皇居大手門の渡り櫓復元さる

1966年12月

40年10月から復元工事を進めていた皇居大手門の渡り櫓が12月完成した。この渡り櫓は1769年につくられ、関東大震災でこわれたのを修理したが第2次大戦で焼失し、この度の復元となったものである。

法隆寺金堂壁画の再現計画

1966年12月

法隆寺金堂は昭和24年1月に焼損し、有名な壁画も火熱のために変色破損して、金堂の修理後は別に保存されている。寺側から壁画再現に関する金堂の現状変更願が提出され、文化財保護委員会は12月23日これを許可した。壁画の再現は今日残された資料により可能なかぎり忠実な模作によってなされることになっている。 

「東京国際版画ビエンナーレ展」開く

1966年12月

第5回東京国際版画ビエンナーレ展が4日より来年1月22日まで、東京・京橋の国立近代美術館で開催された。今回の第5回展は、これまでの読売新聞社と国立近代美術館との共催という形から、国際文化振興会との共催という形に改まって最初のもので、出品作品は総数526点、国別にして43カ国、版画家は187名であった。今回から審査員を外国からも招聘して審査員団(下記)を構成し、開会前日の3日に授賞審査を行なった。その結果、国際大賞には、パー・グナ・テランド(スエーデン)が推されたが、日本側作家では、国立近代美術館賞を日下賢二、文部大臣賞を萩原英雄、佳作賞を尼野和三がそれぞれ受賞した。〔国際審査員〕ノーマン・リード(イギリス)、ヴェルナー・シュマーレンバッハ(ドイツ)、ホルヘ・ロメロ・ブレスト(アルゼンチン)、ジェームズ・ジョンソン・スイーニー(アメリカ)、ジャック・ラセーニュ(フランス)、今泉篤男土方定一

秋の生存者叙勲の美術関係者

1966年11月

政府は3日付で41年度秋の叙勲および賜杯(銀杯)の受章者の氏名を発表した。その中で美術部門関係者の主な氏名、勲等は次の通りである。  勲一等瑞宝章=浅野長武(東京国立博物館長)、勲三等瑞宝章=雨宮治郎(彫刻家、芸術院会員)、大久保作次郎(洋画家、芸術院会員)、堀口捨己(建築家、文化財専門審議会専門委員、神奈川大学教授)、勲四等旭日小綬章=中川紀元次(洋画家、二紀会委員)、溝口三郎(漆工芸品の研究、文化財専門審議会専門委員)、水町和三郎(古陶磁器の研究と伝承者の養成、文化財専門審議会専門委員)、勲四等瑞宝章=佐竹林蔵(教育美術理事長)、生駒義博(津山科学教育博物館副館長)、稲村坦元(埼玉県文化財保護審議会委員)、前得二(号大峰、漆芸沈金作家)、山口亮一(佐賀県文化財専門委員)、宮坂英一(長野県茅野市尖石考古館長)、勲五等瑞宝章=片岡照三郎(号華江、漆芸螺鈿作家)、竹原吉助(文化財建造物の保存技術、大阪府文化財専門委員)、成田潔英(紙の博物館長)、勲六等瑞宝章=磯村才治郎(錺金具修理技術業)、勲七等清色桐花章=北村勘一(染織結城紬絣くびり業)、桜井勇次郎(久留米絣製造業)、勲七等宝冠章=森山ヤス(染織久留米絣手織業)、田中ミヨ(染織久留米絣手織業)、玉置びん(染織かっぺた織製作、染織黄八丈製作)

芸術院新会員内定

1966年11月

日本芸術院は30日、41年度の欠員補充選挙を開票、8人の新会員を内定した。そのうち第1部(美術)では洋画の田崎広助、耳野卯三郎、彫塑の古賀忠雄の3名が決り、来月7日までに総会の承認を得て中旬までに文相へ上申、来年1月15日正式に発令する予定。

「模型千円札事件」の画家に懲役求刑

1966年11月

個展の案内状などに使うため、千円札の模造品を作ったとして通貨・証券模造取締法違反で起訴された画家・赤瀬川原平(本名・克彦)ら3被告の求刑公判は、21日東京地裁刑事十三部(堀義次裁判長)で開かれ、北村検事は「どこで使用されてもわからないほど実物に似ている。芸術家の表現の自由にも限界がある」と赤瀬川被告に懲役6カ月、2人の印刷業者にそれぞれ懲役4カ月を求刑した。(詳細は「美術手帖」42年1月号参照)

長岡現代美術館賞展の公開審査

1966年11月

新潟県長岡市の長岡現代美術館が画壇の新人登竜門として行なっている「第3回長岡現代美術館賞展」は日伊前衛画家の国際コンクールの形式をとり、28日から来年1月30日まで2ヵ月間、開催されるが、26日、日本側8人、イタリア側7人の新鋭画家の招待作品について、恒例の公開審査(審査員は美術評論家針生一郎中原佑介、イタリアの美術評論家ネロ・ポネンテ)を行った結果、受賞(賞金100万円)はエンリコ・カステラーニに決定した。〔出品作家〕<日本>靉嘔、荒川修作、今中クミ子、小島信明、八田豊、前田常作、吉田稔、吉村益信<イタリア>ジェトゥリオ・アルヴィアニ、レモ・ビアンコ、アゴスティノ・ボナルミ、エンリコ・カステラーニ、ピェロ・ドラツィオ、ルチオ・デル・ペッツオ、エミリオ・スカナヴィノ。

文化勲章並びに文化功労年金受領者決定

1966年10月

昭和41年度文化勲章並びに文化功労年金受領者10名が21日の閣議で決定した。勲章の授与式は11月3日文化の日に皇居で行われ、翌4日には文化功労者7名の顕彰式が勲章受章者とともに東京・虎ノ門の国立教育会館で行われた。文化勲章3名のうち美術関係では、日本画の徳岡神泉が受章、同じく文化功労者には漆工の山崎覚太郎が受領した。

パリで日本古美術展開催される

1966年11月

4日より42年1月2日まで、ルーブル美術館のギャラリー・モリアンで、「日本古美術展」が開かれた。これは東京国立博物館の「フランスを中心とする17世紀ヨーロッパ名画展」に対応する事業として行われたもので、近世風俗画の代表作が網羅された点に特色があった。

「ソ連近代名画展」開催

1966年10月

国立西洋美術館・日本経済新聞社・ソ連大使館主催の「ソ連国立美術館近代名画展」が15日から12月25日まで東京上野の国立西洋美術館で開催された。4つのソ連国立美術館エルミタージュ、プーシキン、ロシア、トレチャコフの各美術館所蔵品のうちからえりすぐったロシヤ、ソヴィエトとフランスの近代絵画の代表作を日本で初公開したもので、ロシア近代絵画は、ソ連専門家の手で無尽蔵な作品のなかから傑作だけを選び出し、最も有名なレーピンの5点をはじめ、ロコトフ、シバノフ、ペーロフ、レヴィタン、シーシュキン、デイネカら26名の50点と、マネ、モネ、シスレー、ルノアール、セザンヌ、ゴッホ、マチスら西欧13巨匠の名作41点併せて91点にのぼる展観となった。

現代アメリカ絵画展

1966年10月

現代アメリカ画壇を代表する35作家、130余点の展観が、ニューヨーク近代美術館、国立近代美術館、朝日新聞社主催、米大使館後援で、15日から11月27日まで東京・京橋の国立近代美術館で開かれた。アクション・ペインテイングのポロック以後最近20年間の動向を展望出来る興味深い展観となった。つづいて12月10日から翌年1月22日まで国立近代美術館京都分館で開催された。

ブラマンク展

1966年10月

フランス近代絵画野獣派の巨匠「ブラマンク展」が読売新聞社主催、フランス大使館後援で東京銀座の日動画廊で1日から15日まで開かれた。初期フォーヴ運動の時代から独自の様式の確立へと向う後期にいたる45点に水彩、デッサン、リトグラフなど35点、計80点が展示された。

国際造形芸術連盟第5回総会、東京で開く

1966年10月

国際造形芸術連盟(IAA)の第5回国際造形芸術会議(第5回総会)が、1963年ニューヨークでの第4回総会の後をうけて、9日から15日まで、東京有楽町の日生会館7階国際会議場において開催された。25カ国の国内委員会代表およびオブザーバーの美術家、ユネスコ、美術関係団体などを代表するオブザーバーら都合およそ130名が出席し、会議主題「東西の各文化地域における美術の理解・教養の形成と美術家」をはじめ予定された議題を日程にしたがって討議し、滞りなく会議を終了した。15日の会議終了後、一同は午後2時東京発ひかり号で京都へ一泊旅行に出発した。なお14日次期執行委員(10名)の選挙が行われ、益田義信は出席国内委員会23カ国、他3カ国の委任投票行使の結果、満票を得て再任され、更に16日一同の解散後、京都の天竜寺に残って開かれた執行委員会議で役員の選出を行い、最終的に益田が会長に推された。益田は今後3年間IAAの会長の重任に当ることになった。

東京国立博物館の江戸美術展

1966年10月

1日より11月20日まで、江戸美術展が東京国立博物館で開催され、広汎な江戸美術の各分野の作品が網羅展観された。

「アンリルソー展」開く

1966年09月

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、初期のたどたどしいいくらかの作品群のために〝素朴画家〟とか〝日曜画家〟と呼んで親しまれたユニークな画家アンリ・ルソーの作品展が読売新聞社主催、外務省・文部省・フランス大使館後援のもとに3日から28日まで東京池袋の西武百貨店で開催された。

「ミロ展」開く

1966年08月

スペインの現代美術の巨匠、ホアン・ミロの油絵を中心とした初期の作品から最近作まで、他に幅ひろい芸域を示す版画からタピスリー、彫刻、陶芸にまでおよぶミロ生涯の代表作171点の大展観(国立近代美術館、毎日新聞社主催)が26日から10月9日まで東京京橋の国立近代美術館で開かれた。なおミロ自身も9月21日に来日し約2週間滞在して各地を見学した。

中尊寺金色堂で截金の跡が発見される

1966年08月

1124年の創建になる中尊寺金色堂の解体修理中、壁面の各所から截金を使用した痕跡がみいだされ注目された。ただし絵具使用の痕跡は明らかでなく、まとまった図形も肉眼では認められていない。

ソ連で葛飾北斎展

1966年09月

ソ連のモスクワ市プーシキン美術館およびレニングラード市エルミタージュ美術館において「葛飾北斎展」(主催=ソ連政府文化省、日本経済新聞社、後援=駐ソ日本大使館)が開催された。会期は、プーシキン美術館がこの1日から10月10日までの40日間、エルミタージュ美術館では10月20日から11月30日まで。出品作品は北斎の肉筆浮世絵および版画200点で、重要美術品認定物件4点が含まれていた。

「模型千円札事件」で美術評論家が特別弁護人に

1966年08月

昨年11月1日東京地検から起訴された前衛画家・赤瀬川原平被告の「模型千円札事件」に関する第1回公判が10日午前10時30分から東京地方裁判所第701号法廷で開かれ、この公判には美術評論家・滝口修造、中原佑介が特別弁護人として「芸術表現の自由」をめぐって啓蒙的意見を陳述し弁護した。

南禅寺の襖絵切りとられる

1966年08月

8月25日、京都南禅寺の方丈にある伝狩野探幽筆の竹虎図が縦11.5㎝、横9.2㎝ほどむしりとられているのが発見された。

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