美術批評家協会創立 

記事番号:00137
年月:1936年10月

「現代日本の美術界は、未曾有の混乱に陥り、美術家は生活の不安に喘ぎ、批評精神はすたれ、あまつさへ職業的な批評家は、あたかも家畜のやうな存在をさへ営んでゐるではないか。(中略)芸術の世界に於いてもまた、これを指導する進歩的な批評精神を持たないほど、悲惨なことはない。この混乱のちまたにさ迷う美術界にこそ、何よりも先ず厳正にして妥当な美術批評が確立されねばなるまい。」云々との宣言を発して、美術批評家協会が十月十日創立された。会長子爵吉川元光、書記長柳亮、事務長外山卯三郎とし、東洋美術、西洋美術、工芸、建築、商業美術、都市計画美術、舞台美術、舞踊、映画、写真、服飾、装幀等其の他の部分を受持つ二十余名の批評家を正会員とする。機関雑誌「美術批評」の発行、美術図書館設立、美術行政に対する提案建策、其の他十余項に亙る事業計画が発表されてゐる。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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