相次ぐ地方美術館開設

記事番号:03481
年月:1982年11月

3日の文化の日にあわせて3つの美術館がオープンした。埼玉県立近代美術館(浦和市北浦和公園)、岐阜県美術館(岐阜市宇佐)、神戸市立博物館がそれである。各館とも土地柄を生かした活動をしていく方針で、埼玉は県ゆかりの作家斎藤与里ら近代洋画人の作品とそれにかかわる印象派の作品を、岐阜は山本芳翠、川合玉堂らの郷土作家を中心とした近代洋画、日本画を、神戸は神戸市立南蛮美術館を発展的に吸収したもので、港を通じての国際文化交渉史料を主に収集、展観する。埼玉に県立美術館ができたことにより、関東では全都県が美術館を持つこととなり、今後の相互連関した活動が期待される。開館記念展はそれぞれ「印象派からエコール・ド・パリへ」(12月12日まで)、「明治15年・パリ」(12月19日まで)、「海のシルク・ロード展」(12月19日まで)で、各館の特色を強調した力のこもったものとなった。また、13日にはこれまで画家の旧アトリエで作品を展示してきた棟方版画館に新たな展示施設として棟方版画美術館が加わり、各時代の代表作を含む版画600点他、油絵80点、版木のほとんどが年4回位に分けて展示されることとなった。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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