旺玄社文展不参加決議 

記事番号:00117
年月:1936年07月

牧野虎雄を主宰とする洋画団体旺玄社では、文展支持を決定した第二部会の態度に不満を抱いてゐたが、七月十三日夜上野広小路明治製菓で総会を開き、社人社友等集合協議した結果、文展反対を決議、不出品の態度を取ることに決し、翌十四日左の声明書を発した。 「昨夏旺玄社が松田改組による新帝院に対して一般出品者の立場より声明した『従来の機構による官設展覧会の廃止』は、其の後吾々が帝院に対する一貫せる態度である、今回の平生文相に依る再改組なるものは何等昨年の改組と、其の本質に於ても亦機構に於ても異ならず益々吾々の理想と背馳するものである如何にそれが一応立派やかに見えやうとも全く一時的に大衆を欺瞞するもので勿論吾々の支持し得られざるものである。 同時に昨年第二部会設立以来積極的に此れを支持し来たつたのは実に前掲の立場よりなせるもので、此の度一般出品者の誠意を裏切る如き第二部会の態度は実に吾々の遺憾とするところである。 此の度吾が旺玄社は帝展に対する一貫せる態度を表明する為改めて新文展に対して不出品を声明するのである。 昭和十一年七月旺玄社」

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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