芸術選奨決定

記事番号:02635
年月:1966年03月

文部省は昭和40年度(第16回)芸術選奨の受賞者として、演劇、音楽、文学、美術など8部門でそれぞれ業績をあげた団体1、個人8人の計9件を決め22日発表した。美術部門では、ながらくパリに滞在して国際的な声価を博し、殊に昨年はサンパウロのビエンナーレ展で外国部門最優秀画家賞を受けたほか、東京・国立近代美術館の在外作家展でも「朝のオートルート」「ナショナルルート」の二力作を発表、すぐれた表現技術と新鮮な作風で現代画壇を刺激した菅井汲(画家、パリ在住、神戸生れ、47歳)と、「京王ビル」(東京・新宿)、「佳松園」(岩手県花巻市)などの意欲的な作品に続いて昨年度は「山口銀行本店」(下関市)を完成し、その設計監理を通じて商業建築の機能的要請をよく消化して材料とくに金属の美的特性を生かし、近代ビルとしての新鮮な造形表現に成功した円堂政嘉(建築家、45歳)の両名が選ばれた。受賞式は4月9日、文部大臣室で行なわれ、文部大臣賞と一件につき賞金10万円が贈られた。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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