研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『TOBUNKEN NEWS (東文研ニュース)』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


『文化財の保存環境』出版

東京文化財研究所編『文化財の保存環境』中央公論美術出版社

 平成 21 年 4 月 30 日に公布された「博物館法施行規則の一部を改正する省令」により、大学や短期大学の学芸員養成課程において、資料保存や展示環境に関する内容を扱う科目として「博物館資料保存論」(2 単位)が新設され、今年度より、資格取得のための必修科目となりました。東京文化財研究所では、この科目のためのスタンダードテキストとすべく表題の本を執筆・編集し、中央公論美術出版社より出版しました。本書では、文化財施設や屋外における文化財保存に関する基本的な知識や技術を扱っており、温湿度や空気環境といった自然科学的内容が中心ですが、人文系の学生にもわかりやすく、かつ本質を失わないよう、構成や内容を精査して編集しました。また、本書はすでに学芸員として現場で保存に携わっている方々にとっても実践的で有用なものであると自負しております。上記科目が必修となったことは、資料保存が文化財施設での重要な責務であることを再認識するものであり、長年保存環境研究に取り組んできた我々にとって、そのためのテキストを作成することは、大きな責務であり、また喜びでありました。皆様の学習や実践に役立てて頂ければ幸いです。

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