「生誕120年藤田嗣治」展開催

記事番号:04811
年月:2006年03月

エコール・ド・パリの画家のひとりとして国際的に著名な画家藤田嗣治の生誕120年を記念し、その全画業を回顧する展覧会が3月28日から5月21日まで東京国立近代美術館で開催された。東京美術学校に学んだ後、フランスに留学し、フォーヴィスムなど色彩が多用される画界にあって、陶器のような独特の質感の白い下地に肥痩のない黒い線で対象を描く画風で1920、30年代にフランス画壇の寵児となった藤田の作品は、これまで、フランスで評価の高かった時代のものを中心に紹介されてきた。この展覧会では留学ののち画風を確立するまでの作品、第二次大戦中に軍の依頼を受けて描いた戦争記録画、戦後に再度フランスに渡って以降の宗教主題の作品を含む晩年の制作なども展示され、神話や伝説に満ちたこの画家の初期から晩年までの作品を見直す機会となった。本展は京都国立近代美術館(5月30日~7月23日)、広島県立美術館(8月3日~10月9日)に巡回した。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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