戦争記録画の返還

記事番号:02814
年月:1969年06月

日中戦争、大東亜戦争等の際、記録画として描かれた多くの作品は、戦時中内地の主要都市に巡回展示され、その後東京都美術館に保管されていた。これらの戦争画は、戦後連合軍司令部に接収され、昭和26年アメリカに運ばれ、ペンタゴンその他に分散されていた。昭和36年日米修好100年にあたり、これらの絵画の返還が話題となり、朝日新聞社や国立近代美術館が返還の折衝に当った。その後、近代美術史上における重要資料として、文化的見地から外務省が返還促進をすすめていたが、昭和43年正式交渉の結果、当該作品は、米国政府から日本政府に「無期限に貸与」することとし、貸与後の取扱いは事実上日本側に自由を与えることで諒解に達した。45年2月東京国立近代美術館の青木技官がワシントンに出張し、155点の絵画を検収し、3月31日ワシントンにおいて両国交換文書が調印された。作品はニューヨーク経由で東京に空輸され、5月1日東京国立近代美術館において関係官庁その他参集のもとに荷がほどかれ、同所に収蔵された。尚、これらの経緯については6月29日発表があった。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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