国画会彫塑部同人脱退

記事番号:00504
年月:1939年07月

国画会彫刻部同人全員及び出品者有志計八名は、絵画部と芸術上見解の相違を理由とし七月四日左の声明を発して同会を脱退、その中清水多嘉示を除く全部は新制作派協会に参加した。その為国画会は彫刻部を解消し、又新制作派協会は新に彫刻部を加へたこととなつた。 「我国に於ける造型芸術の本格樹立のため、一致協力して参りました国展彫刻部の我々はその芸術行動を更に鮮明にし、新しきジエネレエシヨンの確立に邁進すべき段階に到逹いたしました。この彫刻部の芸術意慾は国展絵画部の趣味的芸術の没時代性と、既に相容れざるところであります。組織に於けるこの矛盾を清算すべく、茲に十三年の友誼を切つて彫刻部同人及び出品者有志一致して脱会する事になりました。右声明いたします。」 なほ新制作派協会が同日発した声明は左の通りである。 「新制作派協会は今日まで、新正なる純粋芸術の樹立と芸術行動の一元化に向つて一意邁進して来ましたが、更に明確なる意識を以て芸術の本質たる新しき空間に於けるモニユマンタル芸術の確立を期すべき段階に到逹してゐると信じます。偶々国展の彫刻家有志とその芸術意慾を同じくし、協力一致せば其の成果の甚大なることを共に確信し、ここに統合体となる事を声明する次第であります。」

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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