映画「現代の日本」検討

記事番号:00185
年月:1937年03月

国際映画協会が予て海外に対する日本紹介の目的を以て製作した映画「現代の日本」十巻の中、日本固有の風俗を主題とした「風俗日本」(ピクチユアレスク・ジヤパン)は藤田嗣治の監督に依り完成されたものであるが、試写の結果、日本に対する正しき認識を欠くものとして国辱約映画であるとの批評を受け、同協会も之を顧慮して公開を停止し輸出も不可能と見られるに至つた。美術批評家協会では同映画批判の会合を開き協議した結果、同映画は芸術的価値高く、行き詰れる対外日本文化紹介に一新紀元を劃するもの、又日本的なるものの検討に好個の資料を提供するものと認める等の理由から、右の如き批評を不当とし、その措置を遺憾とし同映画の再検討並に公開を期する旨、三月二十七日同協会のコムミユニケとして発表した。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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