1896(明治29) 年7月21日


 七月二十一日 火
 今日も終日風がつよかつた 又雨も時々盛ニやつて来た 朝九時頃ニ起きて菊地武則氏ニ逢ひ掛物を見てそれを引受ける事と為つた 島津久光公の画だ 夕方に又小督ニ取りかゝつて居た処ニ合田がやつて来た 一時間計話してから一緒ニ宝亭にめし食ニ行き久米が引越たかどうだかそれを見る為に元園町迄行きそれから四谷の合田の内ニ行て十一時前迄遊んで帰つた