おのれのみしは…」(同上) 毎日新聞社賞(40万円)小田襄「計画」(ステンレス) 宇部市野外彫刻美術館賞(30万円)広井力「標的と人」(アルミニウム) 神奈川県立近代美術館賞(30万円)伊原通夫「風風風風」(ステンレス) 長崎県立美術博物館賞(30万円)田中信太郎「リレーション」(塩化ビニール)

サザビーオークション

1969年10月

「英国フェア」の一環として、世界最大のロンドンの競売会社サザビーが1日から3日まで、東京・日本橋、三越本店の三越劇場で「サザビー・オークション」を行なった。近代絵画、印象派絵画を中心に3日間にわたって東西の美術骨董品、総額7億1千万円を売上げた。

国立歴史民俗博物館、遺跡博物館

1969年09月

文化庁は8月5日、すべての分野の歴史資料と生活に関する民俗資料を収集した国立歴史民俗博物館と、奈良・平安宮跡をそっくり遺跡博物館とする構想を発表した。

国際鉄鋼彫刻シンポジウム

1969年09月

日本鉄鋼連盟、毎日新聞社主催により、外国作家9名(ジョージ・ベーカー、ハインリッヒ・ブルマック、フィリップ・キング、ベルンハルト・ルジンブール、エドゥアルド・パオロッツィ、カール・ブラントル、ジョージ・リッキー、ケネス・スネルソン、ジャン・ティンゲリー)、日本作家4名(伊原通夫、飯田善国若林奮、湯原和夫)の参加で行なわれ、大阪西淀川区野里西の大アトリエに9月中に集り、3ケ月の共同生活をしながら制作することになった。作品はすべて万国博の会場に展示される。

世界民族美術展

1969年08月

8月30日~10月12日 西ドイツ・ケルン市のラウテンシュトラウホ・ヨースト民族学博物館所蔵品によるもので、東京新聞社主催、東京国立博物館において開催された。

西ドイツ、スイスで日本古美術展

1969年08月

日本政府が主催するもので、8月30日~10月スイス・チューリッヒ市立美術館、11月西ドイツ・ケルン市立美術館で開かれることになり、文化庁によって組織され、出品総数は149点にのぼった。

ヘンリームア展

1969年08月

(8月27日~10月12日)ブリティッシュ・カウンシル、東京国立近代美術館、毎日新聞社の主催により、東京国立近代美術館で開催され、彫刻・素描97点が展示された。

ゴーギャン展

1969年08月

8月28日~10月1日 京都国立近代美術館、読売新聞社、報知新聞社の主催により、東京渋谷の西武デパートで開催され、世界各地から集められた130点が展観された(京都展10月5日~11月7日)。

日宣美展中止される

1969年08月

日本宣伝美術会第19回公募展は、日宣美展廃止、日宣美解体を主張する美術学生を中心にした日宣美粉砕共闘会議の造反運動によって中止せざるをえなくなった。中央委員会は8月19日、極秘に審査会を強行し、展覧会を抜きにして入選作品目録を関係に配布する方法をとることに決定した。

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