小室翠雲辞表提出 

記事番号:00073
年月:1936年06月

帝国美術院会員小室翠雲は六月十二日前記会員等が辞表を提出したことを知つて、別個の見解から同様辞職を決意し、同日午後会員の辞表を院長宛提出した。其の理由は、文相試案は展覧会開催のみを重視して美術奨励機関としての帝国美術院本来の使命を没却し重要な鑑査問題にも触れてゐず、予てより意見書として提出した理想は全く容れられず今後如何に協調しても到底相容れない。且つ多数会員の辞職した今日ではむしろ速に一切を解消しておもむろに時の至るを待つ方がよい。といふものである。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
to page top