山種美術館移転問題浮上

記事番号:04431
年月:1998年05月

近代日本画のコレクションで知られる東京日本橋の山種美術館は、経営母体である財団と施設を所有する山種不動産との不和を背景に移転を余儀無くすることとなったが、これに対し同館の学芸員が美術館活動および規模の縮小に繋がると反発、21日に東京地方裁判所に財団の移転停止を求める仮処分申し立てを行った。8月には館の業務を乱すとして学芸員2名が解雇され、学芸側は同裁判所に地位保全の仮処分を申請するなど移転をめぐる対立はもつれたが、日本における私立(財団)美術館の公共性が社会的に問われるかたちとなった。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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