紐育桑港万国博覧会参加

記事番号:00414
年月:1938年12月

明春開催されるニユーヨーク及びサンフランシスコのゴールデン・ゲート両万国博覧会に対する米国政府からの招請に応じ、我が政府では二百八十万円の予算を以て参同することとなり、商工省主管の下に、その参同事務は、日本商工会議所、国際文化振興会、日米協会日本万国博覧会協会の四団体によつて設立された紐育桑港万国博覧会協会が之に当り、本年二月より開始された。  ニユーヨーク万国博覧会はワシンントン大統領就任五十年記念として「明日の世界の建設」を主題とし四月三十日から十月三十日まで、サンフランシスコの金門万国博覧会は桑港湾の二大鉄橋完成記念として、「交通通信の近代的発達」を主題とし二月十八日から十二月二日迄開かれる予定で、我が国では両者に夫々日本特設館及び日本式庭園を建設し、出品は社会生活、観光、交通、工芸、美術及科学の六部に分けて、商工省が出品調査委員を設けて選定することとなつた。委員は工芸に関しては国井喜太郎、秋月透、和田三造水町和三郎及宮下孝雄、美術に関しては川合玉堂横山大観岡田三郎助津田信夫が委嘱された。  紐育博の日本特設館は内田祥三岸田日出刀大熊喜邦の共同設計になる神明造に範をとつたもので延面積約四五〇坪附属庭園は田村剛の設計で寝殿造りに於ける庭園様式をとつたもので面積約九五〇坪、金門博の日本特設館は設計者は同前で、我が国城廓建築を基調とし江戸時代武家邸宅及塗家造の様式を加味したもの、延面積約四一二坪、附属庭園は前者と同じく田村剛の設計で九六八坪。紐青の特設館は十月十八日定礎式挙行、桑港のものは十二月二十日上棟式を行つた。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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