藤島武二意見書提出 

記事番号:00134
年月:1936年09月

帝国美術院会員藤島武二は昨年の帝院改組当時帝展不開催を主張し、去る四月には他の会員等と共に帝国美術院解消若くは帝展廃止意見を提出し、其の後は去る六月四日文相主催の帝院会員懇談会を初め、新文展に関する打合会等にも総て出席せず独り沈黙を守つてゐたが、九月二十五日午後平生文相を官邸に訪問、会見して所見を述べ「帝国美術院改革に関する私見」と云ふ意見書を提出した。其の内容として伝へられる所によれば、「帝国美術院の使命を展覧会開催と混同した所に誤りがあるから、之と離れて帝院本来の使命に帰るべきである。政府が展覧会を開催することは真の美術奨励に適せず、官展は廃すべきである」との意味を説いたものである。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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